中国伝統劇解説/京劇『龍鳳呈祥』

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  • 甘露寺・美人計・回荊州

三国時代、呉の孫権は周瑜の計略を用い、妹孫尚香との縁談を偽って劉備を誘い出し、荊州の返還を迫ろうと謀る。諸葛亮はその計略を看破、渋る劉備を促し、趙雲に三つの錦嚢の計を授けて護衛に付け、呉に出立させる。

劉備は長江を旅して呉に着くと、諸葛亮の計に従い、呉の元老・喬玄を訪問、その賛意を取り付ける。喬玄は宮殿に赴いて呉国太に婚姻の事を奏上、孫権を詰問して事の真相を知り激怒、甘露寺で劉備と会見し、婿に相応しいかを鑑定する。その結果、劉備は孫尚香と結ばれ、周瑜の計は失敗に終わる。

周瑜は更に、劉備を享楽的な環境に置き、志を忘れさせ骨無抜きにする策を立てる。それも、諸葛亮の錦嚢の計を見た趙雲が、曹操の荊州進攻を偽って、劉備の帰国を促したため失敗する。劉備は孫尚香を伴って呉を脱出、怒る周瑜は魯粛の諌めを振り切って追撃に出る。しかし、呉国太から授けられた宝剣をかざす孫尚香に手が出せず、更に、長江のほとりで待ち受けた張飛の伏兵に敗戦、恨みを呑んで兵を引く。