中国伝統劇解説/京劇『画龍点睛』

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唐の貞観年間、太宗李世民は、群臣に国家を治める方策を上書するように命ずる。文墨に通じない将軍・常何は、街で失意の秀才・馬周に逢い、代筆させる。馬周は、上奏文と共に瞳の無い龍の絵を描いて、常何に与える。馬周は新豊県の酒店で、昔の恋人・張四妹と再会する。

李世民は常何の上奏文を見て出来映えに驚き、更に瞳のない龍を見て愕然として、実情を問いただす。李世民は賢人を探すため、お忍びで新豊へ赴く。県知事の趙元楷は、官の威勢を借りて、張四妹に迫り、更に、従者とはぐれ店の客となっていた李世民をも、身ぐるみ剥がしてしまう。李世民は一人さまよいつつ、官吏の腐敗を正すことを決意する。

常何らに救われた李世民は、新豊の県庁に至り、趙元楷を驚死せしめ、張四妹は死に際し、馬周と語り合い、画龍に瞳を描き入れる。李世民は馬周を伴い、都へ帰る。

  • 新編歴史劇。1989年10月、北京京劇院一団により初演。1990年12月、徽班進京二百周年記念公演のおり、多少手直しした上で、上演される。同記念活動中、中国京劇院二団の《宝蓮灯》と並んで、高い評価を得たという。