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『筆麈』にいう。


杜佑いわく、「『窟儡子』はまた『傀磊子』ともいう。本来、喪儀の儀礼であった。漢の終わりに初めてめでたい宴席に用いられるようになり、北斉の高緯がとりわけ好んだ。」今、俗に糸でつって芝居を演ずるものを、「偶人」と称するが、これも傀儡の一種である。また、手で人形の端を持って、帳の上に出して演ずるものがあるが、これこそが「窟儡子」である。
また云う。
漢には「魚龍百戯」があった。(南朝の)斉、梁以降は「散楽」と称した。散楽には皿回し、輪回し、竹馬、刀跳び、剣呑み、擲倒伎などがあり、現在の教坊の百戯にも大抵のものがある。擲倒伎だけはいかなるものかわからなかいが、これは「翻金斗」ではなかろうか。「翻金斗」の字義は、趙簡子が中山王を殺した故事に由来する。頭を地にゆだね、身を翻して跳び越えることを「金斗」という。
考えるに、現在の芝居を演ずる者は、頭を地にゆだねて手を足に代え、宙を飛んで進み、身を躍らせたり飛び跳ねたり、突然立ち上がったり、身を翻したりして、猿のように敏捷で、鳥のように素早く、見る者の目を眩ませ心を驚かすが、これが古人の「擲倒伎」なのであろう。


(千田)

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Last-modified: 2016-08-19 (金) 16:30:39 (1035d)