030

『楽郊私語』に云う。


海塩州の若者たちは、音曲をよくするものが多い。その伝授は多くが澉川*1の楊氏から出ている。康恵公は存命のころ、侠客はだで風流、音律に通じ、杭州の阿里海涯の子、貫雲石と親交厚かった。雲石は洒脱な公子で、その作品は雑劇、散套を問わず、秀逸であること文壇に並び立つものがいなかった。すなわち歌声は高らかに伸び、天に突き通るほど。そして康恵はひとりその伝授を得た。今の雑劇のうち『豫譲呑炭』『霍光鬼諫』『敬徳不伏老』などは、いずれも康恵の作品であるが、ただその著者名を削ったのである。

(千田)

*1 浙江海塩のこと。

リロード   新規 編集 差分 添付 複製 改名   トップ 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-08-19 (金) 16:30:39 (1040d)