『都市芸研』第十七輯/「近現代中華圏の伝統芸能と地域社会」2018年度活動概要

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「近現代中華圏の伝統芸能と地域社会」2018年度活動概要

氷上 正・二階堂 善弘・平林 宣和・千田 大介・
山下 一夫・佐藤 仁史・戸部 健

中国都市芸能研究会では、2015年度より科学研究費補助金(基盤研究(B))「近現代中華圏の伝統芸能と地域社会~台湾の皮影戯・京劇・説唱を中心に」(研究課題番号:15H03195、研究代表者:氷上正)の助成を受けて、台湾を中心に広く中華圏の皮影戯・京劇・説唱などの伝統芸能と、それらを取り巻く地域社会を考究するプロジェクトを立ち上げている。

研究最終年度となる 2018年度は、研究成果の発表を中心とした活動を行い、合わせて補助的な現地調査も行った。まず6月に、高雄市立歴史博物館皮影戯館の主催で開催された国際シンポジウム「偶戲無國界――台日港偶戲交流座談會」で千田・山下の両名が研究発表を行うとともに、高雄皮影劇団・永興楽皮影劇団を訪問し、インタビューと所蔵資料調査を実施した。次に夏期においては、台湾から石光生(国立台湾芸術大学戯劇学系教授)・邱一峰(嶺東科技大学助理教授)の両名を招聘して国際講演会を開催し、さらに長野県飯田市においてAVIAMA総会への出席と、高雄皮影劇団の訪日公演同行調査を行い、またこれとは別に中国における現地調査も進めた。さらに12月は公開講演会「台湾ローカル文化と中華文化――映画・影絵人形劇・布袋戯(ボテヒ)、そして『Thunderbolt Fantasy』」を開催した。年末の冬期休暇期間には台湾において現地調査も行った。

1.国際シンポジウム出席および劇団調査

  • 6/6  千田・山下  終日:東京から高雄へ移動
  • 6/7  千田・山下  終日:以下の国際シンポジウムにて研究発表
    • 「偶戲無國界――台日港偶戲交流座談會」 (高雄市皮影戯館傳習教室、主催:高雄市立歴史博物館皮影戯館)
      • 石光生(国立台湾芸術大学)「臺灣皮影戲的發展」
      • 山下一夫(慶應義塾大学)「台灣皮影戲《白鶯歌》和弋陽腔」
      • 千田大介(慶應義塾大学)「論北京、河北皮影戲之演變」
      • 黄暉(香港偶影芸術中心)「中國偶戲在香港」
  • 6/8  千田・山下  午前:高雄皮影劇団を訪問・調査  午後:永興楽皮影劇団を訪問・調査
  • 6/9  千田・山下  午前:高雄から台北へ移動  午後:台北市内にて資料調査
  • 6/10  千田・山下  終日:台北市内にて資料調査
  • 6/11  千田・山下  終日:台北より空路にて帰国
偶戲無國界-台日港偶戲交流座談會

2.国際講演会開催および高雄皮影劇団訪日公演同行調査

  • 8/4  千田・山下 終日:石光生・邱一峰および皮影戯館スタッフが来日、打ち合わせ
  • 8/5  氷上・二階堂・平林・千田・山下・佐藤・戸部  終日:以下の国際講演会を開催
    • 「中華圏の影絵人形劇」(慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎中会議室、共催:中国都市芸能研究会
      • 千田大介(慶應義塾大学)「皮影戯の大西唐故事をめぐって<cstyle:横倍>―<cstyle:>「大罵城」・北京皮影戯・台湾皮影戯」
      • 山下一夫(慶應義塾大学)「台湾皮影戯「蘇雲」考」
      • 邱一峰(嶺東科技大学)「台湾皮影戯の発展・現状と展望」
      • 石光生(国立台湾芸術大学)「山中登と台湾皮影戯」
      • 司会:平林宣和(早稲田大学)
国際講演会 石光生氏
国際講演会 邱一峰氏
  • 8/6  山下  終日:石光生・邱一峰および皮影戯館スタッフと国立劇場附属伝統芸能情報館を見学
  • 8/7  山下  終日:石光生・邱一峰および皮影戯館スタッフと両国江戸東京博物館を見学
  • 8/8  千田・山下 終日:石光生・邱一峰および皮影戯館スタッフと東京から長野県飯田市へ移動
  • 8/9  千田・山下 午前:石光生・邱一峰および皮影戯館スタッフと飯田市川本喜八郎人形美術館を見学
    • 午後:いいだ人形劇フェスタ2018における影絵劇団かしの樹『100万回生きた猫』・西畑人形芝居朝日若輝一座『岩見重太郎大蛇退治』・ひとみ座乙女文楽『義経千本桜・吉野山道行』等の上演を鑑賞
  • 8/10  氷上・千田・山下 午前:飯田市川本喜八郎人形美術館にて高雄皮影劇団の上演準備、10時より「台湾皮影戯ワークショップ」を開催、その後飯田商工会館にて新興閣劇団の布袋戯上演を鑑賞
    • 午後:飯田市川本喜八郎人形美術館にて高雄皮影劇団による『ナタちゃんの竜退治』上演、飯田市美術館にてAVIAMA(人形劇の友・友好都市国際協会)歓迎レセプションに出席
台湾皮影戯ワークショップ
  • 8/11  氷上・千田・山下 終日:飯田市川本喜八郎人形美術館にて高雄皮影劇団による『ナタちゃんの竜退治』上演(午前と午後の2回)、飯田信用金庫会議室にてAVIAMA(人形劇の友・友好都市国際協会)総会に出席
    • 氷上  夕方:長野県飯田市から東京へ移動
  • 8/12  千田・山下 終日:長野県飯田市から東京へ移動

3.夏期現地調査

  • 8/17  佐藤 終日:羽田空港より北京入り
  • 8/18~19  佐藤 終日:北京図書館で調査
  • 8/20~22  佐藤 別科研での調査
  • 8/23  佐藤 終日:北京から蘇州に移動
  • 8/24
    • 佐藤 終日:張家港市において聞き取り調査、宝巻調査
    • 戸部 終日:静岡より東京を経由して北京へ移動
  • 8/25
    • 佐藤 終日:蘇州市木瀆鎮において聞き取り調査
    • 戸部 終日:北京市内の書店にて資料収集
  • 8/26
    • 佐藤 終日:蘇州市同里鎮、蘆墟鎮において聞き取り調査と民間文献調査
    • 戸部 終日:中国国家図書館にて資料調査、夕方に香港へ移動(8/29に帰国)
  • 8/27  佐藤 終日:蘇州から上海経由で大連に移動、大連図書館において文献調査
  • 8/28  佐藤 終日:大連図書館において文献調査
  • 8/29  佐藤 終日:大連から成田空港に移動

4.公開講演会開催

  • 12/1  氷上・千田・山下 終日:以下の公開講演会を開催
    • 台湾ローカル文化と中華文化――映画・影絵人形劇・&yuby(ボテヒ){布袋戯};、そして『Thunderbolt Fantasy』」(慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎2F大会議室、共催:2018年度学事振興資金「台湾の伝統芸能・民俗文化およびその対外発信に関する共同研究」)
      • 吉川龍生(慶應義塾大学)「台湾『健康写実映画』と1930年代上海映画」
      • 千田大介(慶應義塾大学)「中華圏の影絵人形のデザインと系譜」
      • 山下一夫(慶應義塾大学)「台湾の人形劇<cstyle:横倍>―<cstyle:>野外上演から『東離劍遊紀』まで」
      • 司会:氷上正(慶應義塾大学)
    • 上記講演会に合わせ、以下の書籍を刊行した。
      • 台湾ローカル文化と中華文化』氷上 正・山下 一夫・千田 大介・吉川 龍生  好文出版,2018年12月,A5判・110頁,ISBN:978-4-87220-217-5,1000円+税
      • はじめに(氷上 正)
      • 台湾の人形劇――野外上演から『東離劍遊紀』まで(山下 一夫)
      • 中華圏の影絵人形のデザインと系譜(千田 大介)
      • 台湾「健康写実映画」と1930年代上海映画(吉川 龍生)
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5.冬期現地調査

  • 12/27  二階堂  終日:大阪から高雄に移動し、また澎湖の馬公に移動
  • 12/28  二階堂  終日:馬公の澎湖天后宮・媽宮城隍廟・東甲北極殿などを調査
  • 12/29  二階堂  終日:馬公の澎湖観音亭などを調査
  • 12/30  二階堂  終日:鎖港に移動し、北石塔・南石塔と鎖港北極殿を調査
  • 12/31  二階堂  終日:澎湖生活博物館を訪れ、資料収集を行う
  • 1/1  二階堂  終日:馬公の大案山北極殿・前寮朱王爺廟などを調査
  • 1/2  二階堂  終日:馬公の宸威殿・西衛鎮風塔などを調査
  • 1/3  二階堂  終日:馬公から高雄を経て、大阪に戻る
澎湖鎖港北石塔