中国伝統劇解説/京劇『盤夫索婦』

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明代、姦臣厳嵩は忠臣の曾銑を害し、その一族を皆殺しにする。ただ銑の子の曾栄だけが逃げ延びて、鄢茂卿の養子となり、鄢栄と名を改める。栄は趙文華を仲人に、嵩の孫娘蘭貞と婚約する。結婚の後、栄は常に復讐を思っていたが、蘭貞の察する所となり問い詰められる。事実を知り蘭貞は祖父の不仁を憎む。厳世蕃の誕生祝いに厳家に赴いた栄は、誤って表本楼に入り罪を恐れて逃げ、趙の娘の婉貞に救われる。その晩、栄が帰らないのをいぶかった蘭貞は厳家に赴き尋ねるが、栄が見えないために世蕃と反目する。文華がやってきてとりなすが、蘭貞は怒って、下女を引き連れて趙家に討ち入り、婉貞の室内に栄を見いだす。文華は困り果てて、蘭貞夫婦の帰りを送る。

  • 燕鳴京劇団一九五五年演出本。趙燕侠主演。