中国伝統劇解説/豫劇『打金枝』

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唐の時代、安史の乱を平定した名将・郭子儀は、汾陽王に封ぜられ、六子・郭暖は妻に粛宗皇帝の姫・昇平公主を賜って駙馬(皇帝の婿)となっていた。

子儀の八十歳の誕生日に、六人の子と八人の婿は皆夫婦そろって御祝いに訪れた。しかし、暖は妻の公主が身分をかさに来なかったため、一人で弟妹たちと一緒に子儀に拝礼し、礼を失して恥をかいてしまう。怒った暖は、宮殿に帰ると公主を打ってしまう。公主は帝のところに行き、暖の無礼を涙ながらに訴え、罰することを求める。一方、子儀は暖を縛って宮廷に出頭、罪を請う。粛宗皇帝は、郭家の功績が大きく、また子女の事にはかかわるのが宜しくない、と考えて暖を赦免、逆にその官位を三級昇進させた。そして、皇后とともに夫婦の仲直りを勧める。

  • 別名《満床笏》《大拝寿》。京劇・晋劇・川劇・漢劇など、多くの劇種にも同様の劇目が見られる。京劇とは若干の異同がある。
  • 物語は、趙の筆記小説集《因話録》(唐)、《三多記》伝奇(清、佚)、褚人穫《隋唐演義》第九十九回(非常に簡略)に見える。