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『輟耕録』に言う。


唐に「伝奇」があり、宋に「戯曲」、「唱諢」、「詞説」がある。金には「院本」、「雑劇」があるが、その実体は一つである。我が元朝の「院本」、「雑劇」になってはじめて姿も整い二つに分かれた。「院本」の演じ手は五人。一人は「副?」、古くは「参軍」と称された。一人は「副末」、古くは「蒼鶻」と称された。ハヤブサはほかの小鳥を捕まえるのがうまいが、は「副?」をどつくことができるので、こう称されたのである。一人は「引戯」といい、一人は「末泥」といい、一人は「孤装」という。そこで院本を「五花爨弄?」という。一説には、「宋の徽宗は国の人が来朝したのを見て、その衣装、はきもの、頭巾、化粧に動作の様子を優人にまねさせ、それを芝居に仕立てた」という。また「焔段」というのも、「院本」の意味であるがやや簡略なものである。炎が燃え上がりやすく、消えやすいことにちなむ。五人のうち「副?」には、しゃべり、朗唱、とんぼ、しぐさの芸がある。教坊色長の魏、武、劉の三人はそれらを新たに集め、まとめた。魏はせりふ回しに長じ、武はとんぼに長じ、劉はしぐさに長じていた。今でも、役者たちはこの者たちを開祖として尊んでいる。


(川)

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Last-modified: 2016-08-19 (金) 16:30:42 (1095d)