北京プロジェクトⅠ のバックアップ(No.2)


最新情報

近代中国都市芸能に関する基礎的研究?成果報告論文集の全文を公開しました。

北京プロジェクト趣意書

  1. 基本コンセプトについて
    1. 清末から民国期の北京の芸能を対象に、言語資料(文献、インタビュー)の収集を行う。また、付随する写真などの上演資料も適宜収集、保存する。それらの情報をもとに、芸能を取り囲む様々な社会的因子を視野に入れつつ、都市において芸能(劇文学を含む)を成立させるシステムを解明する。
  2. 研究対象
    1. 皮影戯:劉季霖(徳順班)
    2. 中華戯曲学校:王金璐
    3. 票友と観客:劉曾復(票友)、李墨瓔(観客、王金璐夫人)
  3. 研究対象については、必要に応じて随時追加する。
    1. 活動項目
      1. 研究例会における進行状況の報告。
      2. 構成員間の相互連絡と国外研究者、協力者とのパイプの強化。
      3. 国内外の既刊資料の収集と目録化。
      4. 未発表資料の収集、整理、保存、研究。
      5. 資料目録・資料叢書・論文集の発行による成果公表を目標とする。
      6. 研究活動の電子化の推進。
  4. 経過・日程
    1. 1996年4月に活動を開始。
    2. 1996年夏季より現地調査活動を開始。以後、毎夏季・春期に調査活動を実施。
    3. 最終成果報告は、2000年度に公刊。
  5. 組織構成と事務局の設置に関して
    1. 中国都市芸能研究会の有志によって組織される。
    2. 事務局は早稲田大学文学部中国文学専修室に置く。
    3. 会計役は、中国都市芸能研究会会計役が兼任する。
  6. 周辺機関、団体に関して
    1. 国内外の関係団体と必要に応じて協力関係を取り結ぶ。
  7. 活動資金に関して
    1. 1997年4月より、早稲田大学特定課題研究助成金(二年間)、及び文部省科学研究費補助金(三年間)の交付を受け、研究資金に充てる。

以上

1997/07/03 改訂 改訂者:千田大介

プロジェクト概要(早大特定課題研究助成金申請書から)

1.研究の背景

中国における芸能研究は、長期にわたってその文学的側面である戯曲研究に重心が置かれ、芸態や演技術等に関する美学的研究も都市の知識層に支持された崑劇・京劇等を対象としたものが主流であった。一方で農村の芸能に関する民俗学、人類学的な研究が近年盛んとなり、内外の研究者によってすでに一定規模の蓄積がなされている。1994年に文学部中国文学科、および演劇博物館の教員が中心となって本学で開催した「東アジアにおける民俗と芸能国際シンポジウム」も、主に後者の視点を補強するものであった。

しかしながら昨今の中国研究、特に明清および近代の社会経済史研究の進展により、前述の研究領域には含まれなかった都市の大衆層を基盤とする芸能のありよう、および都市周縁の農村との間を往来する芸能の実態を把握する作業が、中国芸能研究の新たな課題として浮上してきた。

こうした背景のもと、我々は昨年度から近代の北京の状況について具体的調査を開始した。対象とする芸能についての国内外の先行研究の調査はほぼ完了しており、準備作業として北京での二度にわたる集中的聞き取り調査および資料収集も実施済みである。

調査にあたっては、当該時期の状況を知る元北京皮影劇団団長・劉季霖氏、中国木偶劇団創始者・関剣青氏、京劇俳優・王金璐氏らにインフォーマントとして協力を要請、既に了承を得るに至っている。

2.研究目的

先述のように、本研究の目的は、(1)都市大衆層に支持された諸芸能の社会的環境およびその機能と様態とを明らかにすること、(2)都市の周縁を形成する農村部を都市と連続したものととらえ、その間を往来する芸能の実態を把握することの二点にある。限られた期間内に一定の成果を上げるため、本研究では対象を清末から民国期の北京の京劇と皮影戯に限り、また前記二点の目的のなかでも、特に前者に重心をおくこととした。劇団経営の実態や、芸能の支持基盤の実状といった環境的要素、そしてそのような環境のもと芸能がどのような上演形態をとり、また戯曲が生産・受容されていったかといった問題に関する基礎的な研究を目指すものである。

3.研究の特色

本研究の特色は、民国期の都市およびその周辺部の文化に対する立体的な理解を深めるという立場から、芸能・文学に対する美学的研究という範疇にとどまらず、文化史や社会史、あるいは言語学、民俗学、宗教学等周辺領域との連携を射程に入れていることにある。とりわけ文化大革命によって断続した中国の民間文化を複数の観点から再構成し、多層的な理解をもたらすという点で大きな意義を持つであろう。また文献資料からの情報が限られているため聞き書き調査が必須となるが、当該時期の状況に詳しいインフォーマントの多くがすでに高齢に達しており、こうした人々の記憶を後世に残すという点でも、意義深い作業と考えられる。

プロジェクトヒストリー

1996/02/15~22北京にて予備調査(千田・平林)
1996/04/20研究会設立・北京プロジェクト趣意書第一稿起草
1996/05/25第一回研究例会・北京プロジェクト趣意書第二稿起草
1996/06/27北京プロジェクト準備会合(早稲田大学中文専修室)
1996/07/12~14北京プロジェクト準備合宿
1996/07/26~08/07第一次北京現地調査(岡崎・鈴木・竹越・千田・武藤)
1996/09/07第三回研究例会(慶応大学中国文学演習室)にて北京現地調査報告(竹越・千田)
1997/02/16~03/05第二次北京現地調査(岡崎・鈴木・平林・山下・武藤・千田)
1997/03/15第八回研究例会(神奈川大学20号館4F-417)にて第二次北京現地調査報告(平林・武藤・千田)
1997/04早大特定課題研究助成金受給決定
1997/04文部省科学研究費研究助成金受給決定
1997/09第三次北京現地調査準備合宿
1997/08/20~09/05第三次北京現地調査
1997/09/27第十二回研究例会(早大文学部2420研究室)にて第三次北京現地調査報告(平林・千田)
1998/03/01~03現地調査準備合宿
1998/02~03第四次北京現地調査
1998/03影巻第一期購入分到着
1998/04/11第十七回研究例会(早大文学部2420研究室)にて第四次北京現地調査報告(千田)
1998/05影巻第二期購入分到着
1998/06影巻解題作成作業開始
1998/07~09第五次北京現地調査
1998/10/24第二十回研究例会(早稲田大学文学部 中国文学専修室)にて第五次北京現地調査報告(平林・材木谷・千田)
 影巻第三次購入分到着
1999/03/25~27成果報告準備合宿(早大熱海寮)
1999/07~09第七次北京現地調査
1999/09/23第二十六回研究例会(新宿駅東口 談話室滝沢)にて第七次北京現地調査報告(二階堂・千田)
2000/01/22第三十回研究例会(東洋大学 中国哲学文学科共同研究室)にて「皮影戯研究史における西派皮影戯の位置」報告(千田)
2000/02~03第八次現地調査
2000/03/18~21成果報告準備合宿(蓼科)
2000/04/15第三十一回研究例会(早稲田大学文学部 中国文学専修室)にて第八次北京現地調査報告(千田)
2000/09第九次現地調査(北京・唐山)
2000/10/07第三十四回研究例会(東京大学 山上会館地下ロビー)にて第九次北京現地調査報告(山下・千田)
2001/01/28第三十七回研究例会(慶應義塾大学日吉キャンパス諸国語研)にて、成果報告論文レビュー(山下・千田)
2001/03/08成果報告論文集近代中国都市芸能に関する基礎的研究?刊行

関連研究活動

影巻読書会

演劇博物館所蔵の影巻を読む会。俗字・仮借字が多用された通俗テキストを輪読する。不定期開催。

オンライン読書会

都市芸能研究会掲示板上で、上記影巻のテキストデータをアップし、問題点を検討する。