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委巷叢談』に言う。

紹興年間(1131~1162)に宮中の宴席で、ある優人が天文をよくする者に扮して言った。「現世の位の高いお役人さまは必ず天の星に応じておりまして、私めは悉くそれを窺い知ることができます。渾天儀*1を用い、玉衡*2を設けて、それで人を覗けば、星ばかりが見えてその人は見えないのでございます。玉衡をにわかに用意することができないようでしたら、銅銭一枚でも結構です。」そこで高宗を覗かせると、「帝星でございます。」と言った。秦檜には「相星でございます。」韓世忠には「将星でございます。」張俊には「星が見えません。」みな驚いて、また覗かせると、「穴の中に星が見当たりません。ただ張郡王さまが銅銭の穴の中に座っておいでなのが見えるだけです。」と言った。満座は大笑した。張俊は一番財産が多かったので、揶揄したのである。

(池田)

*1 旧時、天体観測に用いた器具。
*2 玉で飾られた筒状の古代の天体観測器具。

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Last-modified: 2016-08-19 (金) 16:30:35 (1157d)