過去記事一覧

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2010/2/27 (土)

打ち合わせ@京都

2009/11/26 (木)

帰ってきます。

2009/11/20 (金)

北京に行きます。

2009/8/23 (日)

研究室棟の電気系統点検のため、サーバが停止しました。

2009/8/17 (月)

中国に調査に行きます。

2009/7/21 (火)

退院します。

2009/7/14 (火)

手術です。

2009/7/11 (土)

入院します。

2008/9/26 (金)

早朝から午前にかけて鯖がダウンしていましたが、復旧しました。

2008/9/6 (土)

帰国します。

2008/8/24 (日)

ネットワークシステムメンテのため、鯖が終日止まります。

2008/8/23 (土)

昼頃、学内ネットワークメンテナンスのため、十分ほど鯖が落ちます。

上海・浙江・北京で現地調査です。

2008/8/1 (金)

帰国しました

2008/7/25 (金)

イタリーにバカンスです。

2008/1/31 (木)

帰国します

2008/1/25 (金)

西安に行きます

2008/1/3 (木)

帰国します

2007/12/30 (日)

日吉ITCのメンテのため鯖落ち。

2007/12/29 (土)

午後、事前アナウンス無しの謎の停電(?)で鯖落ち。

2007/12/23 (日)

北京に行きます

2007/12/22 (土)

JAET大会

2007/8/21 (火)

中国に行きます。

2007/8/8 (水)

帰国

2007/7/31 (火)

中国に行きます。

2007/3/21 (水)

帰国

2007/3/16 (金)

上海へ

2007/3/10 (土)

北京へ

2007/1/25 (木)

会議@三田 後、山ごもり

2007/1/15 (月)

自研宴会

2006/12/28 (木)

帰国します。

2006/12/24 (日)

台北に行ってきます。

2006/12/23 (土)

読書会@日吉

2006/12/17 (日)

研究会@梅田

2006/12/16 (土)

研究会@大津

2006/12/15 (金)

一年中国語単語テスト

2006/11/24 (金)

会議@日吉

2006/11/17 (金)

一年中国語中間テスト

2006/9/6 (水)

帰国します。

2006/9/1 (金)

北京に行きます

2006/8/23 (水)

西安に行きます

2006/8/8 (火)

日本に帰ります

2006/8/3 (木)

北京に行きます

2006/8/1 (火)

杭州に行きます。

2006/7/29 (土)

上海に行きます。

2006/7/24 (月)

AM:日吉 PM:早稲田で研究会

2006/7/22 (土)

『チャイニーズカルチャーレビュー』3 発売(予定)

漢情研夏期公開講座@日吉

2006/7/21 (金)

中国事情レポート締め切り

2006/7/20 (木)

日吉+三田で会議

2006/7/14 (金)

一年中国語試験

2006/6/13 (火)

中国事情レポート〆切

2006/6/4 (日)

北京から帰国します

2006/6/2 (金)

海外出張のため授業休講

2006/5/31 (水)

北京に行きます

2006/5/30 (火)

早慶戦第三戦のため(晴れたら)休講。

休講の場合、中国事情レポートは一週延期(詳細は学事センターに掲示します)、中国語単語テストは次回に順延。

2006/5/29 (月)

ページトップの検索ボックスに、百度を追加、Googleのニュース検索を削除(ローカルコードで文字化けするため)。

2006/5/12 (金)

一年中国語中間テスト

2006/4/20 (木)

三田で会議

2006/4/18 (火)

授業開始

2006/4/14 (金)

自由研究セミナーガイダンス授業

2006/4/11 (火)

中国事情ガイダンス授業

2006/3/21 (火)

早稲田でパーティー

2006/1/30 (月)

帰国予定

2006/1/25 (水)

北京へ

2006/1/17 (火)

一年中国語試験

2006/1/13 (金)

特修試験

2006/1/10 (火)

福沢先生誕生記念日吉電気系統メンテでサーバダウン。現在は復旧しています。

2006/1/6 (金)

特修クラス オンステージ

2006/1/3 (火)

帰国予定

2005/12/31 (土)

杭州→バス→上海

2005/12/30 (金)

寧波→バス→杭州

2005/12/27 (火)

上海→MU5505→寧波

2005/12/26 (月)

浙江現地調査

2005/12/17 (土)

JAET+CCAI ホスト

2005/12/10 (土)

早大演劇COEシンポジウム パネリスト

2005/12/4 (日)

都市芸研大会

2005/11/15 (火)

一年中国語中間テスト

2005/10/19 (水)

漢情研緊急座談会開催予定

2005/10/18 (火)

連続して数回、XPの多言語設定について質問されたので、今更ながらWindowsXPの多言語設定ガイドを追加。ごく簡単なので、『電脳中国学Ⅱ』のWindows 2000に関する解説とつきあわせながら見てほしい。

2005/9/27 (火)

秋学期授業開始、ですね。

2005/9/26 (月)

上海より帰国

2005/9/23 (金)

科研費による調査@上海

2005/9/5 (月)

結構大きな〆切

2005/8/28 (日)

科研費調査より帰国

2005/8/17 (水)

陝西・湖北調査に行きます。

2005/8/9 (火)

北京より帰国

2005/8/4 (木)

科研費+中文電脳関係の調査・打ち合わせ@北京

2005/7/31 (日)

下山

2005/7/23 (土)

山ごもり

2005/7/22 (金)

都市芸北方芸能プロジェクト現地調査打ち合わせ会

2005/7/20 (水)

中国事情レポート〆切

2005/7/17 (日)

blogを正式公開。

2005/7/12 (火)

一年中国語試験

2005/7/4 (月)

ページトップの検索ボックスに、Wikipediaとエンカルタを追加。

2005/6/26 (日)

祝!尾方社長♥みっちゃん

2005/6/25 (土)

漢字文献情報処理研究会2005夏期公開講座

東洋学研究と著作権問題

JAETの著作権講座も3回目を迎えました。前2回は関東で行いましたが、 今年度は関西にて開催いたします。会員・非会員を問わず、奮ってご参加い ただきますようお願いいたします。

2005/6/24 (金)

夜から京都です。

2005/5/31 (火)

早慶戦休講です。

2005/5/21 (土)

ページトップの検索ボックスに、中国国家図書館OPACを追加。

2005/5/19 (木)

久々に縱ゐきをアップデート。

2005/5/14 (土)

電脳瓦崗寨旧サクラ鯖(http://jan.sakura.ne.jp/~wagang/)、最終的に廃止されました。

2005/5/12 (木)

各種ピンインツール?のリンク切れを修正しました。

2005/4/24 (日)

ページトップの検索ボックスに、中国新世紀青少年読書網・国学・青空文庫の検索を追加しました。いずれも、Googleのサイトサーチ使用。

2005/4/13 (水)

今日の朝日に中国アニメ(実際は中国台湾合作アニメのハズ)『隋唐群雄伝』の話題が出ていますねえ。

記事では結構なもちあげられようですな。隋唐モノだけに、一応買ってあったりするのですが(笑)、 アレは確かにジャパニメーション風ではあるけど、しかし、作画レベルはうーむ、なんだよねえ。 ジャケットとオープニングは良いんだけど、本編がはじまると……(涙)。背景の雰囲気など、一昔前の聖闘士星矢を下手にした感じ、と言えば いいのかなあ。

それと、中国のアニメにせよマンガにせよ、絵的には一昔前に比べると格段にレベルアップしてはいるんだけど、しかし、 肝心のストーリーがねえ(涙)。テレビアニメを見ていても、コレが落ちか?というような終わり方が多いし、マンガも同様ですね。 そのあたりが難しいところで、大学のアニメ学科では作画技法は教えられても、ファッショナブルでタイムリーな面白いストーリーを やキャラを作り出す才能は磨きようがない、と。

サブカルの発展著しい中国だけに、こちらの方も、やがては本家を超えるクオリティーのものも出てくるようになるのでしょうが、 もうちょっと時間がかかるかなあ、という感触。

2005/4/12 (火)

北京反日デモが昨日今日で各全国紙の社説に取り上げられていますね。その中で気になったのが読売の社説。中国のいわゆる反日教育を批判して、次のように書いています。

小学校低学年から高校に至るまで教科書に記述するのはもちろん、全国に“反日記念館”を建設し、課外教育に使っている。

この“反日記念館”というのは、中国語では“抗日記念館”ですね。侵略軍であるところの日本軍への抵抗の記念館、これを“反日記念館”とわざわざ曲訳するのは、執筆者がコトバに対して相当にルーズかつ無知であるか、あるいは意識的に世論を操作しようとしているかのいずれかでしょう。

むろん、投石を止めない警官隊の態度はおかしいですし、日本を敵に仕立てて、国民統合の軸として利用しようという中国の政策に問題があることは、中国国内でも指摘されていることですし決して褒められたことではありません。しかし、読売の態度も、結局は日本の侵略という事実を結果的に歪曲して外部のみに責任を求める点で、彼らが批判する中国政府の反日政策と本質的に同じ程度にダメなものであるわけです。その滑稽さを自覚してもらいたいですねえ。

2005/3/31 (木)

日本に復帰しました。

2005/3/22 (火)

北京に帰還しました。

華堂亜運村店のビアードパパが無くなってて仰天。一年くらいしかもたなかったんじゃないかな? 大衆点評では北京トップの甘味処なのに、亜運村あたりでは厳しいと言うことか、それとも、華堂のテナント代が高すぎたのか?ともあれ、合掌。

2005/3/17 (木)

四川に行きます。

2005/3/3 (木)

李玉戯曲集(上中下)

  • [清]李玉著
  • 陳古虞、陳多、馬聖貴点校
  • 世紀出版集団・上海古籍出版社 出版・発行
  • ISBN 7-5325-3639-4
  • RMB 118.0

一捧雪・人獣関・占花魁・永団円・麒麟閣・風雲会・牛頭山・太平銭・連城璧・眉山秀・千鍾禄・五高風・両鬚眉・清忠譜・意中人・万里円・一品爵

2005/3/2 (水)

北京に帰還しました。

2005/2/22 (火)

山陝に調査に行きます。

2005/2/21 (月)

長安大戯院夜戯
  • 北京京劇院一団
状元媒
王蓉蓉
柴郡主
張学津
呂蒙正
包飛
八王

やはり春節公演、目出度い劇が目白押しですなあ。

王蓉蓉は(以下略)。

張学津、往年を知るものとしては悲しいですねえ。91年の香港公演で壊した喉、結局本当に回復はしなかったということか。ただ、表情の作り方など、 本当に上手い。このあたりは、今日出てた譚家不肖の六代目とは段違い。

包飛は、今日はちと精彩に欠けましたな。昨日までの声の幅が感じられなかった。

2005/2/20 (日)

長安大戯院夜戯
  • 北京京劇院一団
遊龍戯鳳
李剣
正徳帝
王怡
李鳳姐

王怡って王派なんですか。王派なんて、まだ続いてたんだ。劇は……ま、春節で目出度い劇ということで。

挑滑車
李紅賓
高寵

李紅賓は、腿がよく上がるし、翻身にもそこそこいい部分はあるのですが、まだまだ学生っぽいですな。どうも、ワザを出すぞ、と構えている のが微妙に分かっちゃうんだよねえ。それにねえ、旗番の時点から盔頭落としているようじゃねえ、もっとちゃんと締め上げなさい!

それと立ち回り以前の問題として、喉がとにかくダメ過ぎ。唱はいわずもがな、セリフを聞いただけでヘナヘナしてしまうような声の悪さ。

鎗を落としたり、馬鞭を落としたりする龍套を見て、ああ、やはり北京京劇院はこの緩さだよなあ、と心がほのぼの(笑)。

断橋
王蓉蓉
白素貞
包飛
許仙
朱虹
小青

王蓉蓉はよい。

2005/2/19 (土)

長安大戯院夜戯
  • 北京京劇院一団
盗王墳
葉江翔
時遷

これは初見ですが、微妙な劇ですねえ。開口跳の劇として、特に優れた見せ場があるわけでもない。やりとりも、身障者からかい系だから、 必ずしも見ていて快適なモノでもない。葉江翔も平均レベルで、特にココが凄い、というワザは見られませんでした。

金玉奴 棒打一折
朱虹
金玉奴
包飛
莫稽

朱江は、卒業したばっかりの若手かな?これをやるってことは、孫毓敏系の荀派なのでしょう。

さて、彼女、左右のスピーカーをOFFにして、中央舞台下の一つだけで歌っていたのは偉い。しかし、それで響かせるだけの声量は勿論 無いわけで、痛し痒しですな。声の質も、艶が足りなかった。あと、胡琴がイマイチ。全体的に、今後の修行に期待。

定軍山
杜鎮傑
黄忠

黄忠戯はいーですね。対偶の美をきわめた台本だと思いますよ。新年しょっぱなの主役にコレ、ってのは非常に正統でよろしい。コレは、好きな劇の 割に、見る機会が無いんだよなあ。前は、16年前、孫岳の父・孫鈞卿がやるのを見て以来かな。あのときは、郭元祥の夏侯尚なんていう、非常に得難い 舞台だったっけ。

杜鎮傑、楊派的な枯れた歌声は、そこそこ、なんだけど、做打をもうちょっと頑張らないと、靠把老生戯は締まらないんだよねえ。 あと、最後の斬淵、斬でなくて撇だったけど、コレもねえ。

しかし、北京一団も、集客力のある看板は、結局、王蓉蓉だけなんですねえ。

2005/2/18 (金)

長安大戯院夜戯
  • 北京京劇院一団
穆桂英掛帥
王蓉蓉
穆桂英
杜鎮傑
寇准
張大環
佘太君
包飛
楊宗保

北京京劇院一団建団公演と書いてあるけど、まえからこのメンバーでやってるはずで、はて、どういう意味かいな?

王蓉蓉は、あいかわらず聞かせてくれます。彼女を聞くと、張韻というのがどういうことかよく分かります。梅派が上流の岩だとしたら、下流の丸い漬け物石が張派ってことですな。近頃の青衣はすっかり程・張時代みたいですが、これも、京劇に対する時代の要請が変化した、当然の帰結であると言えるのではなかろうかと。ただ彼女、做は馬虎ですねえ。水袖やらが今ひとつきれいに決まらない。

あと、彼女の琴師の趙旭がよかった。拉琴が本当にパワフルで、音が非常に太くてよろし。

杜鎮傑、味は出せてるんだけど、絶対的な喉の太さが足りないなあ。枯れた感じなのはいいんだけど、力尽きてくると干上がった感じになってしまうのはちょっとね。

張大環はまあまあよかったです。気合いを入れると、そこそこ激しい感じの老旦の歌い上げができる。ただ、気合いを入れていないときとの落差が多すぎるねえ。もうちょっと平均音圧を上げて欲しいぞ。

包飛、喉は張威よりは上、江其虎よりはまだまだ下って感じかな。そこそこ厚い声質だけど、声の艶までは感じられず。

2005/2/17 (木)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
鎖麟囊
李海燕
薛湘霊

この一年で一番回数見たのは、この鎖麟嚢かも。うーん、ちょっと不思議ですが、それだけ程派が紅だってことでしょう。

さて、李海燕、さほど期待はしていなかったのですが、期待以下のデキでした。程派は、あの特殊な歌唱法ゆえに、喉がある程度太くないと ダレるわけですが、まったくそのパターンにはまってました。春秋亭の出だし、いきなりピンマイクを落っことしてオタオタして非常に見苦し かったけど、なるほど、アレではマイクに頼り切らないとダメなわけです。火丁の声のイメージがタマネギの断面だとすると、海燕はエシャロットか ラッキョウって感じ。水袖も今ひとつ美しくこなせていなかったし、うーむ。

海燕と勝素は、すっぴんでも結構可愛いんだよねえ。ま、マイク使用を前提としたビジュアル系青衣ということかな。京劇も美女経済の流行の王道を行ってるってコトで、いーんじゃないでしょーか。

2005/2/16 (水)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
謝瑤環
李勝素
謝瑤環

劇の始まる前、トイレに行って出てきたら、俞信川菜に入ろうとしている中国京劇院ベテラン小生のS氏とばったり。彼とは、この一年で7・8回目のばったり。長安の客席はまああり得るけど、人民劇場の前でばったりしたこともあるし、この広い北京でなんでこんなにばったり会うんだろうな、とお互いに爆笑。

2005/2/15 (火)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
八仙過海
黄樺
鯉魚仙子
李陽鳴
呂洞賓

これは半年くらい前にも見ましたな。まー、前座だし、春節に八仙でおめでたいってことで。

奇冤報
于魁智
劉世昌
鄭岩
張別古

この劇を前に一度だけ見たのは16年前の吉祥戯院、演ずるのは今は無き孫岳さん、張別古は同じ鄭岩だったはず。 この劇を見てたらあのときの孫岳さんのあの甘く厚い声を思い出してしまい、 途端に于魁智が色あせてしまいました。

まあ、于魁智は風格も出てきているし、あいかわらずキョンシーも上手いし、その意味では不満はないのですが。

2005/2/14 (月)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
鐵籠山
奚中路
姜維

これまた、一時期ほとんど演じられなくなっていた劇ですね。奚中路の感想は前日と変わらず。まあ、長打な分だけ腰のキレの無さは多少は目立たなくなっていましたが、それでもねえ。

呂布與貂蟬·小宴
江其虎
呂布
管波
貂蟬

江其虎はよい。

探陰山
孟広禄
包拯

孟広禄はよい。

洛神
李勝素
洛神
張威
曹植

さて、問題はこれですな。まず、李勝素、もとより私はそんなに評価していませんが、この洛神も歌・仕草ともに、悪くはないけど際だった良さも感じませんでした。最大の収穫は、北京京劇院から借りてきた、昔、梅蘭芳が実際に着用した衣装を目の当たりに見れたことかな。

それと、この劇自体、やはり時代性を感じるわけです。梅蘭芳ってのは、民国時期、女性が劇場に入れるようになった時流に乗って、お嘆美系ビジュアルで一世を風靡した、という一面があるわけで、この劇はまさしくそのようなお嘆美なビジュアルを売りにした劇なわけです。で、その舞台に壇をしつらえて雛人形よろしく諸仙を並べる演出は、当時でこそ新鮮な視覚効果があったと思いますが、さまざまなメディアが発達した今となってはなんてことは無いモノです。そして、ビジュアル効果が望めない以上は、歌や仕草で魅せるしかないわけですが、しかし、歌い上げ系の歌唱設計でもないし仕草の見せ場も全然無い。その意味では、これはやはり時代の産物であり、現代的にはもはや通用しない劇なのではないかと。

2005/2/13 (日)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
洗浮山
奚中路
賀天保
李陽鳴
黄天覇

中国京劇院、春節上演シーズンの後半です。于魁智の二団ですが、チケット高すぎ。最後の16・17は普通なんだけど、その前三日間は、普通の公演の倍以上の価格。魁智、いいにはいいんだけど、こうやって身価を高めようってのはどうかと思いますな。もっとも、それだけ京劇も市場主義化されているってことなんでしょうけど。

さて、『洗浮山』、施公案ものですが、見るのははじめて。奚中路、明日の鉄籠山もそうですが、一時期廃れた劇を復活させているのは良いことです。が、演技はいただけません。彼は、手は動くし腿功も悪くはないし髯口もおおむね上手くこなしていたのですが、しかし、腰のキレが全然無い。見栄を切るときには、膝を曲げてちょっと腰を落とすようでは全然美しくなく、腰をクッとひねってこそ味が出るのですが、ソレが全然できてないんですな。なので、メリハリが利かず、舞台がサラサラと流れてしまう。それに、途中、だいぶん息が上がっていましたね。むしろ、李陽鳴ら、黄天覇とその仲間たちいろいろに食われてました。うーん、まだ50前だし、老け込むには早いと思うんだけどねえ。

打金磚
于魁智
李秀
管波
郭妃
孟広禄
姚期
楊赤
馬武

さすがに、これだけのメンバーを集めると安心して見られますね。全体に、申し分無い舞台でした。客席の乗りも、なかなかよかったですし。最後のバッタバッタで、于魁智が絨毯の継ぎ目がまくれ上がったのに躓いて尻餅付いたのが、玉に瑕で残念でしたけどねえ。しかし彼、体はまだまだ動くようで、何より

これは、打金磚という題ですが、要するに上天台+打金磚なんですね。しかし、コレがこのまま上演できるようになったというのも、解放後50年近くにわたった光武帝防衛戦が終に敗北のウチに終わった、ということですね。もはや、姚期も漢宮驚魂も、演じられなくなっちゃうのかな。まあ、酒後斬姚期・醒来逼鄧禹を目の当たりにできるのは、個人的には面白いですけれど。

2005/1/29 (土)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院張火丁戯劇工作室
新版京劇『梁祝』
張火丁
祝英台
宋小川
梁山伯
李崇善
祝父
張嵐
祝母
黄文俊
先生
岳恵玲
師母
呂昆山
媒婆

張火丁の新作です。あいかわらず、劇場は爆満でした。

京劇の梁祝といえば『英台抗婚』があるわけですが、今、そちらの台本を見てみたら、やはりそこをベースに大きく手を入れたもの、なのですね。

火丁の唱を聞かせる劇としては、なかなかに聞かせどころがあって、その点は良くできてます。特に、閨房に戻って山伯を待つ場面の慢三眼、その後、抗婚の ところの二六転快板の李崇善との掛け合い、ラストの墓前の場面などは、なかなかによろしかったです。 舞台セットは、背景やライティングには凝っていたけど、まあ許せる範囲かな。 音楽は、中国楽器フルオーケストラ。しかし、各幕の終わりの幇唱は録音流してました。各幕は全て暗転で終わり、というのは、必ずしもいいとは思えませんな。

台本にはかなり不満が。まず、この手の新作ものは、どうしても説明的に場面が多くなってしまうワケですが、これも、特に前半がバタバタしますね。いっそ、 二人のなれそめなんぞは歌詞の中で触れるだけにして、書院から英台が帰るところから始めればいいんですよ。

それと個人的には、父が退婚した後、英台がひそかに山伯と会って別離を告げる場面、あそこがどうしても腑に落ちません。 『英台抗婚』だと、山伯を後花園に連れてこさせて会う設定ですが、コレでは、楼台で会う、ということになってます。 『英台抗婚』もどうかと思うけど、これはもっとおかしい。だって、男女と分かっていて密会するのは儒教道徳に反する、 儒教道徳に反して閨房から抜け出して密会する以上、もはやそれなりの覚悟があるはずで、それなら結婚できなくなったと泣かないで、 そのまま卓文君すればいいでしょう [smile]。この辺、王宝釧のような堅さを見習って、ちゃんと人物像を練り上げないとねえ。 現状では、瓊瑤のコスプレ時代小説や、流行の無考証清代史モノ時代劇を彷彿させて、いけません。

それと、父が金に目がくらんで、という要素を 薄めて、メンツ問題と父自殺の脅しをメインに据えていましたが、コレもねえ。ラストも、墓が割れて英台が入って暗転、そのまま場面転換で蝶々、なのですが、これも周辺の反応を描いてもよかったんじゃないかな。二人の蝶々が 登場する前の、蝶々なお姉さんたちの群舞もイマイチだったし。

思うに、梁祝の京劇台本は、もっと抜本的に作り直すべきなのですよ。梁祝故事の原型では、二人は書院で別れた後二度と会えず、英台は山伯の死も知らない、ところが嫁ぐ途中に舟が風雨に遮られ、舟を降りればソコに山伯の墓、慟哭すると地が裂けて英台が入っていく、あわてて従者が衣を引っ張ると、その破片が蝶々に、ということですね。イヤ、こちらの 方が悲劇としてはずっと良い。たとえば、書院での別れから始まり、まず、対唱で別れの悲しさと秘めた感情を歌いあげる。家に戻った英台の山伯の求婚を待つ場面と抗婚の父との対唱はそのまま。その後は、山伯と会って対唱ではなく、英台が山伯に手紙を送るとかいう設定にして、山伯はアリアを歌いあげて絶命。英台は、『鎖麟嚢』みたいに雨に降られて亭で休み、そこで梅香から墓の存在を聞いて駕籠から駆けだして、慟哭のアリアを十五分くらい歌い上げて、埋壁。梅香が泣きわめき、知らせを聞いて駆けつけた 父母が悲嘆にくれ反省するところ、蝶々が登場してお仕舞い。中国のロミオとジュリエットというのなら(って、梁祝故事の発生の方が遥かに古いんだけど)、 このくらいすべきだと思いますが、さて。

ところで、雲散霧消してしまった旧北京三団の面々、近頃は火丁との共演が多いですねえ。でも、李崇善はさすがに衰えが隠せませんねえ。セリフのとちりも一カ所あったし。北京では貴重な余派老生なんだけど。岳恵玲、15年前は 結構贔屓だったのですが、90年代に肥大化して、すっかりパンパンになってしまいましたねえ。98年くらいに法門寺を見たときは、腕輪を拾いながら尻餅ついて、 あーあだったのですが、今回も、暗転して退場のところ、舞台袖近くのスピーカーに引っかかって、次の場の照明が入ってからようやく退場、というミスが。うーん、 私が見てるときに限ってなぜ?

久々に、茶席最前列で見ました。昔、吉祥最前列の常連だったころは、人民劇場や工人クラブのオケピ付き劇場最前列が舞台から凄く遠く感じたモノですが、 そう、現長安では茶席最前列くらいが吉祥の6列目くらいの距離感なのだなあ、と、改めて思い出しました。そりゃ、後ろのシート席が遠いわけだ。舞台と客席 の一体感の喪失、これも京劇低迷の一つの要因だと思いますねえ。

ま、火丁を見に行く・聴きに行く分には、充分満足できる劇だと思いますよ。

2005/1/28 (金)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
寿州救駕
黄樺
劉金定

『女殺四門』ですな。説明書、ストーリー説明がなぜか『男殺四門』になってましたが。

黄樺、翻身はキレをトコトン追及したスーパードライ、ってな感じですねえ [smile]。スピードがあり、 軸も余りぶれないし、悪くはないのですが、何というかな、若干美しくないんですよねえ。この辺が微妙なのですが、 インパクトスピードがあるのは良いことなのですが、靠肚が思いっきりめくれてねじれて、というところまで行くと、 過ぎたるは何ぞやら、になるわけで、粗雑さを感じてしまうわけです。鎗のキャッチミスもあったし、全体にもうちょっと 丁寧・堅実に美しさを追求してもらった方が、見る方としては幸せかな、と。

遇皇后・打龍袍
楊燕毅
包拯
郭瑶瑶
李妃(前)
張静
李妃(後)

楊燕毅は、戦友でしたっけね、彼の包拯ははじめてです。声はまあまあ出てるけど、ちょっとがさついていました。 悪くはないけど、良くもない、といった感じですね。

老旦二人は、並べると郭瑶瑶の方が声は良いですね。ただ、それでも声量は不足しているし、スレンダー過ぎて老旦としては 扮相が今ひとつなのがねえ。張静の方は扮相はいいんだけど、喉は落ちますねえ。

老旦たるもの、すべからく浅香光代のような図太い肝っ玉母さんたるべし。15年前、最晩年の王玉敏の特別出演『四郎探母』を見て感動して以来、 そう信じて疑っていないのですが、額の血管がぴくぴくしてるんじゃないかと思わせるような、ドスの利いた老旦ってのは、王晶華あたりで おしまいなんですかねえ。浄もさることながら、今の京劇界で一番人材不足なのは老旦なのでは?という感想を抱きました。

2005/1/27 (木)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院二団
竹林計
潘月嬌
劉金定
劉魁魁
余洪
平貴別窯
張威
薛平貴
王芳
王宝釧
金銭豹
孫亮
金銭豹
武智
孫悟空

第四回中国京劇芸術祭、武戯バトルロワイヤル(擂台の訳はこれが適当だと思う [smile])受賞作品公演の一日目です。

まず『竹林計』。潘月嬌は翻身が非常に美しい。軸がぶれずに低い角度で決まってました。久々に見ほれる翻身でした。 ただ、耍鎗刀は、左右の手のコンビネーションのところでちょっと減速するのが、 わざとか演出か分からないけど、少々気になりました。

劉魁魁、手先は動くし、トンボもいいんだけど、全体に非常に腰高に見えるんですよねえ。膝をもっと柔軟に使えたらいいんだけど。 あとは、靠打で髯が刀に絡まったのがダメでしたねえ。靠旗・狐尾・翎子・黒満、フルでくっついてるのをこなして見せてこその 余洪なワケですから。

『平貴別窯』は、半年くらい前にも見ましたね。今回は、手綱を切るクライマックスシーンが少々決まらなかったな。二人とも、 演技はうまいだけに、あともう少し喉が厚くなると申し分ないのですが。

『金銭豹』は、イマイチでしたねえ。トンボもワザも決まってるんだけど、全体に猿が猿でない。武智ももうちょっと猿らしい 表情と仕草に気を遣って欲しいですねえ。この辺り、やはり李光やら猿専門だった張四全とかに比べると、だいぶん見劣りします。 同じコトは、龍套の小猿一同にも言えます。全体に腰高なのねえ。このあたり、十年前よりだいぶん落ちましたね、中国京劇院も。

2005/1/9 (日)

IT時代週刊 05/01/05 斜め読み
独自企画:2004中国情報産業十大スキャンダル講評
  1. 黄宏生、香港で拘束される
  2. 長虹、40億の貸付金をだまし取られる
  3. AMD大中華区副総裁、チップの投機販売に関与
  4. 華為の元社員、企業秘密窃盗で有罪
  5. 贈賄の疑い Lucent中国の4幹部停職
  6. 20億元、借金取りが長城ブロードバンドの門前に列
  7. 電信競争 流血沙汰に
  8. 托普をつぶして宋如華蒸発する
  9. 電信業界腐敗、多くの社長に有罪判決
  10. 聯想の広告責任者、逮捕

[bigsmile]1は、創維の創業社長ですね。日本では、香港上場をめぐる会計不正操作 疑惑と伝えられていましたが、家族ぐるみで会社の公金横領していた疑惑もある んですか。
長虹は、アメリカでの代理販売契約を結んだ企業に、一杯食わさ れたんだとか。が、そもそも契約条件が相手に一方的に有利になっていて、同業 他社は話に乗らなかったそうですから、長虹の脇が甘いってことですね。社長交 代には、そういう裏があったんですか。それにしても、テレビ業界はこのダメぶ りの上にアメリカのダンピング裁定ですからねえ、困ったもんだ。
8の電信 業競争、ホント、中国電信系の作業員が集団でライバル企業社員を襲撃する、電 柱を引っこ抜く、電線を切る、ホント、やりたい放題なんだとか。これが、電信 業界を外資から守る最大の非関税障壁かも [smile]
聯想は、宣伝部長がMSか らの宣伝支援費249万元を、会社の経理を経由させずに、知人の企業に丸々渡し 、実際の宣伝経費は60万元しかかけずに、残りの金は返還されないまま、という もの。この程度の意識・システムじゃあ、そりゃ、IBMとの合併が上手くいくな んて信じろって方がムリだわ。

2005/1/7 (金)

久々の天津

天津に行くのは五年ぶりくらいですが、だいぶん変わりましたねえ。

何と言っても、旧城内が完全に再開発されたのに目が点。広東会館は独立しているし、鼓楼は立ってるし、そこから四方に 伸びる道はすっかり、古文化休閑歩行街になっちゃってるし……。でもまあ、ごちゃごちゃした感じの残っているところも 多くて、その点はグッド。

2005/1/3 (月)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院三団
拾玉鐲・法門寺
耿巧雲
孫玉嬌
宋小川
傅朋
呂昆山
劉媒婆
寇春華
賈桂
鄧沐瑋
劉瑾
王潤菁
宋巧嬌

全部法門寺ですね。ただ、かなりカット圧縮されていました。目立ったところで は、拾玉鐲は、孫玉嬌が玉鐲を拾うかどうか逡巡するところが通常のハーフサイ ズになってました。また、劉彪が人殺しする事件発生の一段がカットされ、玉鐲 拾ったあとはいきなり法門寺の直訴になってしまっており、初めての人には筋が つかみにくかったんじゃないかな。ああ、それで全部法門寺、ではなく、拾玉鐲 ・法門寺、と題しているのかな?あとは、趙廉が訴状を読み上げるところもカッ ト。うーん、もうちょっと整理のしようがあるんじゃないかなあ。

耿巧雲、さすがに板に付いていました。若干、メリハリが足りないかな、という 気もしたけど。

寇春華、上手くこなしてたけど、さすがに老けましたね。若い鄧沐瑋との掛け合 いとかで、声質とか反応のごくごくわずかな気持ちの遅れとかがね。まあ、それ も味になってはいましたが、ただ、存在だけでおかしさがにじみ出る、という境 地までは到達できなかったのですねえ。

ま、コテコテのお笑い劇ですから、楽しめましたよ。

2005/1/2 (日)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院三団
趙氏孤児
張建国
程嬰
鄧沐瑋
魏絳
馬忠月
荘姫
宋小川
趙朔・趙武
顧謙
屠岸賈
李文林
趙盾
公孫杵臼
顔世奇

三時間圧縮版全部趙氏孤児ですな。見るのははじめて。

この手の台本は、物語の前提知識を無くした現代の観客対策としては正しいのだ と思いますが、しかし一面、伝統的な歌い上げ場面が減少するという、京劇の芸 を楽しむ観客にとってはマイナス面も大きいモノです。

この『趙氏孤児』も、その意味では大いに不満が残ります。なにより、『捜孤救 孤』のシーンが、あまりにあっさりしすぎ。あそこで、孤児の為に子を捨てる程 嬰と、自らの命を捨てる公孫杵臼の葛藤を歌いあげてこそ、後々の程嬰の境遇と あいまって、彼の愚忠が際だつと思うんだけど、それがあっさり会話だけですま されてしまうので、全体に軽くなっちゃうんだよねえ。

それと、全体に、張建国の聞かせどころが少なすぎ。唱も全体に短くなってしま っているし。その意味では、だいぶん話劇的なんだよなあ。

まあ、全体に演技はこなれていたし、上演自体は悪くなかったんだけど、伝統京 劇を求めて見に行ってる私としては、かなり消化不良。

2005/1/1 (土)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院
四郎探母
張克
四郎(前)
張建国
四郎(後)
王蓉蓉
鉄鏡公主(前)
景漣漣
張飛(後)
王蓉蓉
孫尚香(前)
王潤菁
孫尚香(中)
耿巧雲
孫尚香(後)
李海燕
蕭太后
寇春華
大国舅
呂昆山
二国舅
李鳴岩
佘太君
宋小川
楊宗保

元旦公演は、やはりコレですね。やはり寂しいのは、坐宮が天津+北京コンビっ てこと、中国京劇院も人材不足、というか、于魁智出てこい!

さてまず張克、声も出ていたし声の質もまあまあ良いんだけど、ただ、肝腎な “叫小番”が声量がイマイで声ののびが良くなかったのがマイナス。

王蓉蓉はよい。

宋小川の巡営は、半年前に聞いた江其虎に比べると、やはり一段落ちますね。

張建国、あいかわらずサービス精神がいいですね。ただ、入りが合わずに伴奏が 止まりかけた危うい一瞬があって驚いた。

耿巧雲、師匠の劉長瑜に似てるねえ。結構いいですよ。

寇春華、こなれてはいるけど、入神、とまではいきませんな。

客席の反応はまあまあ。でも、タイミングはずれまくりだけど。

2004/12/31 (金)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院
龍鳳呈祥
張克
劉備
張建国
喬玄
景栄慶
張飛(前)
景漣漣
張飛(後)
王蓉蓉
孫尚香(前)
王潤菁
孫尚香(後)
王璐
趙雲(前)
王立軍
趙雲(後)
李鳴岩
呉国太
鄧沐瑋
孫権
葉少蘭
周瑜
馮志孝
魯粛

中国京劇院新春公演シーズンの初日です。大晦日、ということで、縁起ものの顔見世興行ですな。

しかしまあ、天津からずいぶんと引っ張ってきたねえ。北京からも。劉備と孫尚香取られるなんて、 中国京劇院の陣容の衰退ぶりを如実に物語っていますな。

張克は、現役老生の中では最高水準で、声もそこそこいいんですが、しかし、一つ何か突き抜ける ような長所が無いんだよねえ。譚派的な演技の奔放さも、今ひとつ足りないし。 同じ譚派では故孫岳の鼻の奥から横隔膜までが共振して貼潤だったのよりも二段くらい落ちる、という 評価になってしまうなあ。15年前の楊派だったころがなかなかよかっただけに、成長への期待値が高 すぎたかな。

張建国、奚派の甘露寺ははじめて聞いたなあ。これは、馬派の名作だろうに、馬派の老生がもはや居ないのねえ 、中国京劇院も(涙)。奚派ってのは、歌詞が他の流派とだいぶん違うわけで、その点はちと違和感が ありますねえ。まあ、声自体はまあまあよかったですよ。

王蓉蓉は、流石。

李鳴岩は、歳には勝てませんなあ。朝霞光代系のドスのきいた老旦を期待してたんだけど。

王立軍の起覇、身のこなしはなかなかに美しく決まってましたが、趙雲の風格までは出せていないですねえ。 昔よく見た茹元俊とかと比べると、まだまだ。

景栄慶、さすがに歳を感じたけど、がんばってました。

葉少蘭、唱はさすがに上手いし、板について居ますねえ。でも、改めてみると、彼、身段はソコまで上手くは ないのねえ。

王潤菁を見たのははじめて。声の抜けは良いし、息を切らすことなく、回荊州の跑車をこなしてましたね。 あとは、声の幅がもう少し出るといいんですけど。

馮志孝、さすがに老けましたねえ。でもまあ、せりふ回しはさすがに瀟洒に決めてました。最後に、裾を取り 落として決まらなかったのが残念でした。

客は九分の入り、ノリはまあまあでしたが、やはり好のテンポが遅れるんだよなあ(涙)。

2004/12/27 (月)

中文電脳/UTF-8で簡単多言語CGIをアップデートしました。サンプル改造CGIの言語コード指定対応がメインです。

2004/12/26 (日)

北京に帰還しました。

2004/12/24 (金)

武漢IN

2004/12/22 (水)

岳陽IN

2004/12/18 (土)

長沙に調査、です(笑)。

2004/12/9 (木)

聯想のIBM PC部門買収

話題になりましたねえ。中国経済の飛躍を象徴する出来事、ととらえる向きも多いのでは?

ただ、多くのアナリストは、合併の先行きにかなり悲観的な評価なようです。考えればあたりまえで、 余り儲からなず赤字もあるからこそIBMが売却するわけで、合併したからと言って、今年大リストラを 敢行したばかりの聯想の業績が一気に好転するわけではないんですよね。しかも聯想が買収したのは自分の三四倍 の規模の相手、中国では“蛇が象を呑んだ”と評されてるほど、加えて聯想には国際経験がほとんど無い ときているので、“消化不良”を起こす危険性が高いのではないかと。

市場の見方もほぼ同様のようですね。今日の香港市場の聯想の株価、落ちてます。寄りつきに一瞬上がった後は、-5%くらいのところをうろうろ。

個人的には、聯想の“老大”指向にうまくIBMがつけ込んだものと思ってますが、まずは聯想がどんな手を打ってくるのか見守りましょう。

2004/12/7 (火)

ゲームの発禁処分

新華ネットのニュースです。

文化部紧急查禁网络游戏《足球经理2005》

文化部が緊急通達で、『足球経理2005』というゲームを禁止したんだそうです。 欧州セガ+スポーツインタラクティブの『フットボールマネージャー2005』ですかね、日本国内の製品名は。 理由は、中国・中国台北市・中国台湾省・中国西蔵省などの選択肢があり、台湾・香港・チベット などを国家である中国と同列に扱い、関連法規に違反しているから、とのこと。まあ、ありがちですな [bigsmile]

で、ニュースをよく読むと、このゲーム、

目前这款游戏尚未在国内公开发行,也没有中文版,其在国内流通主要是通过互联网传播和销售网上下载的盗版光盘。

国内では正式発売されておらず、中文版も無い。国内では主にインターネットを通じた配布と販売サイトからダウンロードした海賊版CD-ROMによって流通している。

つまり、正式発行されていない、海賊版&P2P流通ゲームに対する禁令なんですね。

うーん、そもそも違法なものを違法であると更に宣告するというのは、非常にアホというか間抜けというか……。当該記事を見た感じでは、ネットカフェなどでしっかり監視して禁止しろ、ということのようですね。まあ、実効性がどれだけあるかは甚だ疑問ですが。ヤレヤレ。

2004/12/6 (月)

ヘッダの検索ボックスを調整しました。

2004/12/3 (金)

メモ

2004/12/2 (木)

互聯網週刊 04/11/29 斜め読み
カバーストーリー:上海芯動

上海にチップ産業センターの雛形が形成されつつある。中芯国際に続いて、インテル・台積電などのチップ製造大手が上海に進出しているのだ。浦東には、シリコンウエハース工場やIC設計企業の進出に伴い、研究・製造から人材育成に到るまで、さまざまな関連企業が進出し、産業サイクルを形成しつつある。未だに形成途上の上海チップ産業は、政策や人材流動などのマイナス面を乗り越えて、20年前の台湾のように飛躍することができるだろうか。

ニュース・記事
楊瀾、歓楽伝媒を買収
楊瀾麾下のサンメディア投資社が、民系娯楽テレビ会社、歓楽伝媒の広告業務の一部を買収し、シンガポールに上場させる。サンTVは複合メディアグループ形成に向けて進んでいる。
[bigsmile] 2001年にサイナと提携して以来、サンTVはすっかり中国マスコミ業界の台風の目ですね。
北京政府購買、失意の国産ソフト
中国の政府機関で進む正規版ソフト導入、今年の北京市の購買はマイクロソフトの勝利に終わり、中国国産ソフトハウスにとっては厳しい結果に終わった。しかし、これは国産ソフトの保護をうたった『政府購買法』に違反するとの批判が出ている。
[bigsmile] が、今日の新華社の記事によると、土壇場で大どんでん返し、MSが排除されたみたいですね。うーん、また米中貿易摩擦の火種になるんでしょうな。
ソニー、中国のテレビ番組製作に進出
ソニーピクチャーズが中国映画グループと合弁で、番組製作会社を設立。11月に外資の番組製作分野への参入が緩和されて、初めての進出となった。
外資は基礎電気通信業務進出に尻込み?
12/11より、外資の中国の電気通信市場参入規制が緩和される。しかし、海外の電気通信大企業の動きは鈍い。合弁企業の運営はうま味が少ない、政府主導の業界再編が噂されるなど複雑な環境にありリスクが高い、などの理由があるようだ。
[bigsmile] 外資進出は来年ピークを迎える、との分析もあるんだとか。うーん、でもケーブル切断事件頻発なんて記事を見てると、確かに二の足ふむのもわかるなあ。
シャープ事件 液晶パネルの国家規格をめぐって
今年、中国の液晶パネル出荷量がブラウン管を追い抜いたという。そんな中、シャープは、これまでに中国向けにテレビ用液晶パネルを出荷したことはないと言明、中国のテレビメーカーが営業の売り言葉などでシャープの名を利用していたため、波紋が広がった。中国の液晶国家規格制定が遅々として進まない中、しびれを切らした外資系企業の大型液晶テレビ攻勢が始まろうとしている。
[bigsmile] 現在、シャープなどの液晶ラインは第七世代、中国国内は第五世代がやっとで、大型テレビ用パネルの分野では全然相手にならないみたいですね。まー、日本メーカー頑張れ、と応援しておきましょう。パソコンのモニタはねえ、まだまだブラウン管が多いみたいですね。中国のPC、マザーやCPUは(たまに偽物があるのを除けば)ともかくなんですが、ケースやキーボード、ディスプレイなど、周辺のところの質が低いんだよねえ。
北京、ブロードバンド大暴落
ブロードバンドユーザーの急拡大とともに、北京ADSLの最大手中国網通と、長城寛帯・歌楽有線寛帯・中国電信などのブロードバンド値下げ競争が激化しており、月額100元程度にまで下がっている。それでも、他の都市とくらべて倍以上の高値であることから、ユーザーはさらなる値下げがあるものと期待している。各プロバイダは、将来のブロードバンド付加価値業務による収益を見据えて、激戦のさなかにある。
[bigsmile] 中国のブロードバンドは、256kとか512kのが多かったですが、ようやく1Mくらいにまで太くなったようですね。ところで、太原ではADSLが一ヶ月わずか40元なんだとか。なるほど、地方都市で上網卡を全然見かけなくなったわけだ。しかしおかげで中国旅先通信は、ネット付きホテルを選ぶか、ローミングサービスでダイアルアップするか、という情況になったわけで、ちと不便になりましたな。
TD-SCDMA:主流化の喜びと憂い
中国自主開発3G規格であるTD-SCDMA、中国の3G規格として採用されることがほぼ固まり、環境も大きく変化しつつある。海外の有力IT・電気通信企業の加盟が相次ぎ、陣営は格段に増強された。しかし、TD-SCDMAが儲かるかについては、国内企業にも疑問視する声が強い。また二大携帯電話キャリア、聯通がCDMA2000、移動がWCDMAを採用するのが確実な中、TD-SCDMAの実証実験にあたっているのは、鉄通・衛通などの下位キャリアである。海外でも、TD-SCDMAの潜在力への好意的反応があり、またEUでもTD-SCDMAとWCDMAのバンドル化という話が聞こえている。
[bigsmile] しかし、正直、TD-SCDMAはあだ花に終わると思いますね。かつてNTTが独自規格路線で国内市場を守ったものの、国際市場への参入に失敗し、3GではWCDMAを採用したとのの繰り返しになるんじゃないかな。海外に売り込もうにも、3Gのニーズがあり、しかもわざわざTD-SCDMAを採用する国は、そうは無いんじゃないかなあ。ああ、イランとかは可能性があるかも。中国から地下鉄技術も買ったしね。 [smile]

2004/12/1 (水)

互聯網週刊 04/11/22 斜め読み
カバーストーリー:デジタルテレビ、待ったなし

まもなく、地上波デジタル放送の国家規格が発表される。しかし、産業化には五年が必要とされ、2008年の北京オリンピックとともにデジタル放送が開始されるまで四年しかない。デジタル放送のうち、有線と衛星については、ヨーロッパ規格の採用が決まったが、地上波デジタルでは、アメリカ系の上海交通大学案、ヨーロッパ系の清華大学案の対立が、規格制定が遅れる原因となっている。その間隙をついて、ヨーロッパ規格は中国の十以上の都市の囲い込みに成功している。
[bigsmile] デジタルハイビジョン特需をねらって、電器・通信などさまざまな企業がうごめいている、と。しかし、消費者の反応はどうなんですかねえ?日本では、地上波デジタル放送はかなり非難を浴びましたけど。

ニュース・記事
テレビ番組製作、11月に対外開放
2004年11月17日、国家ラジオ映画テレビ総局は『中外合弁・提携ラジオテレビ番組製作経営企業管理暫定規定』を公布し、11月28日から外資の国内の番組製作会社合弁企業設立が認められる。しかし、製作が許されるのは、ドキュメンタリー・コラム・ショー・アニメなどの分野のみに限られ、ニュース番組製作が許されないなど制限も多い。
[bigsmile] 次号でも報道されているように、ソニーが早速参入しましたが、この規制ではねえ……。将来への布石なのかな。
マイクロソフト、MSN中国語ポータルを打ち出す
マイクロソフトがまもなくMSN中国語ポータルを公開するという情報が流れ、中国ネット業界に激震が走った。報道によると、BBS・オークション・着メロ・交友・自動車・ゲームの六大チャンネルを統一したものになるという。
[bigsmile] MSが本気を出したのだとすると、中国ポータル業界編は必至でしょうな。ナスダックの株価が低迷しているところもあるみたいだし。
ソフト販売:売り場からネットカフェへ
中国ソフトウエア流通最大手の聯邦、中関村NOVAに海澱区政府の資金援助を受けて、正規版ソフトの大規模売り場をオープンさせたのに続き、全国各大都市に同様の売り場を開設する計画であるという。しかし、金山公司が最新のネットゲーム『封神榜』を、全国規模のネットワークを構築して直接ネットカフェに売り込み・サポートするなど、ソフトウエアの流通には微妙な変化が現れている。政府の優遇政策がないソフト流通業は、海賊版の前に青色吐息であり、これがまたソフトウエア産業サイクルの機能不全を招いている。
[bigsmile] 海賊版ソフトユーザーを、手数料だけで正規ユーザーに認定するサービスを打ち出す会社まで出てきているんだとか。まあ、ソフトハウスは政府の優遇で保っている、ってことは、中国国産ソフトの海賊版は、結局税金を食い物にしているんだ、ってことになりますね。

2004/11/30 (火)

互聯網週刊 04/11/15 斜め読み
カバーストーリー:京東方 スリリングな飛躍

度重なる巨額投資という賭けに成功した液晶メーカー京東方、またも巨費を投じて第五世代液晶生産ラインの建設に踏み切った。「作る前から時代遅れ」とも評されているが、果たして今度の賭は成功するのか。

ニュース・記事
国営ネットラジオ局がまもなく登場
第四回中国ネットメディアフォーラムにて、中国で24時間放送のネットラジオ局、および国際的中国語ポータルサイトの開設準備が進めらているとの情報がもたらされた。
[bigsmile] しかし正直、ストリーミング放送はいろんなところでやってるんで、今更って気がしますね。大陸系は、ニュースメディアとしての魅力に欠けますし。まあ、日本から繋がりやすいかどうか、ですかね、ポイントは。
電子印鑑の「国家規格」?
11/9、中国電子商務協会と公安部物証鑑定センターによる中国安全電子印章管理応用システムが登場し、「国家規格」印章と報道された。しかし、実際には国家規格ではないし、『電子署名法』の制定も遅れている。『電子署名法』以後のビジネスチャンスをつかもうと多くの企業が動いており、情報産業省は業界団体とともに参入企業の基準の策定に取りかかっている。
ソフトウエア政府購買、難しいさじ加減
最近『ソフトウエア政府購買実施方法(試行)』がようやく登場した。その中では、国産ソフトを「国内における開発コストが50%以上でのソフトウエア製品で、かつ中国国内で最終的に製品化され、著作権が中国国内の人もしくは組織に帰属するもの」と定義してる。政府購買は、ソフトウエア分野の市場シェアが10%にしか満たない国産ソフトハウスにとって、頼みの綱である。しかし、ソフト産業のサポートにとどめるのか、産業完全保護に用いるのかは、意見の対立がある。ソフト産業の育成には保護が必要である。しかし、ソフト産業には他のさまざまな保護策が講じられている上に、自動車・携帯電話などの保護産業では、中国企業の競争力は一向に向上せず、逆に保護を受けない家電メーカーが国際競争力を備えているような例もある。政府は難しいさじ加減を迫られている。
[bigsmile] 金山がWPSの政府購買特需にもかかわらず、ネトゲ封神に力を入れてるほどですからねえ、中国のソフトハウスがあいかわらずきついのは確かでしょう。しかし、ちとやり方があからさま過ぎるんだよねえ。アメリカ・MSにしてみれば、今まで海賊版を使いまくっておきながら、勝手な理屈コネやがって、ってことになるのは当然であって。
聯想+IBM:噂の背後の真実
中国最大のIT企業、連想がIBMとPC業務専門の合弁会社を設立することが、年内に発表されるとの情報が伝わってきた。両社の広報部門は情報を否定しているが、事実を裏付けるような話も流れている。しかし、この合弁が両社にとって有益であるのも確かである。
[bigsmile] デスクトップPC分野での合弁、みたいな書き方ですね。聯想のブランド力が一気に向上し、IBMブランドのデスクトップが安くなるのかもしれません。実現したら、中国国内のPCメーカー消耗戦に大きな影響を与えるでしょうね。

2004/11/24 (水)

華山論剣ランド?

陝西省渭南市の華山山麓に、華山論剣テーマパークの建設が計画されているんだそうな。

Google.簡:“华山论剑”主题公园

あのあたりは皮影の調査に行ったこともありますが、皮影が残ってるくらいですから、 貧しいんですよね。その意味では、数少ない観光資源を最大限利用したいのでしょう。 ただ、華山の世界遺産申請は、無秩序な観光開発ゆえに上手くいっていないと 言いますから、この建設で、申遺は更に遠のくことでしょう。痛し痒しですな。

金庸もねえ、90年代なかばの一部研究者の、二十世紀中華最大の文豪、というよう な過剰な賛美は、共産党主導による人文学研究商業主義化への彼らなりのプロテスト としての逆説的言説だったみたいですね。陳平原氏がそんなことを書いています。 日本で金庸ブームを仕掛ける際に、これらの言説はお題目のように引かれましたが、 そりゃ空疎に響いたわけです。

金庸は、所詮は少年ジャンプ的な通俗です。武侠小説研究が成立するとしたら、 それが称揚されることの、または広く受け入れられることの、時代的・社会的コ ンテクスト研究意外にあり得ないのではないでしょうか。

2004/11/21 (日)

北京に戻ります。

2004/11/19 (金)

天蟾逸夫舞台夜戯
  • 上海京劇院
智取威虎山
何澍
楊子栄
許錦根
参謀長
孫賀先
常宝
王世傑
座山雕

京劇の様板戯を見るのはおそらく13年ぶり、人民劇場の舞台袖から孫岳主演、その他はオリジナルキャストの紅灯記を見て以来です。チケットは、五日ほど前に行ったらほぼソールドアウト、後ろの方しか余っていませんでしたが、入ってみたら、一割二割は空席でした。

全般としては、これが様板戯?というノリの悪さでした。観客は意外と若者が多く、明らかに見るのが初めて、という反応。以前なら、爆発的な好!の嵐であったろうサビの部分も、老戯同様、タイミングのずれた拍手ばかり。上演者も、近頃の上海の若手でしょう、全然知らないのばっかり。大半が文革後世代でしょう。伎倆が劣る上にノリも悪い。はじけるような熱さがない。

90年代前半、様板戯上演が復活した際には、劇場の爆発的な熱さは怖いほどでしたが、今や様板戯も老戯と同様、京劇の一レパートリーでしかない、ということを痛感しました。そして、そのような醒めた目で見ると、この劇の構造的欠陥も目立ってきます。なにより、幕が多すぎ。ストーリーがブチブチと切られて、クライマックスへの一貫した盛り上げに欠けます。

京劇は様板戯の財産も食い尽くしてしまったということか、革命が遠くなったということか……。

2004/11/15 (月)

蘇州に行きます。

2004/11/14 (日)

上海に行きます。

2004/11/13 (土)

互聯網週刊 04/11/8 斜め読み
カバーストーリー:電信交替

11月、中国の代表的電信キャリアのトップが交替した。情報産業省等の主導により、中国電信・中国聯通・中国移動・中国網通の最高幹部が玉突き状にライバル企業に異動したのである。市場化が進み上場しているとはいえ、それらのキャリアは国有資産監督管理委員会がほとんどの株式を保有する公益企業であり、トップ交代は、機密漏洩の危険性はあるものの、過度の競争の抑制といった健全かつ国策に沿った業界発展に有効であろう。
[bigsmile] IT業界では人材の流動化が激しく、呂布みたいなのがゴロゴロしているわけですが、中国だけに、それがトップダウンで行われたワケですな。

スペシャルレポート:金源時代 “世界最大のモール”の前途と命運

北京西郊にこのほどオープンした金源時代ショッピングモセンター、“世界最大のモール”の華々しいキャッチコピーと裏腹、開店半月の業績は芳しくない。不便な交通アクセス、全体を見て回るには10キロ以上歩かなくてはならない巨大な売り場、区画分けや標識が未整備で駐車場所がわからなくなる駐車場……といった建築構造的問題の他に、ウォルマート等の目玉テナント招致の失敗、既存店の集合体でありスケールメリットが獲得できない、巨大かつ複雑なモール全体を如何に管理するのか、などなど、問題山積で前途多難が予測される。
[bigsmile] やはりね [smile]。しかし、日本でこの手の施設を作るときは、まず、中核テナントを選定し、そこと協議しつつモール全体をくみ上げることになると思いますけどね。どうも、まずドンガラを作る、ってのがあるのが間違いなんですよね。ウォルマートとの出店交渉は30分、うち25分は一方的にウォルマート側が要求を突きつけただけ、って具合になること自体がそもそもおかしいんです。しかし、このレポートの方がカバーストーリーよりもページ数が多いんじゃないの?

ニュース・記事
中関村電子売り場大調整
中関村海竜電子城が、五ヶ月かけて売り場の配置・分類・設備などの全面的調整を発表。半月前には鼎好も地下一二階の家電・文具売り場の改造を発表している。中関村では新たな電子城の建築も始まっており、今後、淘汰の波にさらされるのは避けられない。
[bigsmile] 前のモールの話もそうですが、事前の市場調査ってやってるのか?と思ってしまいますね。素人目に見ても、どう考えてもパイの食い合いになるのに、後先考えずにやってしまう。うーん、中関村没落は必然ですな、こうなると。
清華同方、ガス業界に参入
清華同方は、新たに発足した新疆ガスグループと提携して、都市ガス業務に参入する。今後、さらに多様なエネルギー事業に進出する予定だという。
[bigsmile] IT不景気で多角化を余儀なくされているのでしょうけど、燃料ですか。唐突の感は否めませんな。
ネットカフェ産業の包囲は解けず
中国でネットカフェは一大産業になっているが、しかし、文化省によるネットカフェ取り締まり、価格競争による収益の悪化などにより、経営は厳しさを増している。業界は、出店規制、営業時間、民間参入を認めないという暗黙のルールなどの緩和を切望している。
[bigsmile] ネットカフェもごたぶんに漏れず、過当競争のようです。都市部ではADSLも普及が進んでいるわけで、そうすると、ネットカフェの必要性も落ちてくるのでしょう。
不要家電をどう回収するか
10月31日、予定より三年遅れで『不要電器および電子製品回収処理管理条例』が国務院に提出された。しかし、具体的な処理方法についての細則は、これからである。費用負担の問題、処理施設の整備問題、中古市場の整備などなど、課題は多い。
[bigsmile] しばらく前に、上海に中国初の廃品PCの処理センターを作るって報道がありましたが、今のところ、電器製品のキチンとした処理施設は一つもないんだそうです。それ以前に、生ゴミの焼却施設もほとんど無くて、そのまま埋めてるんじゃなかったかな、中国は。記事は、法整備が進んでいる先進諸国との格差が中国に不利益をもたらす、と締めくくっていますが、むしろ、環境問題の方が重要でしょうね。
三大ポータル悲喜こもごも
ネットイース・サイナ・ソーフーの中国三大ポータルであるが、ナスダックの株価に顕著な差が出ている。ネットイースはネットゲームで、サイナは広告と携帯向け付加価値サービスで収益を伸ばしたが、ソーフーはこれといった新たな収益源を発掘できず、株価も伸び悩んでいる。ナスダックへの中国企業の上場が増えるにつれて、三大ポータルが中国新概念株を代表する時代は終わろうとしている。
[bigsmile] 捜狐の株価は、新浪の半額、網易の三分の一なんですねえ。捜狗も、いまいちインパクトに欠けるからねえ。
中国に美女が少ないわけ

という投稿が北京青年報のサイトに載ってました。あまりに馬鹿馬鹿しすぎて面白いので、かいつまんで紹介すると:

中国に美女が少ないのには、歴史的原因がある。歴代王朝の皇帝たちは全国の美女を後宮に集めたが、女性の人数に比してわずかな子供しか作っていない。このため、大半の美女はDNAを残すことなく死んでいったのである。つまり、古代中国の一夫多妻制こそが美女を減らした元凶なのである。

こういう説を信じ込む人が出てきそうなのが怖い(笑)。

元記事:http://bbs.ynet.com/cgi-bin/ReadFile?whichfile=38597&typeid=33

2004/11/9 (火)

復旦大経済学部長が……

買春で逮捕、党籍剥奪、三年間の停職、学部長辞任だそーです。もっとも、陸徳明氏本人は、 自分はそんなに悪くないと声明までだしてます。それが、相手の経済状態に同情して コトに及んだものだって……援助交際なので情状酌量しろ、と言いたいようです [oh]。陸徳明の名が泣きますなあ [smile]

これも、ここ数年来流行の学術腐敗?の一環なんでしょうが、 それにしても、モラル無さ過ぎ(涙)。復旦も、こんな調子じゃ近頃の低落傾向に歯止め、どころではありませんなあ。

2004/11/5 (金)

互聯網週刊 04/11/1 斜め読み

先週号は、まるまる一冊、中国商用サイトトップ百の特集で、イマイチだったのでパス [smile]

カバーストーリー:鍵の開いた3Gの門

3Gそのものへの疑問の声はもはや消えさり、3Gの導入は時間の問題となっている。中国国内のメーカー・キャリアにおいても、如何なる方式で3Gに参与するかが問題となっている。
[bigsmile] キャリアはCDMA1xを擁する聯通が一歩リード、端末は海外メーカーが強い、って具合のようですね。同特集の中国通信市場予測によると、3Gのサービス開始予測は2007年、ネットワーク建設などもあるので、まだだいぶ時間がかかりそうですねえ。

ニュース・記事
黄光裕、調査団を率いて訪日
長者番付トップに輝いた国美の黄光裕氏が、国美の全国28部門のトップ全員と共に訪日し、東京で会議を開いた。目的は、日本の小売業の視察、および松下・SONY等の幹部との会談にある。国美が東南アジア各国、さらには日本に進出するための第一歩か。
[bigsmile] 中国国内の小売業への直接投資がもうすぐ解禁されるだけに、小売業界にはさまざまな動きが出ていますねえ。でも、国美の日本進出は、現実的には不可能でしょう。あるとしたら、日本の家電販売店の買収による、参入かな。まー、そういう投資拡大は大歓迎でしょう。
李栄融、国営企業改革への態度を表明
10/25、国家資産委員会の李栄融主任は、目下の状況下で国有および国が株式を保有する企業で、経営陣がMBOおよび株式保有すべきでない、中小企業についても、株式保有の際には公正かつ債権者・労働者の合法的権益を保護しなくてはならない、と表明した。
[bigsmile] これは、郎咸平問題に対する、国家部門責任者の公式見解、というふうにも取れますねえ。
学術界・産業界でデジタル著作権紛争
三ヶ月前、中国社会科学院知的財産権センターの鄭思成らが、著作を無断で公開されたとして、書生之家デジタル図書館を訴えた事件で、書生之家側は閲覧ソフトを無許可で使用したとして鄭思成らを逆提訴した。この事件は、一対一で契約する伝統的版権処理方法がデジタル図書館のコスト増を招いており、デジタル時代の需要に合わなくなっていることを示している。
[bigsmile] このような、個人の利益よりも全体を、という論調が出てくるあたり、近代国家を目指している中国らしいですな。しかし、そういう国際的な著作権のあり方と隔絶した処理は、さすがに難しいでしょう。輸入書、さらには国外原本の影印などの扱いがからみますしね。
IT小売業に肉弾戦の狼煙
10月23日、中国最大の家電販売チェーン国美電器は、中関村での大規模店オープン果たした。同時期に、南京の珠江電子街では、華東地域を中心に急拡大を続ける全国最大のIT小売企業、宏図三胞が、国内最大の単独ITショップをオープンさせた。変革を迎える中国の小売業界にあって、IT販売においても、市場状況に敏感に反応した価格・品揃えに優れる伝統的な電脳城と、大規模仕入れによるコスト削減や均一化されたサービスを武器とする新興の電器販売チェーンとの競争が激化しつつある。
[bigsmile] 「北京の市場の最大の特色は、規範性に劣るところである」という宏図三胞の社長の言、なるほど、と思ってしまいますな [smile]。南北の経済格差の反映、でもあるわけですが。まあ、PCハード市場も、ここ一二年でショップマシンからメーカーマシンへの大転換が起きているわけで、中・長期的には家電チェーンが圧倒的力を持つようになると思いますねえ。
国内資金の新たな流れ
中国金融当局による景気調整は、初期的には成功を収めたが、9・10月には再び景気過熱の傾向が見られ、マクロ調整の限界を露呈している。その原因は、銀行の貸し出しが圧縮する中、企業は民間の闇金融からの資金調達を増やしていることにある。現在、温州の民間融資の金利は12%、広東では20~30%にも達している。調査によると、全国の中小企業の三分の一の資金は、非合法金融ルートからのものである。預金残高の増加が、国民収入の増加を遙かに下回ることからも、地下金融の成長ぶりがうかがわれる。これは、中国の正規の金融システムが既にニーズに合わなくなっていることを示している。金融制度の自由化、闇金融の合法化といった施策が必要となろう。
[bigsmile] 今年になって温州の銀行預金残高が数割減少し、そっくり闇金融に流れている、というような報道が10月末にありましたっけ。それにしても、中国経済のマクロ調整の最大の阻害要因が闇金だとは……。政策的調整も効かないとなると、バブルは崩壊するしかないわけで、そうなったとき何が起こるのやら……。

2004/11/4 (木)

長安大戯院夜戯
  • 台湾国光京劇団
王熙鳳大鬧寧國府
魏海敏
王熙鳳
陳美蘭
尤二姐

台湾国光の上海・北京巡演の最終日です。この劇、元は上海京劇院なんですね。ただ、台本とか相当 手が入っているんじゃないかな。満席・ソールドアウトで、ダフィーを使って入りました。ヤレヤレ。

全体としては、ストーリーと性格描写を見せる劇、でした。王熙鳳と尤二姐のキャラの対比がなかなかによろしかった。 舞台美術はかなり凝ってはいましたが、しかし、ゴテゴテにはならず、また、舞台の転換は下男・下女役が黒子のように 働いてやる、というのも成功していました。

俳優のレベルは、上海あたりからの客演がだいぶ入ってはいましたが、やはり全般に劣りますねえ。魏海敏・陳美蘭は それなりに頑張っていましたが、やはり一流ではないです。脇役達となると……。その点からも、これは、芸よりもストーリーを見せる劇である、と言っていいでしょう。

なぜ、大陸の新作劇よりも印象がいいのだろうか、と考えたのですが、要するに政治というテーマが入っていなくて、 愛やら権力やらを巡る女の戦い、という普遍的テーマのモノとして見れる、というのが大きいのではないかと。

王安祈氏にもご挨拶できました。しかし、彼女のように、古典戯曲研究から劇作・芸術監督までこなす、というのは、 本当に中国伝統知識人的あり方ですねえ。

800図書網トラブル、解決

北京に戻ってみたら、出かけてすぐに宅配便が来てたよ、とのこと。運送会社に電話して、ブツを受け取ったら、 800図書網に発注していた本でした。ひとまず、詐欺にあわないで済んだようですが、しかし、金を振り込んでから届くまでに まるまる一ヶ月……。トラブルの経過・解決に関する説明は一切無し……。うーん、これじゃあねえ。

しかし、このインフォメーション不足は、中国の各サービス業全般に言えることですね。航空会社も、海南航空とかは、遅延に際して 説明責任を果たさず、ウソついたりするので、逆に乗客の怒りを買って遅延賠償請求になっちゃうんだよねえ。まあ、サービス 提供者は仕事ではなく奴隷身分であるかのように見下してしまう点、あるいは、権利ばかりを主張して表裏一体の関係にある義務については全く理解していない点など、コレは全般的に啓蒙活動が必要でしょう。

2004/11/3 (水)

北京に戻りました。

北京で今一番安い成田便の南方航空、コレ、乗ってみたら、コードシェア便で運航はJAL。非常にお得感が強いですね。 ちょっと調べてみたら、中国便のコードシェアは、一昨年解禁になり、増加の一途のようです。東方や海航がJAL・ANAになったら、それは嬉しいですけど、逆は悲惨だなあ(笑)、ということで、日中間のコードシェア便のリストを作ってみました(まだ作りかけですが)。

発着機材提供側相乗り側
成田-北京日本航空 JL781中国南方航空 CZ776
成田-北京中国国際航空 CA926全日本空輸 NH5703
成田-北京全日本空輸 NH955中国国際航空 CA6652
成田-北京全日本空輸 NH905中国国際航空 CA6654
成田-瀋陽中国南方航空 CZ日本航空 JL5180/5181
成田-上海日本航空 JL619中国東方航空 MU819
成田-上海中国東方航空 MU524日本航空 JL5100
成田-上海中国国際航空 CA930全日本空輸 NH5713
成田-上海中国国際航空 CA920全日本空輸 NH5715
成田-上海中国国際航空 CA6662上海航空 FM9066
成田-上海全日本空輸 NH959中国国際航空 CA6658
成田-上海全日本空輸 NH921中国国際航空 CA6660
成田-上海全日本空輸 NH919中国国際航空 CA6662・上海航空 FM9066
成田-広州日本航空 JL603中国南方航空 CZ766
成田-広州中国南方航空 CZ386日本航空 JL5186/5185
成田-香港キャセイ・パシフィック航空 CX521アメリカン航空 AA6115
成田-香港キャセイ・パシフィック航空 CX505アメリカン航空 AA6113
成田-台北エバー航空 BR2197エアーニッポン EL2107
成田-台北エバー航空 BR2195エアーニッポン EL2105
成田-台北エアーニッポン EL2103エバー航空 BR2191
関空-北京中国国際航空 CA928全日空 NH5723
関空-北京全日空 NH159中国国際航空 CA6656
関空-瀋陽中国南方航空 CZ日本航空 JL5182/5183
関空-青島日本航空 JL625中国東方航空 MU825
関空-青島中国東方航空 MU日本航空 JL5108/5109
関空-上海日本航空 JL793中国東方航空 MU893
関空-上海日本航空 JL629中国東方航空 MU829
関空-上海中国東方航空 MU56日本航空 JL5102
関空-上海中国東方航空 MU5106日本航空 JL5106
関空-上海中国国際航空 CA922全日空 NH5733
関空-上海全日空 NH155上海航空 FM 9062・中国国際航空 CA6664
関空-上海全日空 NH153上海航空 FM9064・中国国際航空 CA6666
関空-上海上海航空 FM822全日空 NH6401
関空-昆明・上海中国東方航空 MU752日本航空 JL5152/5151
関空-杭州全日空 NH951中国国際航空 CA6668
関空-広州日本航空 JL605中国南方航空 CZ764
関空-広州中国南方航空 CZ390日本航空 JL5188/5187
関空-海口海南航空 HU486日本航空 JL5042
関空-香港キャセイパシフィック航空 CX507日本航空 JL5129/5120
関空-台北エバ-航空 BR2131エアーニッポン EL2131
札幌-上海中国東方航空 MU日本航空 JL5172/5173
名古屋-香港キャセイパシフィック航空 CX日本航空 JL5125/5126
名古屋-上海中国東方航空 MU日本航空 JL5106/5103

2004/10/27 (水)

一時帰国します。

2004/10/25 (月)

IT時代週刊 04/10/25 斜め読み
カバーストーリー:中関村の没落?

一時は「中国のシリコンバレー」の名声を欲しいままにした北京中関村は、商業主義・腐敗の狂乱の中で、IT先進地区としての地位を上海、深圳、蘇州、杭州などの地域に奪われつつある。中関村は何処に行くのか?

第一章:「技術センター」の地位の喪失
2003年、中国のIT産業復調の象徴となったネット企業、Ctrip・百度・Tom.com・盛大などの大半は、中関村とは関わりない。一方、中関村に成長した大企業は、もはや大半が平凡な伝統企業の列に加わっている。国際化、半導体、何れの面でも上海等の地域に遅れをとった。
第二章:技術ベンチャー生息地の没落
中国有数の大学・研究機関の密集地である中関村では、しかし、空洞化が進行している。中関村のリソースは、草の根階層やベンチャーではなく、成熟階層に向けられているのである。この方向性の誤りは、中関村をIT市場からIT産業へ、そしてIT技術開発へと発展させることに失敗した。中関村の再開発は、ともすると犯罪にも抵触しがちなIT草の根を根絶することには成功したが、しかし、企業間のネットワークは破壊され、新たなより高度な市場生態は実現しなかった。80年代末から90年代にかけて中関村の成功を支えていた、活力に満ちたベンチャーと無数の無名の小企業の群落は失われ、新陳代謝は止まっている。
第三章:中関村草の根パワーの殲滅
朝陽区CBDとの開発競争に際して、中関村がとった500強企業を誘致する戦略は誤りであった。肝心の大企業は中関村に見向きもしなかった。一方、不動産開発ブームへの便乗は、20年の蓄積を持つハイテク・リサーチ・パークを永遠に、徹底的に破壊してしまった。中関村の不動産開発は、中関村のこれまでの発展とブランドの現金化にほかならない。中関村の不動産価格は高騰し、もはや中小企業には手が出なくなっている。
第四章:富と影響力の頂上対決
中国史上最大の合法的資財産形成ブームの中にあって、政府機関は中関村に、将来を見据えたベンチャー育成よりも、短期的な経済成長を追求した。大企業を誘致すれば、中関村の経済統計は成長するが、しかしこれはベンチャー創業基地のシリコンバレーとは似てもにつかぬあり方である。また、政府は北京各地のリサーチ・パークに中関村の名を冠しており、中関村はブランドさえも空洞化しつつある。

[bigsmile] 結局、目先の金を優先する地方政府の政策ミスが、目先の不動産収入をもたらした反面、中関村の活力を奪い取ってしまったってことですね。確かに、二三年前、既に、中関村は不動産が高すぎていけない、と、某企業の人が嘆いていたっけ。記事によると、王府井の東方新天地より高いんだそうな。まあ、現在の不動産バブルが弾けたとき、逆に中関村が復活するかも知れませんねえ。
ニュース・記事
誰がショートメッセージ互換にくびきをはめたのか
IT産業部は、今年三月までにショートメッセージ互換を実現するように指示していた。しかし、今になっても携帯キャリア間の互換は実現されていない。背景には、小霊通は固定電話扱いのため携帯への通信でネットワーク間接続料を課金されないことが通話価格不公平を生んでおり、小霊通の追い上げを受ける携帯キャリアが対等課金を主張していることがある。問題解決には、まだ相当な時間がかかりそうだ。
[bigsmile]小霊通、聯通のユーザー数を抜くのは時間の問題なようですね。これって、昔からの中国電信系通信キャリアの独占体制が強化される、ってことなんじゃないかな。聯通はこうなるとCDMA1xに未来を託すしかないのかも。
ハード・カード分離:小霊通の新天地を切り開く
電話機に電話番号のPIMカードを挿して使用する小霊通が登場。GSM携帯と同様に、番号や電話機の交換が容易になり、また購入地域でしか使えないという欠点が、外地でのPIMカード購入で補えるようになる。また、インターネット機能など、電話機の機能強化による消費刺激も可能になる。小霊通の第二の春が訪れようとしている。
[bigsmile]日本では廃れつつあるPHS、これは中国で大ブレイクということになるかも。実際、3G携帯の高機能など要らない、という人も多そうですからね。
QQペンギンの運は尽きる?
中国の各プロバイダがインスタントメッセンジャー市場への進出を開始した。中国網通の天天即時通、中国電信のUIMは、従来のIMとの上位互換を持っており、中国最大シェアのIM、騰訊QQの牙城を脅かすことになるかもしれない。
[bigsmile]QQ、中国では本当によく使われていますねえ。もっとも、ソフトのバグ問題や、クラックの踏み台になるのでは、といった問題がここのところ頻発しているのも確かです。しかし、ここでも、旧電信系企業が攻勢をかけているってことになるなあ。うーむ。

2004/10/22 (金)

長安大戯院夜戯
梅蘭芳生誕110周年記念公演
梅花香韻
  • 天女散華
    • 尚偉
  • 廉錦楓
    • 韓冬柏
  • 黛玉葬花
    • 張晶
  • 覇王別姫
    • 董円円・景栄慶
  • 貴妃酔酒
    • 梅葆玖

京劇舞台の抽象的簡潔性をスポイルするだけの話劇的なアホ演出と派手派手舞台セット、音楽も全てチェロや弦バスを使いまくって様板戯風、もはや京劇的芸を見せ聞かせる意図すらも感じられない。唯一期待していた董円円も、演出のダメさを差し引いても今ひとつ。かえって、十五年前は見るだけで悲しくなったドラちゃんが、全然良くなっているわけではないのに輝いて見える始末 [sad]

結局、京劇青衣の芸術的部分は程派に集約され、梅派は梅蘭芳という看板で京劇素人から集金するだけの流派に成り下がったということでしょう。今回の記念公演も、京劇交響劇詩『梅蘭芳』、川劇の写真はどう見ても古装武侠ドラマにしか見えない『中国公主杜蘭朶』(トゥーランドット)と続くありさま [sad]

梅派は死にました。

2004/10/21 (木)

やっぱりダメだ図書800

800図書網トラブルの続き。昨日ようやくメールが流れて、 今日返事が来たが……「注文取り消ししておくから、こないだ買ったプリペイドカード支払いで買い直して」。 ふざけるな!送金したのに届かないって書いてるだろう! XD

ということで、メールしたら、またもメールボックスが溢れているエラーで未達。仕方ないので電話すると、 ウチは北京のシステムで、あれは鄭州の提携先の問題だからそちらに問い合わせて……。そんな内部の事情など 知らぬと言ったら、「じゃあ、鄭州に聞いてあげるよ」ガチャン。 XD

このオンライン書店の唯一の魅力は、鄭州など地方提携書店に北京などでみかけなくなった本が在庫されていることなのだが、その鄭州がコレでは……。さて、どう始末をつけるつもりかな?

ところで、Google.日:800図書網してみたら、このサイト、『現代中国青年たちの夢 』なんて本のある、銭其琛の息子が董事やってるのね :d

2004/10/20 (水)

互聯網週刊 04/10/18 斜め読み

先週号は、個人的に今ひとつ面白く無かったので、パスしました。

カバーストーリー:百聯 艦隊から空母へ

今年中の小売業外資参入規制撤廃を前に、政府主導の集団企業、百聯集団が成立した。一百(上海第一百貨店)・華聯・聯華など多くの戦艦級企業の艦隊から、一隻の強大な航空母艦へと、百聯は発展することができるだろうか。
[bigsmile]表紙の写真、廃艦になって深圳でテーマパークになってる旧ソ連空母ミンスクですねえ。これは、スパイスを効かせている?という深読みもできますなあ [smile]

ニュース・記事
趙勇 任は重く、長虹 道は遠し
今年、倪潤峰の後を受けて中国最大のテレビメーカー長虹のトップになった趙勇、現在、長虹の組織改革に注力中。また、10/12には中国のIT家電規格二大陣営の一つ、閃聯への加盟を発表した。
[bigsmile]閃聯はねえ、中国独自特許にこだわったローカル規格ですね。個人的にはIT家電の市場は、世界でも中国でもそんなに大きくならないんじゃないかなと考えてるんだけど、この独自規格開発は吉と出るか凶と出るか。
黄光裕 長者番付首位の栄冠に輝く
2004年の胡潤中国長者番付で、家電流通最大手国美の黄光裕が首位に。背景の企業の評価が大きく反映された番付として疑義もあるが、中国の民間資本の力量の一端が現れたと言えよう。
[bigsmile]長者番付がらみは、後の記事も参照。
人民元 しばらく切り上げはなし
スノー財務長官が、中国が人民元切り上げに合意した旨発表したが、10/12に国家外国為替管理局が否定コメントを発表。しかし、人民元の現在の実質固定相場制の問題も日増しに高まっており、交換レート不動範囲の小幅な拡大といった措置が必要になるかもしれない。
[bigsmile]こういうような意見が見え始めた、ということは、ぼちぼち改革の機運が練れてきた、ということか。原油や工業原料の価格も上がってるわけだしね。
奥克斯 IT産業省を訴える
10/12、五回目の携帯電話製造免許申請に失敗した奥克斯がIT産業省を訴えた。7/1に施行された『行政許認可法』で移動通信製品については認可を行わないとしていることが根拠。奥克斯(AUX)は年産500万台の設備を誇る、中国最大の携帯電話機OEMメーカー。
[bigsmile]製造免許が既得権益になり打ち出の小槌になる、というのは、ケータイのみならず、出版業など中国のさまざまな業界に見られる現象です。全体としては解消の方向にありますが、端境期だけに問題も多いのでしょう。
加速する閃聯
中国のIT家電独自規格としてe家佳と競争を展開中の閃聯、長虹を陣営に引き込むなど、急速に勢力を拡大している。WAPI規格の流産に学び、「オープン・互換」の方針で海外企業との交流も深め、摩擦回避をはかっている。IT家電には需要の喚起という大きな問題があるものの、数年後には5000億元規模の市場に成長するとの見方もある。年内とも言われるIT家電の国家規格制定に向け、閃聯は一歩リードした。
[bigsmile]いつも思うんだけど、何で国家規格なんだろう?デファクトスタンダードで十分じゃないのかなあ。
胡潤長者番付には何が足りないのか
10/12、胡潤がフォーブスから独立して二度目の長者番付を発表した。しかし、メディアや入選者からの疑義が提出されている。胡潤の問題は、メディアの支持を得ていない、信頼性に欠ける、新たな富豪の発掘力に欠ける、中国経済の主流を反映しがたい、といった点にある。
[bigsmile]日本の場合は、納税者番付ですね。社会の情報化が今ひとつ立ち後れているからこそ、こういう私企業の長者番付のニーズがまだまだある、ってことか。
通信ネット相互接続 司法解釈を出すは易く行うは難し
最高人民法院が通信ケーブル切断などの通信ネット相互接続破壊行為に関する司法解釈を発布するとの情報。通信キャリア間の相互通信不調問題は、中国通信業の最大の懸案になっている。統計によると、98~03年に報告された悪質な通信妨害事件は540件、しかし非公式な情報によると未報告事件を含め2003年だけで1000件以上の事件が起きているという。悪質な事件には、ケーブル切断・鉄塔破壊さらにはソフトウエア的な妨害工作などがある。聯通・鉄通などの新興キャリアのケーブルが切断されるケースが多い一方、中国電信・中国網通が管理する電柱・地下ケーブル管に無断で違法に設置されたケーブルが多いのも事実。司法解釈ばかりではなく、通信産業政策や監視体制といった面からの総合的対策が必要であろう。
[bigsmile]通信業界、泥仕合化してるってことですね。それにしても、ケーブル切断・交換機盗難などなど、そこまでやるか、ってことをやっちゃうのがねえ(涙)。
中芯国際、快走は続くか
中国最大のシリコンチップ製造代理商、中芯国際(SMIC)、2000年の創立以来4年間で、三カ所の8インチ工場、一カ所の12インチ工場を擁する、業界世界第四位の企業に成長した。同社の快走はいつまで続くか。
[bigsmile]中芯国際というと、創業者・張汝京の、業界トップ台積電への積年の恨み、という物語が有名ですね。今までは天の時を得て突っ走ってきましたが、財務体質は弱そうだし、中国のチップ産業保護政策がアメリカの圧力で廃止になったし、これからが正念場でしょう。

2004/10/19 (火)

使えないぞ800図書網

800図書網、中国のオンライン書店である。北京・上海・広州・鄭州などのいくつかの大規模書店が物流拠点となり、全国ネットで図書を販売している。

寨主は、ここで9月末に本を発注した。鄭州にのみ在庫があり、銀行為替での送金を選択した。が、為替送金後三週間以上経過しても、オンライン伝票検索は入金確認後発送と表示されたまま、一向に本が送られてくる気配が無い。いい加減にしびれをきらし、サイトに掲載されているサービスに問い合わせメールを発送した。ところが、送信したメールは、メールボックスが容量オーバーしているとの警告とともに戻ってきてしまった。

国慶節休みをはさんで事務が滞っているのかもしれないが、それにしてもやる気が無さ過ぎる。振り込んでしまった以上、キャンセルもできない。急いでいたのでEMS発送を選んだが、これでは何の意味もない。電話で問い合わせるしかないとしたら、海外からの通販はちょっとためらわれる。

さて、どうしたものか。

2004/10/18 (月)

長安大戯院夜戯
  • 瀋陽京劇院
隔江闘智(周瑜帰天・臥龍弔孝)
常東
周瑜・諸葛亮

前半の周諭帰天は、十年近く前に中国京劇院青年団の彩排を見て以来かな。常東、長打はなかなかいけますねえ。体の動きは申し分なし。あとは、衣装が美しく収束するようなキメの美しさ、それと人物の性格をもっと表現できるようになると良いんですけどね。周瑜が所々趙雲っぽく見えたのが気になりました。まあ、老生の唱だからしっくり来ない、というのもあると思いますが。

常東、父が言少朋の弟子だそうで、言派も歌うんですねえ。聞いた感じでは、喉は、合格点だけど、一流では決してない、という印象かな。でも、言派は余り聞いたことが無いので、よく分かりません。はい。

休み時間に、王金璐さんにご挨拶できてラッキー。もう85か。それにしても、一昔前、彼がロビーに居たらただではすまなかったろうに……時代ですねえ。パンフによると、王さん、瀋陽京劇院の総顧問に、奥さんも顧問になってるんですねえ。まだまだお元気そうでなにより。

2004/10/17 (日)

長安大戯院夜戯
  • 瀋陽京劇院
岳雲錘震金蝉子
常東
岳雲

瀋陽の若手武生・老生の常東のオンステージです。王金璐さんの弟子なのね。 瀋陽京劇院は、昔、李静文のオンステージが良かったなあ。武打では、ソコまでやるか、ってくらい過激にやっちゃうところ、という印象が。

さて、常東、全体的にはなかなか良いです。腿はなかなか柔らかいし、錘もひととおりノーミスで甩してました。パワフルで勢いがあっていいんだけど、ただ、ちょっと洗練には欠けるかな。でも、王門の武生の中でも屈指の人材だと見ました。

この劇は所見だけど、武打のイメージは『八大錘』に近いかな。これもやはり、説岳に忠実でした。

駆車戦将
常東
南宮長万

これは、えらくマイナーな劇、と思ったら、唐派の劇なんですねえ。關外唐、だけに、北京あたりでは余り目にしない、ということか。

改良靠の武戯ですが、唱もかなりあります。武打の設計は、今まで見たことの無いタイプだったなあ。卓を並べた台をつくり、そこから飛び下り飛び乗ることで、山での戦いを表現してたのが面白かった。常東の盔頭が落ちたり自壊したりしたのが、ちょっといけなかったかな。

2004/10/16 (土)

現在、InterWikisの増強中。UTF-8でいけるサイトも、だいぶ増えていますなあ。

2004/10/13 (水)

《新世纪汉英大辞典》
3900.jpg
  • 外研社
  • 2004.1
  • ISBN 7-5600-2594-3/H.1340
  • 188.00元
  • 縮印本
    • 2004.9
    • ISBN 7-5600-4324-0/H・2066
    • 99.90元

数日前に購入した辞書。既存の日中辞典は90年代後半以降大幅に変化した中国語語彙を反映しきれておらず、現代の新聞・雑誌・評論などを読むのには非常に不便である。まあ、これは、それらの辞書の編纂の問題というよりも、中国語の変化の激しさの方が問題なのだろうが。

英語音痴の私が中英辞典をわざわざ買ったのは、この辞書が編纂方針に、

条目收录注重与时俱进、反映现实生活、体现时代精神,贯彻语文为主、兼顾百科的原则,尽可能多的收录了近十年来涌现出来的新词语和新词意。

と謳っており、確かに現代中国で使われる新語、あるいは以前とは意味がずれて使われている新義語を非常によくカバーしているからだ。例えば、

【网民】cyber citizen; netizen
【大排档】sidewalk food stall
【作秀】①put on a show; perform; show

いずれも、ネット上のドキュメントや街角で近頃よく見かける一方、辞書ではあまり見かけないコトバである。

中国語の専門家・中上級学習者であれば、備えるべき辞書であると言えよう。また、同様の編集方針の中日辞典の登場に期待したい。

追記
同種の辞書として、2000年出版の商務印書館『新時代漢英詞典』というのを発見。引き比べると、こちらも新語を良く拾っているのだが、新しい分、外研社の方が良い、という印象。

2004/10/11 (月)

InterWikiのターゲットフレーム、スタイルシートを調整。

2004/10/7 (木)

IT時代週刊 04/10/05 斜め読み
カバーストーリー:闘法記 AMD&Intel

MPU業界の巨人Intel、たび重なる挑戦に敗れつづけたAMD。Intelの64ビットMPU戦略の失敗は、AMDにかつてない反撃の好機を与えた。AMDは中国戦略を再構築し低価格を武器に中国市場の制覇を目指しているが、Intel Inside基金と整備された販売チャンネルを擁するIntelの抵抗も強力で、中国PCメーカーの苛烈な陣取り合戦になっている。2004年はAMDの33年に及ぶ挑戦のターニングポイントとなるか、あるいは再び敗れ去るのであろうか。
[bigsmile]2004年4・5月最終週のAMD・IntelのデスクトップPCシェア比較グラフを見ると、トントンにまでなっているんですねえ。もっとも、ノートやサーバまで入れると、Intelがまだまだ圧倒的に優勢なようです。ともあれ、寡占状態は望ましくないので、AMDには頑張ってほしいモノです。

ニュース・記事
全国6000万の小霊通、本日よりショートメッセージ互換に
9/27、小霊通の二大キャリア中国電信と中国網通がショートメッセージの相互通信サービスの開始を発表。小霊通の単純な通話機能のみに飽き足らないユーザーの増加にあわせ、今後、さまざまな付加機能を提供していく予定。
[bigsmile]小霊通、つまりPHSですね。本体価格がGSMの半額程度、定額通話料制度などの価格的優勢によってユーザーを大きく延ばしています。中国では来年にも3Gの投入が予定されており、PHSには未来が無いと言われていますが、でも価格を考えると、意外とPHSも生き残るんじゃないかという気もします。
国内電子ゲームの区分規格制定 三等級が設けられる
9/26、中国青少年ネット協議会ゲーム専門委員会が成立し、『中国青少年協会健全ゲーム推薦基準』が公開された。暴力・セックス・ホラーなどの五項目の静的評価指標、およびダイアログの礼儀正しさ、青少年の心身保護への配慮など七項目の動的指標から構成され、それぞれ中学生向け・高校生向け・18歳以上向けに相当する三等級に評価する。基準は、http://www.game315.com/yxfj/にて公開中。
[bigsmile]「18禁の表示は、子供達の興味を喚起するだけかも」と評されていますね(笑)。日本における酒・タバコの未成年者への販売問題もそうですが、結局、小売店と親の監視が無い限り、こういう規制は意味を持たないんですよねえ。
スパムメールサーバ、韓国が中国を抜いて首位に
Commtouchの最新調査によると、スパムメールサーバのシェアは、韓国が46.87%で首位、中国は31.75%の二位に後退した。中国のシェアは、二ヶ月前の70%以上から30%もの大幅低下。
[bigsmile]確かに近頃はハングルのスパムも結構届きますねえ。6月頃から、エロサイトなど、違法サイト・鯖への取り締まりキャンペーンをやっているわけで、おそらくその成果が出たのでしょう。それに、スパムフィルター、中国からのメールを無条件に弾くものが多いので、中国から発信するメリットが薄れている、というのもあるのかも。それにしても韓国、もうちょっとしっかりせんか!
ケータイ小説の潜在的危険性
近頃、中国の携帯キャリアの付加サービスとして、ショートメッセージ小説『城外』が登場した。都市における不倫をテーマにしたものであるが、著作権保護・青少年健全育成といった危険性も秘めている。
[bigsmile]こういう小説が選ばれるのは、ちかごろ功利主義の前に総崩れな中国文壇の状況のあらわれでもあるのですが、中国語エロ小説や日本のAV映像、ネット上では見たい放題なわけで、今更、の感が強いですねえ。
淘宝、強姦式広告は何時終わる?
アリババ系のC2Cサイト淘宝のブラクラ的なポップアップ広告が煩わしい。ライバルの易趣が主要ポータルのポップアップ広告を独占してしまったためのやむにやまれぬ挙であるようだが、しかし、ブランド確立の上で果たして有利に働くだろうか。
[bigsmile]XP SP2・Googleツールバー、両方入っている寨主の環境では、全然気づきませんでした(笑)。
グローバル企業に中国ソフトハウスの資格を与えるべきか?
先日発表された最新の「政府ソフトウエア購買」企業目録に、論争の的となっているグローバル企業が掲載された。しかし、昨年公布された『政府購買法』第十条に、政府購買では本国の物品・工事およびサービスを優先して考慮する、との規程がある。背景には、アメリカが海賊版問題やWTO規定違反と絡めて圧力を強めていることがある。また、グローバル企業が独自にあるいは合弁で中国に設立した企業の製品を国産品と見なすか否かも議論が分かれている。
[bigsmile]中国は、国内産業保護育成のいとまなく、グローバル化の波に洗われざるを得なかった点、確かに大変なんですよねえ。ただ、WTOに加盟して、外圧により国内の悪弊を打破しようという戦略を選んだ以上、もはやそのゲームルールに従わざるを得ないワケですな。それにしても、海賊版問題は、いろいろな点で中国のアキレス腱になっていますねえ。
波導の自動車製造、多角化に失敗
中国携帯のトップメーカー波導は、9/1、南汽への投資引き上げを発表、また一つ、無謀な多角化失敗の典型例が増えた。携帯業界が大量の不良在庫をかかえ利益率が大幅に低下する中、核心技術開発が必要であろう。
[bigsmile]中国では、核心技術云々がよく言われますが、しかし『互聯網週刊』の04/09/20号にあるように、問題は提供された核心技術と規格化された製品組み立てだけに頼る製品開発そのものにあるんじゃないかな。そりゃ、規格の特許を握れば居ながらにしてガッポガッポと金が入ってくるけど、それには高度な技術力とグローバル戦略が必要になる上に宝くじなワケですからねえ。
ネットゲーム:朝日産業の斜陽?
2002年、盛大と網易はネットゲームの金脈を掘り当てた。そして2004年、斜陽がはじまった。ネットゲームをめぐる、情報産業省・文化省と出版署の縄張り争いの激化は、投資心理に影響を与えている。また、ネットゲームプロバイダは、2002年の20社から140社にまで激増しており、利益率の低下と淘汰とがはじまっている。また、大多数のネットゲームは、中国企業が韓国ネットゲームの国内代理となっているものである。中国企業の開発能力の強化が今後のポイントとなろう。
[bigsmile]記事に書いてありましたが、核心技術を握れっていうのは、一昨年あたり日本の大手電機メーカーとの間で発生した、中国家電メーカーDVDプレーヤーの特許権未払い問題が大きく影響しているんですね。まあ、核心技術と言わずに、製品開発能力と言えば、まったくその通りだと思うけどね。

2004/10/3 (日)

偶然見つけたInDesign CS Tips

  • Ctrl+ホイール=拡大・縮小
  • Alt+ホイール=左右スクロール

2004/10/2 (土)

長安大戯院夜戯
群英会・借東風
  • 北京京劇院
譚元寿
魯粛(前)
張学津
諸葛亮(前)
葉少蘭
周瑜(前)
譚孝曾
魯粛(後)
朱強
諸葛亮(後)
李宏図
周瑜(後)
楊少春
趙雲
孟広禄
黄蓋
楊赤
曹操

国慶記念公演ですが、悲しくなる舞台でした。並べるとハッキリわかりますが、譚・張・葉の様板戯世代三人、衰えたりとはいえ、後から出てくる第三世代の連中と比べると段違いにハイレベル。声も、高音の伸びとか声量とかは落ちているけど、厚みがあり奥深く質がよい。表情や仕草も上手い。一代不如一代ですな、ホント。

楊少春、流石に衰えましたねえ。でも、メリハリと細かな動きの美しさは抜群。

浄は結局この二人しかいないのねえ。いずれも上手いんですけど、しかし、もうちょっと人材が育たないモノか。

ついでに、いつもにもまして、観客がダメすぎ。拍手がちゃんとできない。初めてこの劇を見るのが大半だったみたいだし……。

そんなわけで、後に残ったのは寂寥感のみ(涙)。

2004/10/1 (金)

長安大戯院白天
鎖麟嚢
  • 北京京劇院二団
郭偉
薛湘霊

郭偉は新進の程派ですね。見るのは初めて。ダイナミックレンジが広く、扮相がなかなかいいですね。ただ、低音の厚さと水袖功は、火丁に比べてまだまだでした。素材は良さそうなので、五年後・十年後に期待かな。

2004/9/30 (木)

長安大戯院夜戯
龍鳳呈祥
  • 北京京劇院
杜鎮傑
劉備
朱強
喬玄
張大環
呉国太
陳俊傑
孫権
王蓉蓉
孫尚香
李宏図
周諭
黄彦忠
張飛

国慶節前夜の北京京劇院一団主力による公演です。考えてみれば、前に留学してたときの一団は、張学津・譚元寿・閻桂祥・どらちゃんと、今からはとても信じられない陣容でしたっけ。その当時からすると、大半のメンバーが入れ替わり、世代交代してしまっているわけで。

で、感想。王蓉蓉は良い。まだ人材が豊富だった80年代に頭角を現した役者は、やはり本当に出来ます。それだけ。

2004/9/27 (月)

gome.png

中関村、鼎好の北西側の四環路沿いの新築ビル、今日前を通ったら、中国の家電小売り大手、国美の看板が出てました。うーん、すぐ近くの中関村カルフールの中にも国美が入ってなかったっけ?近くには、大中もあるし、鼎好の地下にも家電売り場はあるし、電脳ばかりでなく家電市場も一気に飽和するんじゃないかな、中関村は。

2004/9/26 (日)

  • 不動産屋の華潤とシンガポールの経営商の間で近頃トラブル発生中の西単の地下街「77街」、今日ぶらぶら行ってみたら、ビアードパパができてた。東方新天地、華堂亜運村に続く北京第三号店かな?
  • 灯火市口、涵芬楼書店の南側の続きに中華書局読者服務部の燦然書屋(書社だったかも)がオープンしていた。同社の新しい本がずらずらならんでいた。しかし、中華書局の新しい本なら、どこの書店にもあるからなあ。古い在庫本の掘り出し物が無い以上、魅力もたいして無い、というのが個人的結論。

2004/9/25 (土)

甘ラッキョウは中国にもあるにはあるのだが、売っている店が非常に少ない。十五年前には新街口のスーパーでしか見なかった。今回は、今日ようやく万聖のとなりの首航超市で発見。

2004/9/24 (金)

縱ゐきをβ1.13にリリースアップ。印刷用スタイルシート追加。

2004/9/23 (木)

天外天?で晩飯。相変わらず、味はそこそこ、安くて速い。

IT時代週刊 04/09/20 斜め読み
カバーストーリー:華為国際化に関する調査報告

シスコとの知的財産権訴訟が逆に大いに宣伝効果をもたらし、世界における売り上げが急拡大中の、中国最大のネットワーク機材メーカー華為。その歴史と国際戦略に関するレポート。

ニュース・記事
ポップアップ広告、まもなく“永眠”
[bigsmile]事実関係自体は互聯網週刊の記事と同じ。ポップアップ広告はユーザー側でもOFFにできるから何も変わらないじゃん、という指摘は確かにその通り。中国のポータルサイトって、ページ本体の広告地雷や画面を動き回るJAVA広告、さらには漢字ドメイン用ツールの自動ダウンロード等々、ポップアップ以外のところがよりうざったいからねえ。
学術蝿と中国式落とし込み便所
あたかも企業の商品宣伝パッケージの一部であるかのように、企業のヨイショ講演を引き受ける経済学者たち、郎咸平問題に対して彼らは沈黙・形式的賛成といった態度をとるものが多いが、台湾当局の意図を受けているとか中国の国情をわかっていない、といった類の混ぜ返し的批判をおこなうものもおり、さらには経済学者達が半公開で郎咸平対策会議までも開いたという。
[bigsmile]その手の経済学者を「肥壷に群がるハエ」、とまで言ってしまっていますねえ。そうえいばIT時代週刊、経済学者に対する批判めいた記事が結構多いような気がするなあ。
焦点IT:中関村調査 金恒生が死に至った理由を見る
つい二三年前、北京におけるトップPCハードメーカーであった金恒生が行き詰まった。直販方式の失敗と地方販売ルートの軽視、商標権裁判での台湾恒昇に敗訴、野放図な買収・拡大……やがて資金不足に陥り、社員からの出資募集を実施、2003年には備品の盗難事件が頻発、リストラ、そして2004年7月、創業者の張曙光が蒸発した。
[bigsmile]中国のPCハード業界の過当競争はもの凄いわけですが、このケースはむしろ創業者の直販政策の失敗と、金を湯水の如く使いメンツばかり考えてた、ってところに問題があったみたいですね。盗まれた備品、経営陣に持ち逃げじゃないか、って書きぶりですが、ありがちだなー。
“高精細時代”は“仮想時代”か
オリンピック前後に盛り上がった、大型・高精細テレビに関する話題。“中国に高精細時代が訪れた”というキャッチコピーは出鱈目で、中国メーカーが国家規格の制定を前に大いに喧伝して売り上げを伸ばしたが、国家規格が頒布されると、画面縦横比・走査線数等の基準を満たしたものはなく、看板をおろさざるをえなくなった。
[bigsmile]おそらく、アメリカのダンピング裁定で大打撃を受けたテレビメーカー各社が、国内売り上げアップのために企んだことなのでしょう。記事にも書かれていますが、こうやって人を騙すようなことをやってしまうと、将来の本当の高精細(日本で言うハイビジョンですな)時代が訪れたときに不利になることでしょう。
デジタルテレビの憂い:コンテンツなき饗宴
9月1日、中央テレビ局の六つのデジタルチャンネルが登場した。しかし、北京で一年前からおこなわれた実験放送は、さまざまな問題から視聴者は増えず、コンテンツも乏しかった。正式放送が始まっても、問題は解決されていない。各テレビ局も、従来のチャンネルを埋めるコンテンツにすら苦労している状態である。有料放送も、北京唯一のCATVプロバイダー華歌と中央テレビ局とが別のスクランブル方式を採用しているため、北京の視聴者が視聴できない。前途有望とされるデジタル放送ビジネスは、産みの苦しみのさなかである。
[bigsmile]中国のテレビ、大都市部ではCATV化されていて、全国の放送局の番組が合計40チャンネルくらい入るのですが、どれも似たり寄ったりの内容で、同じドラマが局に時間差放送されているようなケースが大半であるため、魅力に乏しいんですよねえ。放送分野も、ある程度の市場化・自由化が必要な時代にさしかかっている、ということでしょう。
オンライン音楽の巨大なパイ
iTunesの成功によって、アメリカではオンライン音楽配信サービスへの参入が相次いでいる。音楽配信と専用ハード・ソフト、その両方で儲けるというビジネスモデルであるが、中国では、違法音楽配信サイトがビジネスモデル導入のボトルネックとなっている。2004/04/25にはワーナー社が中国最大の音楽DLサイト音楽極限に勝訴するなど、海外企業の動きも活発化してきているが、オンライン音楽ビジネスの成立には、知的財産権意識の普及が必須である。
[bigsmile]中国のソフト業界は、コンピュータ・音楽を問わず、猖獗を極める海賊版に大いに打撃を受けているわけです。ネットでなくても、そこら中で海賊版音楽CDも売ってるからねえ。

2004/9/21 (火)

互聯網週刊 04/09/20 斜め読み

今週号は、読み応えのある記事が多いですねえ。

特集:カラーテレビ業界を“平ら”げる

中国国内の大手家電販売各社が、フラットディスプレイテレビの販売に本腰を入れ始めている。オリンピック期間に、プラズマテレビ・液晶テレビの売り上げはそれぞれ2.5倍・3倍に達した。技術を握る海外メーカーの攻勢も強まっている。中国国内のテレビメーカーが、一時代を築いたCRTから順調に新世代技術への対応を進められるかは、予断を許さない。

ニュース・記事
張衛星、国資委を告訴
頤和財経主席研究員で“中国株式市場の主席民間思想家”の異名を持つ張衛星氏が、広伝媒流通株主として国資委を告訴。同委員会は7月に、大株主による横領・未払が企業活動に支障をきたしている問題の解決を図り株式の債権転換措置を打ち出した。広伝媒流通社の同制度を実施に対して、実施の必要性が少なく、株主の利益を損ねたというもの。
[bigsmile]企業の利益は保護されるが、庶民の利益は保護されにくい、というのは何処も同じですが、市場経済にあわせたシステム構築が途上の中国では、それがいっそう極端なんですよねえ。ま、これも、中国株に手を出すのが如何に危険であるかを示す一つの事例ですな。
3G携帯番号、割り当て完了
来年度にも導入が予定される中国の3G携帯、どの電話番号領域を割り当てるか決定した模様。
膠着状態の中、HDV突然の攻勢
EDV?HDV?HVD?、中国の次世代高精度DVD規格戦争が三つ巴の泥沼に陥る中、HDV陣営がコーデックのアルゴリズムHD12をネット公開、海外企業の検証を受け入れると発表。HDVを国際デファクトスタンダード化する戦略の第一歩か。中国の次世代DVD規格に関しては、EDV陣営が長らくリードしていたが、その“先ず規格化を取り、次に市場を奪う”という戦略につけ込んだHDV・HVD両陣営は、自社製テレビとのバンドルなどの大規模市場攻勢をかけ、驚くべき成果を挙げている。
[bigsmile]でもさ、HDVやHVDを買っても、ソフトはVCDかDVDしか無いからねえ……。ソフトベンダを押さえていない以上、DVD互換を外せない、ということはDVDと国産次世代DVD規格の特許料二重払いで逆に中国メーカーには不利になる、という予測もあります。
聯想、オリンピック一番鎗
聯想が中国のオリンピックTOPプロジェクトの、中国企業初のオフィシャルパートナーになったが、主力のPC本体ではなく、プリンタ分野が選ばれた。中国を代表するプリンタメーカーとして、国内外の知名度を高めるねらいがあるものと思われる。
[bigsmile]聯想のプリンタは使ったことがないから、どんなモノかはわからないなあ。でも、199元のインクジェット、499元の複合機、4888元のカラーレーザーという価格的魅力は大きいかも。
ネット広告の再構築
中国の大手ポータル各社が、ポップアップの排除など、ネット広告のあり方の見直しを相次いで表明している。ネット広告は、携帯ショートメッセージサービスに次ぐポータルサイトの主要収入源で、 新浪では営業収入の32%を、捜狐?では総収入の49%を占める。しかし、中国ポータルのインターフェイスはポップアップや公告地雷が大量に敷設されていて使いにくく、ユーザーにも不評であることから、各社とも、新たな公告方式への転換を迫られているようだ。
[bigsmile]中国のネットワーカーも、やっぱりあのインターフェイスは嫌いだったのね。中華的ゴテゴテではなく、商売主義的ゴテゴテだったということか。
日韓携帯急成長の秘密
サムソン・LG・ソニーエリクソンなどの携帯のシェアが急拡大中。その商品戦略に中国メーカーは学ぶことができるか。
[bigsmile]「携帯チップの特許などの核心技術を押さえているわけではなく、核心技術の応用という面で成功を収めている」という指摘が、中国の拿来主義や独自規格狂想曲へのよい批判になっていてグッド。
民生銀行:携帯を財布に
8/31に、中国民生銀行と中国移動?が共同で、新たに“携帯財布”業務をリリースするとともに、携帯による宝くじ・保険・雑誌閲覧・などの支払い・財務・消費サービスの提供を開始。“携帯財布”はショートメッセージによる支払いシステム。当面は、プリペイドのポイント・宝くじ・新聞雑誌などの無体物販売に限定。
[bigsmile]日本のsuikaを軸とした、非接触ICによる電子マネーとはかなり様相が異なっていますなあ。
世界をひっくり返す“自由主義の教皇”ライナス
李纳斯・托瓦兹(Linus Torvalds)
[bigsmile]ライナス・トーバルズの中国語表記の覚え書きとして。

2004/9/20 (月)

ネトゲ封神榜

中国トップシェアワープロのWPSで知られる金山公司、 ここのところのソフトウエア不況のおかげで、 ついにネットワークサービスプロバイダに看板を掛け替えた、というのはJJ5にレビューしたのですが、 そのゲーム分野の最新作がβテスト中です。ズバリ『封神榜』、『封神演義』ってことです。 興味ある方は、公式サイトにいろいろ画像が上がってますので、楽しんでみてください。ネトゲだけに、二郎とかナタ坊とか、そういう メジャーなキャラは登場しませんが(笑)。

「中国ネットゲームの『ロード ・オブ・ザ・リング』、太古の神話演義」ってコピーがいーですねー(笑)。それにしても、近頃は武侠ドラマも そうですが、近頃のキャラデザインはホントにローマ風ねえ、殷周から明清まで。テレビドラマは歴史から逸脱してはいけない って法律があり、審査が厳しいって話も聞くし、ゲームも某艦隊みたいな日本軍が勝利しうるようなゲームにはうるさい らしいけど、しかしこういうデザインは許されるってのも、恣意的といえば恣意的よねえ(笑)。

βテスト、誰もが参加できるようですねえ。興味をお持ちの方は試してみては?たぶん中国国内からしか繋がらないのでしょうけど。

私は、もちろん遠慮しときます(笑)。

2004/9/19 (日)

昨日の9.18、日本では中国各地の抗議行動が報道されているが、しかし一方で、北京青年報に「“9・18”を“開店日”にすべきではない」という記事がのっていた。

なんでも、「918(jiuyaoba)」は「就要発(jiuyaofa)」に通じて縁起がよいと、この日を開店日に選ぶ店が増えているそうだ。それに対して、ある読者は、国恥の日を商売に使うとは気分が悪い、と言い、店側は、国恥記念日を記念して開店するのだと答え……。

日本では、中国の国粋主義化・反日化が非常に大きく報道されているが、しかしそれは、日本で右翼街宣車が軍歌を流して軍事国家化を叫んだところで、彼らの主張は決して日本人を代表するものではない、というのと同様のことなのである(一部政治勢力が彼らを利用しているらしい、というのも)。中国にしても、過去の侵略者日本を徹底して嫌う人がいるのは当然のことであるし、その一方で、柳条湖事件記念日を数字あわせで縁起がいいと商売のダシに使う店が続出、というのもまた現実なのだ。このあたりを見誤らないようにしないといけない。


旅行中でチェックを入れていなかったのだが、9/9に上海市場株が大暴落、史上最低価格を更新したようだ。日本で中国株に手を出して泣きを見た人は多いのではないか?そう、世界の流れとは別個にこういうコトが起こるから、中国株など手を出さない方がいいんだ、と改めて強調しておく。

2004/9/18 (土)

互聯網週刊 04/09/13号 斜め読み
20040913fm.jpg
特集:PC乱世

20年の歴史を持つ中国のPCハードウエア業界が、いよいよ大変革の時代を迎えつつある。 市場の飽和、安売り合戦、それにともなうAMDのシェア拡大、量から質への転換の動き等々、業界再編は不可避の情勢。

ニュース・記事
オンライン著作権保護に間もなく法的根拠が
9/6に国家版権局副局長が語ったところによると、インターネット上の著作権保護問題は国家立法計画に入っており、新法では著作権保護がネットワーク上にまで広げられる、とのこと。ネット上の著作については、著作権管理組織を作ってとか、アメリカのミレニアム法をまねているそうです。
[bigsmile]んー、しかしまだ存在しない管理組織が、ただちに立ち上がって管理機能を発揮することはありえないんじゃないかな?問題解決には遠そうな予感。
郵貯分離の動きがあきらかに
中国でも日本同様、郵貯の郵政からの独立を政府が考えているのではないかとの観測が。中国郵貯は86年成立、店舗網を生かして顧客を獲得、預金は人民銀行に預けられる方式。一般の商業銀行より2%利息が高い保護政策で成長したが、民業圧迫もあり、高利息政策は既に取り消されているとのこと。
電力線ネットーワーク接続は「生存許可証」待ち
電力線によるインターネット接続サービス、中国でも既に実証実験を開始しているが、電力使用ピーク時に接続できない、セキュリティーなどの問題も明らかになってきている。
不運急を告げる電子市場
中関村ではあらたな電脳城、鼎好・NOVAの出現によって、売り場面積が数倍増、特に今春オープンしたNOVAはテナントが埋まらず、はからずも中関村電子市場の歴史的転換点を体現してしまっている。テナントもメーカーや電器チェーンの直営はほんのわずかで、大半が個人経営、しかも個性に欠けており、売り上げも伸び悩んでいる。似たような現象は全国の大都市に見られ、電脳城はメーカーやテナントと利益調整しつついかに利益を上げるかという難題に直面している。
苦難を味わう国産携帯
短期集中連載の第一回。中国国産携帯メーカーは、2003年に国内シェアで外資系メーカーを上回ったが、販売網の整備というアドバンテージが失われつつあり、またデザイン力などの商品開発能力の低さもあいまって、シェアを落としている。淘汰が避けられない状況の中、各企業は技術開発などに力を注ぎつつある。
コラム:知的財産権保護の名目で
著作権などの知的財産権保護の大切さは認めつつも、既存の知的財産権が先進国と発展途上国の貧富の差を固定する道具としての側面を持つことを指摘。
長安大戯院夜戯
  • 北京京劇院
珠簾寨
杜鎮傑
李克用
王蓉蓉
曹月娥
李宏図
李嗣源
韓勝存
程敬思

珠簾寨、唱段は勿論何度も聞いていますが、生で通しで見るのは初めてでした。李克用が恐妻家で、維新民権で女と靴下が強くなった(超訳)みたいに唱う、意外とおちゃらけた劇だったんですねえ(笑)。

さて、杜鎮傑、楊派っぽく枯れた感じがいいですね。声の奥行きは今ひとつだけど、しかし、いい感じです。王蓉蓉、やはり声の艶と奥深さは絶品ですね。梅・張系の青衣の中では、今は彼女が北京一といっていいでしょう。扮相は今ひとつだけど。彼女への拍手が一番大きかったですねえ。もっとも、一カ所、歌詞をとちっていたけど。

そのほかでは、丑の馬増寿が良かったです。彼も大ベテランの域に達していますが、なかなか風格が出てきていました。李宏図は、あいかわらずイマイチ。大根とは言いませんが、声の張り・ツヤが足りない。劇団管理よりも唱にまずは集中すべきでしょうな。

客の入りは一回で七割くらい。なかなかですね。好もよく飛んでいました。

ところで北京京劇院、現在は一団・二団・梅劇団の三団構成にまで縮小してしまったんですねえ。昔の六団+α構成時代とは隔世です。北京京劇院は観光公演ばかりなので、まっとうな公演を見たのは久々でしたが、ひとまず老戯をキチンと演じられる陣容も維持されており、縮小均衡できてはいるようで。

2004/9/16 (木)

中文電脳/Becky!2で多言語を、最新のB2.11に基づき改訂しました。多言語の件名・署名関連の変更が大きいです。

2004/9/13 (月)

ピンインマクロをアップデートしました。Word 2003でも使えるように手直し。

2004/9/12 (日)

北京帰着

2004/9/10 (金)

山外山?で夕食。

2004/9/8 (水)

列車で杭州に。楼外楼?で夕食。

2004/9/5 (日)

上海に。上海は二年ぶり、人民広場より西まで歩いたのは約10年ぶり。人民広場周辺の変貌は、やはりビックリさせられます。

こうして、モータリゼーションが進行すると、上海という都市が租界という馬車文化のベースに出来ていた都市であることを再認識させられます。また、東西交通に比べて南北交通が弱いという、租界発展の歴史をそのまま反映した交通状況も。

ホテルの裏の小紹興で夕食。白切鶏は美味いが、その他は大したことない。

2004/9/4 (土)

H氏とその元教え子と、長安娯楽城内の夜上海?で夕食。まあまあいける。

2004/9/3 (金)

西域食府?人大店で羊。前よりも味が落ちたような。

2004/9/2 (木)

鴨王で烤鴨。

2004/9/1 (水)

中国都市芸能研究会?第五十回例会@北大中文系。

夜は白家大宅門?で宴会。

2004/8/31 (火)

金鼎軒?で子ブタの丸焼き。

2004/8/5 (木)

長安大戯院夜戯
擋馬
臨江会
  • 中国京劇院

2004/8/4 (水)

長安大戯院夜戯
罷宴
八仙過海
  • 中国京劇院

2004/8/3 (火)

長安大戯院夜戯
打店
小花田
鍘美案
  • 中国京劇院

2004/8/2 (月)

長安大戯院夜戯
扈家莊
天女散華
鬧天宮
  • 中国京劇院

2004/8/1 (日)

長安大戯院夜戯
  • 中国京劇院
売水
呂慧敏
梅英

呂慧敏、手足も良く動いて型どおりにはしっかりと演じられていましたが、しかし、今ひとつ足りない感じですねえ。言葉にしにくいんだけど、速い動きの中のメリハリが足りないと言えばいいかな、どうも全体に流れすぎているというか。それと、型を演じきった、その先にあらわれるべき人物表現がまだ見えないんですよねえ。まあ、悪くはないので、後は練り上げに期待ですね。

赤桑鎮
魏積軍
包拯
畢楊
呉妙貞

包公案をみると、どうしても現在中国の汚職問題などに考えが及んでしまうのですが、まあ、そのあたりはおいておいて。

魏積軍、悪くはないけど、良くもないですね。もう少し声量がほしいですねえ。畢楊、二団の老旦よりはいいけど、しかしやはりまだパワフルさが足りない。声もちょっと薄いかなあ。

楊門女将・探谷破谷
鄧敏
穆桂英

鄧敏にはもとより期待をしていないのですが、それにしても頂けなかったなあ。彼女、青衣としては声が薄っぺらくて評価していないのですが、元武生だけに武打はいけるのかな、と思っていたら、これもイマイチの感を懐きました。なんつーか、軸が高いんだよねえ。足さばきも、どうしてもしずしずしないし。

また、この劇、作られた年代から様板戲っぽさがあるんですが、でもこういう老戲舞台で上演する場合は、もう少し舞台の登場人数を絞るなど、演出を考えた方がいいように思えます。

2004/7/28 (水)

西安-北京

2004/7/27 (火)

西安

2004/7/26 (月)

華陰-西安

2004/7/25 (日)

華県

2004/7/24 (土)

侯馬

2004/7/23 (金)

臨汾

2004/7/22 (木)

孝義

2004/7/21 (水)

北京-太原

2004/7/19 (月)

漢字文献情報処理研究会2004夏期公開講座
東洋学情報化と著作権問題II
  • 日時:2004年7月19日(祝)13:00-17:00
  • 会場:早稲田大学国際会議場4F 共同研究室(7)
    http://www.waseda.jp/jp/campus/nishiwaseda.html
  • 講師
    • 石岡克俊氏(慶應義塾大学産業研究所助教授)
    • 笹井真也氏(丸善学術情報ナビゲーション事業部企画担当部長)

本年度は慶応大学の石岡克俊氏に加え、丸善で著作権関係の業務を担当し ておられる笹井真也氏を講師としてお招きすることになりました。著作権の 法構造からの分析に加え、実務処理上の問題点も明らかになるのではないか と思います。三連休の最終日ですが、どうぞ奮ってご参加ください。

  • 入場無料(但し非会員は資料代として500円申し受けます。)
  • 要申し込み(フォーム:http://www.jaet.gr.jp/meeting-form.html)
  • 18:00より懇親会を行います(要申し込み)
    • 場所:「地酒や鷹ばん」新宿区西早稲田1-19-16 電話:03-5273-3835
    • 会費:一般 6,000円、学生 4,000円

著作権に関する質問を募集しています。お寄せいただいた質問は当日講師 の方を交えて検討する材料にさせていただきます。質問のある会員の方は BBSに質問を書き込んでいいただきますようお願いいたします。
http://jaet.gr.jp/JAET-BBS/contents.cgi?room=ac3&mes=698

2004/7/13 (火)

『瞭望東方周刊』レポート

《瞭望东方周刊》2004年第27期に〈四、六级考试作弊利益链调查〉および〈严肃的考试制度何以堕落〉というショッキングなレポートが載っている。

まず前者は、吉林で実際に大学英語四・六級試験の替え玉受験の「枪手(ガンマン)」と接触・調査したレポート。

ある優秀な院生は、これまでに三度の大学院入試、二度の司法試験のガンマンをつとめて、全て合格、院は二万元、司法試験は四万元、英語四級は額が小さいので、院入試のおまけにつけている。

別のガンマンは、英語四級は1500元、六級は2500元、これまで八回やって全て合格。四平市の裁判所長の代理で六級を受けたこともある。

吉林大などの重点大学の学生・院生がガンマンの供給地で、シーズンになると、英語学科の学生・院生たちは大半が予約を受けて、午前四級・午後六級をこなす。

替え玉受験の仲介を行う企業も出てきている。新聞の家庭教師広告で「最短期間で絶対合格!」などとあるのがそれである。

不正受験の方法は二種類。一つは、替え玉受験。偽の身分証明書を利用する。江南の偽証明書の方が質が高いのでオススメ。はじめから入れ替わって受験する場合と、試験開始後に入れ替わり、終了前にもとに戻るやり方がある。もう一つは問題の不正入手。試験開始後、試験場外から携帯で解答を送信する。

程度の高くない非重点大学では、学生募集・集金に難儀している。このため、社会人の英語四・六級試験受験料収入がほしい。また、大学のランク付けが英語試験合格率で行われるため、合格率向上のために試験監督が甘くなる。吉林では吉林電大が一番甘い。

後者は、試験制度の問題を論じたものである。英語四・六級試験が大学卒業および就職の条件とされていることから、英語に興味のない学生まで受験しなくてはならず、負担が大きいことを指摘している。また、ガンマンの業務範囲は、英語試験のみならず、社会人大学受験・大学院受験・コンピュータ試験・TOEFLIELTSにまで及んでいるそうだ。

これぞ、学術腐敗・倫理無き市場経済化の極致と言うべきであろう。試験負担が重いのは確かにその通りであろう。しかし、問題は、試験監督者(=教員)・受験生(およびその家族)のモラルの低さ、それと、試験実施方法の甘さであろう。日本の入試や資格試験では、途中退出が認められることはまずあり得ない。しかし、中国では、途中退出に関する制限が設けられたのは今年からである。また、携帯通信機器のスイッチは全て切らせ、机の下には荷物を置かせないものであるが、中国ではそのような制限は無いようである。また、学生は自分の大学で試験をうけるようだが、これも、試験会場をランダムに割り当てる、などの対策が必要であろう(それでも、試験監督(=教員)間の談合事件は起こりそうだが)。

しかし不思議なのは、大学にせよ企業にせよ、証明書に頼らず、自ら必要な人材を選び取るという姿勢が日本ほど明確でない点である。日本では、入試問題はその大学がいかなる学生を集めたいかというメッセージであると理解されている(少なくとも、私のところでは)。ところが中国では、不正の横行する統一試験の成績のみで学生を選び取る。企業も、英語力が本当に必要とされているのであれば、キチンと試験を課すはずである(逆に、大半の企業では、国家・大学が要求するほどの英語力は必要とされていない、ということなのかもしれないが)。

このような現状がある以上、我々が中国からの人材を受け入れる際には、勢い慎重にならざるを得まい。ネットで認証できる重点大学の卒業証書以外は信用せず、日本側担当者の立ち会いのもとに行われた試験以外は成績判断に用いない、くらいのことは必要であろう。

海外がこぞってこのような対策を取りだしたとき、一番損をするのは中国と中国の学術・教育界自身なのである。国民性とはいえ、短絡的に目の前の利益のみを追いかけるのは、いい加減にしてもらいたいものだ。

2004/7/9 (金)

『影戯説』完成

技術的トラブルで遅れていた『影戲說—北京皮影之歷史、文化與美術』(劉季霖著、好文出版)がようやく刷り上がりました。

Windows対応出力屋にInDesign入稿しても、結局、Adobe Japanに収録されない文字が上手く 出ないことが判明。私が印刷屋に行けば、すぐに原因を究明して対応できたんだけど、そうも いかなかったんで、版下入稿への切り替え判断が遅れてしまった。

しかし、いくらソフトが多言語対応しても、結局、最後のフィルム出力の壁が破られない限り、 理想の環境にはならないんだよねえ(涙)。まだまだ途は遠いようで。

2004/7/8 (木)

過積載取り締まり

今日の北京青年報に載ってました。

全国で、6/20から過積載の取り締まりが強化され、一回あたり一千元の罰金をとられるようになった。一方、トラックの運送料は安すぎて、過積載してようやくもとがとれる。しかし、罰金を取られたら大赤字なので、しばらく様子見で運ばない、という問題が発生しているそうです。 トラックの輸送経費は、以前より数割高くなっており、野菜の小売価格も三割ほど上がっているんだとか。

トラックの過積載は日本でも問題になりますが、中国のはやり方が違いますからねえ。積めるだけ積んでしまう。二倍三倍は当たりまえ。だから、トラックもしょっちゅう転がったり故障したりする。これを取り締まるのは、当然のことでしょう。日本にもまして、中国は交通・輸送コストが、ムリして圧縮されている傾向が強いわけですが、ぼちぼちそういう体制がほころびつつある、ってことでしょう。

2004/7/5 (月)

縱ゐきβ版配布開始

人柱があらわれないので、β版配布開始。スタイルシートもほぼ固まったし、Wikiの昨日そのものはUniWikiと同じなので、致命的エラーは生じないだろうと。でも、まだ未解決の問題もちょっとあるんですけどね。

まず、漢字の後ろが句読点の時の送りがな位置。これ、Perl5.8だと、句読点の横に持ってこれるんだけど、古いのだとダメ。ので、送りがな行の後に句読点、ということになってます。

あとは、印刷対応の充実かなあ。アレをPDFなりに出力して切り貼りすれば、結構普通のドキュメントにも転用できるんじゃないかなあ、と。だから、B5・A4にあわせた、メインコンテンツ部分のみの印刷画面などを作れると理想かなと。

ホントは、ページによって横組み・縦組み切り替え可能なWikiとかも面白いと思うけど、まあ、複数のWikiを併用すれば大丈夫だしね。

2004/7/1 (木)

縱ゐきα版公開

自分で使わない訓点マクロなんぞをつくって配布している因果で、しろとら氏に去年のJAET 大会でWebにおける訓点文流通方法について聞かれたりしちゃって、あーあ、だったんですが、 二三日前、フト、ブロックの配置は計算が面倒でやりたくないけど、縦書きhtmlでテーブル を使っていろいろ誤魔化せば、左右ルビもどきは実現できそうだと思いつき、そうしたHTMLを生成すたり、 データを簡単に交換できるようにするにはWikiがベスト、とて、昨日今日で一気呵成に 開発(というかモディファイ)したのがこの縱ゐき

それにしても、縦書きHTMLはいろいろとクセがある。

まず、ワードラップ。デフォルトだと十文字くらいの高さで文字が折り返してしまう。 この問題は、divでボックスの縦横を指定することで解決。ただ、コレもクセがあり、IE、ミニマム縦横幅の設定を受け付けてくれず、やむなく縦横をそのまま指定。でも、実質的にミニマム指定と同様になるのね。これは、IEの仕様みたいですね。

次に問題になるのが、縦書きタグをどの要素に付加するか。特に訓点用の縱テーブルが中揃えになってしまう現象が発生したのだが、これは、tableタグには縦書き定義をせず、前後にspan タグで縦書きを指定することで解決。

どうしても上手くいかないのが、セルの中の文字寄せ。左右と上下が転がっているので、わかりにくいことこの上ない。しかも、幾ら指定しても、文字がうまく動かない(涙)。マージンもそう。おかげで、見出しの枠線と文字の間隔が少々おかしい。これは、ズレが目立たないスタイルに変更するのが一番でしょう。

まーいろいろと問題はありそうですが、人柱にご協力頂けたら幸い(笑)。それにしても、またつまらぬものを作ってしまった。自分では使わないのに……。

2004/6/29 (火)

『大唐秦王詞話』全文テキストデータを公開しました。書同文委託データの異体字を機械的にユニファイし、書式を整えただけ。

2004/6/26 (土)

戦奇豫劇団

本日の梨園週刊によると、北京に解放後初の豫劇団が成立したんだとか。国営劇団と同様の大規模劇団らしく、現代劇もやるらしいけど、はたしてそれで経営がもつのかいなあ。ひとまず、旗揚げ公演は見に行かねば。

『説唐全伝』全文テキストデータ公開

科研費による書同文委託データです。異体字はユニファイしましたが、句点は打っていません。

2004/6/23 (水)

演劇上演とチケットの価格

今日の人民日報に「叩问中国演出市场 为什么与期望不一样」という評論 がでていました。中国の演劇上演の問題が語れていて、なかなか面白い。

この間の国際演出季の「キャッツ」は、失敗だったんだそうです。それは、 本来、小中劇場での上演がふさわしいのに、コストの問題から人民大会堂 の1万人規模劇場が使用され、効果が全然得られなかったこと、 メディアのリリース垂れ流しの過剰報道などが原因だったとか。

その上で、演劇やオペラ上演における高額なチケット代の問題、招待券の乱発 などを解消し、商業演劇上演の適正な定着をはからねばならない、みたいな論調です。

これと、5/16の北京青年報の劇団四季レポートを並べると、中国の商業演劇で何が問題になっているのかがよく 見えてきます。

これは、国家の支援を受ける伝統劇にも在る程度共通した問題です。山西で聞いたところでは、 公営劇団は、新作劇コスト、膨大な劇団員の維持などの必要から、上演コストがどうしても かさんでしまう。その間隙を縫うように、小規模な私営劇団が増加しており、なかなか儲かっ ているんだそうです。

中国におけるショウビジネスは、産みの苦しみを味わっているところだ、と言えるでしょう。

2004/6/22 (火)

後輩のS氏、その同僚のH氏と鴨王@建国門。燕京アイスビールを初めて飲む。美味。

2004/6/21 (月)

英語四級考試問題漏洩事件

6/20に実施された大学共通英語実力試験、替え玉受験防止のため、 身分証明書・学生証・受験証の携行を義務づけるなど、それなりに対策が とられていたようですが、しかし、やはり問題の漏洩が発生していました。

北京青年報によると、試験終了後、ある受験生が、前日、某BBSに、この英語の問題の模範答案つくってよ、と書き込まれていたのと同じ問題が実際に出題された、と訴え出たとのこと。また、武漢では、実力試験ではあり得ないカンペ持ち込みが発覚、問題と対応する解答が書かれており、しかも同様のカンペ持ち込み者が7名発見されとのこと。事件は目下調査中ですが、問題のカキコのIPの南寧、今年の出題担当だった上海などにいろいろと飛び火している模様です。

それにしても、湖南での高校受験問題漏洩のニュースなどを見るにつけ、教育腐敗の根深さを感じます。

問題の第一は、目前の利益のみを追求する学生・教育関係者の存在です。中国の某PC雑誌に、現在の中国の市場経済化は、アダム・スミスの『国富論』ばかりを喧伝し『道徳情操論』に言及しない経済学者にミスリードされた結果、個人の利益追求が過度に重視され、犯罪すらもいとわない悪しき風潮をもたらした、というしごくまっとうな評論が載っていましたが、試験不正問題はその教育現場におけるあらわれと言えます。試験問題を事前に盗み見て、学生を集めて有料の特別講義を開催すれば、それはお金はもうかるし学生の試験成績=教育実績も上がるので、一石二鳥だと思うのでしょう。しかし、そのために大学どころか中国の教育システム全般の信頼が損なわれることは、中長期的に中国の学生や教育機関に甚大な損失をもたらすでしょう。また、そのような教育を受けて育った若者は、招来どのような人物になるのでしょうか?

こういった「学術腐敗」の背景には、教員給与の安さ、大学における過度の業績主義の導入といった中国の教育界がかかえる懸案があるのも確かです

一方、中国の試験や試験制度、そのものにも問題があるものと思われます。漏洩した英作文の問題は、

A brief introduction to tourist attract

自由作文問題です。高考の問題もそうですが、全般に中国の試験問題は概してこの種の自由作文が多く出題され、日本の各種試験とはかなり様子がことなるような印象をうけます。その意味では、出題側にも工夫の余地が多いと言えるでしょう。

また、試験主催者と試験会場についても、再考の余地があるでしょう。高考(大学入試)の会場は、それぞれの受験生の所属する高校、英語四級考試も大学で実施されます。通常の人間関係の延長で重要な試験が実施されることになるわけです。このため、不正が発生する余地が高くなります。 試験の入退出や物品持ち込みなどの規則も、日本の大学入試などにくらべて遥かに甘いようです。

これらの問題を、政府あるいは教育界がいかに解決していくのか、今後の具体策に注目していきたいと思います。

2004/6/19 (土)

鴨王中関村店で夕食。

2004/6/6 (日)

長安大戯院夜戯
四郎探母
  • 中国京劇院二団
于魁智
楊四郎
李勝素
鉄鏡公主
管波
鉄鏡公主(盗令)
李海燕
蕭太后
江其虎
楊宗保
郭瑤瑤
佘太君

コンダクターの伎倆が運命で計られるのと同様、京劇役者の伎倆は『四郎探母』 でよくわかりますねえ。

この公演のメンバーの中で、もっとも輝いていたのは江其虎でした。彼の喉は、 高音が良く通りながらも厚みがあり力もあり、私がこれまで聴いた小生の唱腔の 中でもベストといってよい素晴らしさでした。巡営は本当に拍手が絶えませんで した。

于魁智は、まあ手慣れた様子で演じていましたね。嘎調も決まってました。ただ、 被擒のトンボは、前ほどきれいではなくなってました。そういえば、エラのあた りとか前より若干肉付きが良くなったような?もっとも、もとがガリガリでした からねえ。

そういえば彼、見 娘のシーンで佘太君を見た途端に跪く演出を90年代後半に試みていましたが、今回 は普通に、あれだ~れ?って六郎に尋ねていました。まあ、四郎は忘恩不義野郎 って扱いですから、この方がキャラクターには合っているわけですが。この点、 中国京劇院演出本では省略される見妻の一折は、やはり必要ですねえ。

李勝素、坐宮で楊四郎が本名を告げるところ、「駙馬、楊什麼?」ではなく「駙馬、別著急、 慢慢兒說吧」と言ってますねえ。こういう歌詞の流派があるのか、それとも彼女のオリジナルか。いずれにせよ、これは間合いが伸びるし、内容も落ち着き過ぎていて緊迫感に欠け良ろしくない。

李海燕、今まで排練しか見たことが無く、舞台で見るのは初めてでした。 ただ彼女、スタイルが良く細身なので、蕭太后には今ひとつ合いませんねえ。 冷たさを帯びた笑みが上手く表現できず、今ひとつ威厳が出ない。 以前の中国京劇院では馬小曼がいつも演じていましたが、あのくらい貫禄があっ た方がそれらしい。でも、太りなさい、とは言えませんからね、芸でなんとかカ バーできるよう頑張ってもらいたいですね。閑話休題、彼女は 声は出ていたし悪くはないのですが、やはり低音の厚さで火丁には一歩二歩譲り ますね。

管波と郭瑤瑤は今ひとつ。特に郭瑤瑤は扮相もよろしくないし、唱もパワフルさが 足りません。老旦は、どうも世代毎に力強さが減じて線が細くなっているような気 がしてなりません。

客はほぼ満席、喝彩もだいぶん飛んでいましたが、やはりタイミングにぴたりと 飛ばす人は少なかったでえすが。しかし、于魁智に李勝素をそろえても、張火丁専場 の喝彩には遥かに及ばないのですねえ。やはり、程派・火丁人気は相当に異常、 ってことでしょう。

2004/6/5 (土)

長安大戯院夜戯
鳳還巣
  • 中国京劇院二団
李勝素
程雪娥
張威
穆居易
鄭岩
朱煥然
陳国森
程雪雁

近頃は、京劇のストーリーや唱腔を味わえる観客が少なくなったせいか、俗受け しやすい情節戯である『鳳還巣』をよくやりますねえ。

李勝素をじっくり聴くのはたぶん初めてです。もしかすると数年前に聴いている かもしれませんが、特に印象が残っていません。彼女は、声量 もあるし、高音の張りもあるし、扮相もよいのですが、ただ少々 声質が薄いですねえ。火丁を聞いた後だから余計そう感じるのかも知れませんが。

陳国森は、喉がイマイチですねえ。唱は、甩唱ごとに、最後を低音の割れた声で 誤魔化していたけれど、一回くらいは高音を響かせないと効果が今ひとつになっ てしまいます。水袖も今ひとつ決まってませんでした。

公演全般としては、悪くない出来ではありました。まあ、この劇は客受けするか ら、よほどのポカをしない限り、いい雰囲気で見れますからねえ。

客の入りは8分程度、李勝素のカンバンは、やはり于魁智や張火丁よりも一段落 ちるようですね。

訃報

本日の梨園週刊によると、今月一日に豫劇皇后こと常香玉が逝去したとのこと。 演劇史の生き証人がまた一人……。合掌。

2004/6/4 (金)

長安大戯院夜戯
五子胥
  • 中国京劇院二団
于魁智
伍子胥
李勝素
浣紗女
孟広禄
王僚
楊赤
専緒

于魁智の十八番ですが、見るのは初めてです。まあ、前半は「文昭関」、後半は 「浣紗記」という二つの楊派名劇をくっつけたものですね。

于魁智は、声量や声の奥行きは相変わらずなのですが、高音に多少引っかかるよ うなざらつくような感じがありました。彼ももう42・3ですねえ、張学津が喉は 二十代がベスト、三十代、四十代と落ちている、と評されていたのを思い出しま した。或いは、山東公演直後で疲れていたのかも知れませんが、いずれにせよ少 々気になりますねえ。

そのほかでは、天津の孟広禄が良かったです。做・唱ともに申し分なし。

客はほぼ満席でした。しかし、漁翁や浣紗女が投江するところでは、何で死ぬの、 みたいにザワザワ。うーん、古典もお話も知らない人が多いんだなあ。

この公演、于魁智の登場前後で、二階の桟敷あたりで大騒ぎする連中が居て、大 迷惑。まあ、その前から字幕が出ないで客席が全般にざわついていたいんだけど。 で、CCTVの録画が入っていたので、于魁智がカーテンコールでわびのスピーチを して、騒がしかった十分前後を再演して録画になりました。なんか、その印象の 方が強烈に残った公演だったなあ。

2004/5/29 (土)

訃報

本日の信報梨園週刊によると、孫岳氏が癌のため25日に逝去されました。享年71歳。

思えば、四大徽班晋京二百周年直前期の北京には、老生の人材が揃っていたものです。譚派の譚元寿、馬派には張学津と馮志孝、余派の李崇善に耿其昌、高派の辛宝達、そして若手駆け出しの楊派于魁智……、その中でも実力一等地を抜いていたのは孫学と張学津の二人でしょう。

私のとって幸福だったのは、北京に留学して一番初めに見たのが孫岳の四郎探母だったことです。あの甘く豊かな嗓音と、吉祥戯院に詰めかけた観衆の熱気、あの空間を体験できなければ、私は戯迷にはならなかったでしょう。

孫岳を最後に見たのは、確か93年の春、人民劇場だったと思います。よもや、あれが最後になるとは……。

謹んでご冥福をお祈り致します。

長安大戯院夜戯
白蛇伝
  • 中国京劇院張火丁戯劇工作室+三団
  • 張火丁

前二日に比べて、客の入りは一番悪かったですねえ。といっても、九割方うまってましたが。

さて、この『白蛇伝』、『白蛇伝』と称しているように全ストーリーを二時間半でやってしまう超特急版です。近頃はこのタイプの蛇が多いですねえ。折子戯で一部分だけたっぷり、というのが逆に少ない。ちょっとねえ。このタイプの台本だと、場面転換がめまぐるしくなり、歌い上げ・立ち回り共にどうしても中途半端になってしまいます。この公演も、そのきらいはありました。

ただ、やはり主演張火丁というので、最後に断橋と合鉢の歌い上げを配しており、それは救われました。それにしても吃驚したのが、盗草と水漫、火丁、武打したよ。もちろん、打出手はないのですが、鎗刀を振り回してました。もちろん、専門ではないので腰高で息も上がってましたが、それでも手足はよく動いていました。文武崑乱不擋が役者の理想ですから、どんどんやるべきでしょう。

宋小川、声は出ますね。声の質は、もうちょっと厚いといいんだけど。

あとは、武生の張火千、なかなか体が切れますね。腿功も良かった。火丁の兄さんなんですね。知らなかった。

2004/5/28 (金)

長安大戯院夜戯
鎖麟嚢
  • 中国京劇院張火丁芸戯劇工作室+三団
  • 張火丁

さて、張火丁の十八番、程派名劇の鎖麟嚢です。彼女のこれを見るのは、六七年ぶり三度目じゃないかな。

彼女の声ですが、以前よりも低音が厚くなったように感じました。低音のピアニッシモの、真綿で心臓をくるまれて引っこ抜かれるような響きは、より一層磨きがかかってました。ダイナミックレンジの広さも相変わらず。

身のこなしですが、昔ほど背中を丸めなくなったんじゃないかな。アレは、昔の男旦、特に長身揃いだった程派の方々が背を低く見せるためのモノであって坤旦がやる必要は無い、という意見が強いようですが、しかし、胸を張って演じるよりもずっと青衣や閨門旦の雰囲気が出ていたのは確かです。

水袖も相変わらずきれいにまとめますねえ。一二カ所、ちょっと乱れたところもありましたが、全体としてホント、絵になってました。ただ行けないのが長安大戯院、シート席一列目だと、前の茶席の頭と舞台前の花が邪魔で、朱楼に登って鎖麟嚢を見る、座って水袖を伸ばす一番の見せ場がよく見えなかったぞ。相変わらず、地下のスポーツジムのバーベルの音なのかなあ、どしんという音も数回響いたし、音響も最悪だし、あのひどい劇場が伝統劇の殿堂であるというのは、本当に不幸なことだと思いますね。

さて、その外では李崇善が出ていました。が、流石に衰えましたねえ。拍手もまばら、聴かせることはできませんでした。

それにしても、今日の観客のノリは異常でした。みんな拍手したくてうずうずしてて、タイミングより早く拍手が入っちゃうほど。舞台も、衣装を換えて登場する毎に「好」だし。極めつけは、シメの西皮快板、なんと、手拍子が入りました。様板戯ならともかく、老戯で手拍子って……絶句。要するに、火丁はスター、というかアイドルなのねえ、今や。後ろの方の安い席から好を飛ばす若者もかなり居たし(もしかすると戯校の学生かもしれないけど)、花束を持って舞台を駆け上がるのも三四人、まあ、新たなコアな観客層が多少なりとも育っているってことでしょう。

ともあれ、今回こちらに来て初めて、ジンと痺れる上演でした。満足。

ところで、火丁、まえより頬のあたりがふくよかになったような?片子の具合でそう見えただけかな?

2004/5/27 (木)

長安大戯院夜戯
江姐
  • 中国京劇院張火丁戯劇工作室+三団
  • 張火丁

さて、張火丁です。私は彼女を見て、初めて程派の良さがわかりました。 李世済や張曼玲は昔の留学時代に何度か見ましたが、程派の劇を見る機会 は全然なかったんですよねえ。声もそろそろ衰えていたし。そこで、97年ころで したっけ、中国京劇院に引っこ抜かれた彼女を見て、その声量の幅と 声質の深さに感動した次第。

さて、江姐は程派現代京劇なんだそうです。同名歌劇からの改編で、あのへんが 専門の太太によると、小説『紅岩』が原作だとのこと。開放前夕、重慶周辺の紅 軍ゲリラ部隊に赴任した江姐が国民党にとらわれて、拷問にもめげず、開国大典 を前に殺される、っていうようなスジです。ですので、衣装は全てリアルなもの です。

近頃は、新作劇や現代劇がホント多いのですが、しかし、その中でもこの劇は出 来がいいほうだと感じました。というのは、程派の劇、と称しているように、唱 を聴かせることを主眼に劇が構成されているからです。この点、ストーリーや政 治的主張に偏ったものよりも、はるかに伝統劇として鑑賞できる構造になってい ます。『紅灯記』に似通った印象をうけるシーンも多かったですねえ。

火丁の衣装は旗袍、全体に動作は少なめで、立って唱うシーンが大半でした。喉は相変 わらず良いですねえ。やはり程派の低音の響きには、悲劇的女性が似合います。

ほかでは、王晶華が出ていましたが、こういう様板戯っぽい劇に彼女を出すのは、 ほとんど反則技でしょう。まあ、だからこそ紅灯記的な香りがするのかもしれま せんが。ただ、喉は、流石に90年代初頭あたりと比べて相当に衰えましたねえ。

役者の芸は楽しめたのですが、全体としては不満もかなりあります。まず音楽。 プログラムにMIDI作曲とかいうのが載ってるのを見てイヤな予感はしたのですが、 序曲・間奏曲的に流れるのが軒並みシンセサイザーのチープでチャチな音。興ざ めも甚だしい。アレなら、オケの録音を流した方が一万倍マシです。

それと、全体の構成ですねえ。前半、江姐が川北への赴任するまで、人物紹介を して裏切り者の伏線を張る必要は分かりますが、場面転換が多くてドタバタした 印象を受けました。むしろ、この部分はばっさり削るか整理するかして、江 姐が夫の死を知り山に登ってゲリラ部隊と合流するシーンあたりから始めて、 もっと切々と歌い上げた方がいいんじゃないかなあ。

あとは、舞台セットね。色々と凝ったセットを、暗転してどたどたと入れ替えて ましたが、前のシーンの土瓶と鏡が国民党特務の取調室に落ちてたりしてました 。ここまでやるなら、歌舞伎や8時だよ!全員集合でも見習って、回り舞台その他、 場面転換の手法をもっと徹底して練り上げる必要がありますね。

客席はほぼ満席。花束プレゼントの若者が数名。拍手や好もなかなかよく飛んでまし た。茶席は、見学に招待された各地の演劇関係者で埋まってました。

雑記

2004-05-27/b

中国の試験不正問題

北京晩報(2004/05/27)に、中国の各種全国試験における不正問題の記事が載ってました。 教育部の通知の転載で、ニュースソースはこちら

数年前、高考の試験会場で受験生が歩き回ってカンニングしまくってるのを試験官が見ぬふりしてる 隠し撮り映像が流されて大問題になりましたが、問題は解決されないどころか、更に広まっているみたいですねえ。記事に書かれている事例では、教育業績を上げるためと金儲け、特に後者の目的が強いようです。拝金の風潮と、教員給与がさほど高くないお国柄の影響ですかね。

学生の受験する各種資格試験なども、大学によって差はあるのでしょうけれど、不正がなされている可能性が日本などよりも遥かに高いことになります。TOEFLとかは大丈夫なんですかね?

それにしても、近頃、北大近辺を歩いていて声をかけてくるのは、謎版屋よりも謎領収書・謎身分証明書・謎卒業証明書屋の方が多いくらいなのですが、中国の資格や証明書がココまで信頼性が無いとなると、流石に今後さまざまな不利益が表面化する危険性がありますね。実際、私が中国人を採用したり審査したりする立場であったら、自分で試験を課してやらないと信用できません。

まあ、ここでも、目先の儲けばかりを追求して、長期的な利益を考えない、中国人の悪い面が出てしまっているのでしょう。

そいえば、日本への留学希望者向けの統一試験とかあったと思うけど、アレの運用は大丈夫なんだろうねえ?うーん、人ごとではないニュースだなあ。

2004/5/19 (水)

長安大戯院夜戯
琵琶記
  • 北方崑曲劇院

客の入りは昨日より悪く、6分くらいでした。これも、三時間圧縮超特急傳奇ですね。 というか、改編というレベルではない、別物の劇になってました。プログラムに、台本 作家も明記されていましたし。作者二人のうち一人は徐城北ですか。彼、台本も書くんですねえ。 この劇、崑劇の新作劇の全国大会の受賞したものだそうです。

この劇は牡丹亭よりも一層、役者の芸で感動させようという意図が感じられませんでした。 テーマ性を前面に おしだして、ストーリーやセリフ回しで楽しませようというモノ。

崑劇みたいな劇種こそ、完全に固定化して明清代の伝統文化遺産として保存 すべきだと思うのですが、逆にこういう生き残り策を取るんですねえ。このあたり、 大いに再考の必要性があると思いますねえ。

2004/5/18 (火)

長安大戯院夜戯
牡丹亭
  • 北方崑曲劇院

北崑も、本当に久々でした。

この牡丹亭、湯顕祖の原作を三時間弱に圧縮・再編集した、超特急劇です。もっとも、 南戯は長さの割にストーリー展開が少ないから、現代的にはちょうどいいくらいに なってしまいますねえ。改編と同時に、話劇的演出が大量導入されているのは、いわずもがな。

もっとも、このことは、套曲がもはや保持されず、音楽としての崑曲が解体されている ことを意味します。洪昇あたりが上演で曲がはしょられるのを嘆いていましたが、もはや それどころの話ではない。すると、歌劇としての崑劇のアイデンティティがどこにあるのか、 という問いが生まれてきます。観客は九割方埋まってましたが、唱への拍手はほとんどナシ、 拍手は判官がらみのトンボが一番盛り上がり、あとは幕が終わるごと、でした。つまり、客も 崑曲の音楽への理解はほとんど無く、崑曲を楽しむことは本質的にできなくなっています、私 自身も含めて。

かくて観賞後には、ムード音楽としての崑劇の断片 をちりばめて明清傳奇の国学っぽいイメージを売っているんだな、という寂しさが残りました。

台本構成は、最後に一般受けする判官の場を配し、その盛り上がりで最後の大団円 に突っ走るというもので、これはそれなりに効果をあげていました。細かい 演出では、花神のおねーさんたち、人数が多すぎる上に袖がまくれて腕が見えて下品。 群舞の振り付けも、高校のマーチングバンドを彷彿してしまいました。 蝶蝉燕雀がひらひらしながら卓椅を出し入れする演出は、失笑がもれまくってましたねえ。 まあ、明末には崑劇の舞台装置に凝るような文人も居たわけで、視覚的効果を工夫するのは 悪いことではないのですが、数百年の伝統で練り上げられた舞台の約束事を破壊したのに、 それに見合うだけの効果が上がっていないのであれば、それは本末転倒と言うことですな。

旦は、声量が今ひとつ。歩き方が どう見ても纏足っぽくないんだよねえ。生の方が声は出ていました。

2004/5/17 (月)

長安大戯院夜戯
村官李天成
  • 河南省豫劇三団

現代豫劇です。あらすじは、河南濮陽県西李庄の党支部書記になった李天成が、貧困にあえぐ 村を豊かにするためにビニールハウスを普及させ、野菜価格が暴落すると周囲を 説得して村民に株を売って資金を集めて乾燥野菜工場を作り、工場に出資せずに 貧しいままの農民達の福利をはかるために党幹部たちを説得し、だれもが幸福 に暮らす豊かな村の建設を目指す……ってな感じ。

ここまで行くと、音楽が梆子である以外は、全く伝統劇ではありません。舞台も 人の動作も完全に話劇で、行当は、丑がアホの坂田みたいに笑わすのを除けば、 歌唱時の音域の相違以外はありません。臉譜も塗らないし、衣装はホント、農村 の人々らしいもの。豫劇三団は、現代劇を専門としているようですね。そういう ニーズが観客側にあるのか、それとも、政治的かつ現代的な芸術媒体として、省 政府に重宝されているのかは分かりませんけど。

これは、もはや伝統劇の見方を受け付けません。主にストーリーを鑑賞し、あわ せて演技や舞台セット、たまには唱腔に拍手する、ってなものですね。ただ、そ れでもなおも豫劇であり続ける必然性がどこにあるのかは、やはり疑問です。結 局は、上演者がうたいなれている音楽である、ってだけなのではないかなあ。また、 伝統劇のアイデンティティは、唱腔のみに存在するってことになりますねえ。

ストーリーは、模範農村共産党幹部を称揚する、「三つの代表」のための様板戯 を目指しているのでしょう。まあ、これは実話に基づいた劇ですから、貧困にあえぐ 農村などでは、それなりに説得力を持つのかも知れません。

ただねえ、共産党という政治と一体化した農村企業なんですよね。しかも村民への福 祉充実を相談する場面は、企業の社長室で、社長は党書記、党員連中は軒並み企 業幹部になっている、ということは、政治と企業経営、さらには地方行政財 政が明確に分かれていないということで、要するに開発独裁的な状況 なわけですが、ここまでずぶずぶな体制な企業で本当の発展への離陸ができるのか? と思ってしまいました。

2004/5/15 (土)

雑記

雑文/大学での京劇公演

大学での京劇上演

近頃の京劇上演ですが、大学での低価格上演が増えているようですね。今日(2004/05/15)の信報戯劇電影週刊には、中国京劇院の大学巡回公演の記事とか、交響劇詩梅蘭芳を北京京劇院が北大の百年記念講堂で公演する計画とかが載っています。

前者の記事によると、観客を増やすために大学公演はたくさんやりたかったが、資金的に難しかった、ってことのようです。ということは、こういう事業に出資する企業が近年になって現れ始めたということなのでしょう。伝統劇の観客育成という観点からすると、もっとこういう機会を増やすべきでしょうし、北京であれば、小学校・中学校段階から鑑賞教室などを開くように活動してもいいのではないかな。

もっとも、北大では、今や伝統演劇の研究者は皆無で、京劇の講座は心理学だかのキョージュが担当しているんだとか(涙)。今の教員たちは、様板戯世代が多いのでしょうが、それにしても悲しい現状ですなあ。伝統劇が衰退するわけです。

雑文/中国のIT雑誌

IT雑誌

中国のIT系雑誌も色々と数が増えていますねえ。

昔からある雑誌だと電脳報が有名ですねえ。総合雑誌でITニュース、ハードからゲームまで幅広く扱っていますが、ハウツー的な記事も多いです。日本の雑誌で言えばパワレポみたいな感じですが、ただ、特集記事がなく、個別の記事がバラバラのっているので散漫に思えます。

雑誌が増える、ということは、専門に分化するということであり、PCゲーム系雑誌、ショッピングガイド系雑誌、さらにはデジカメ・DV専門誌の数碼生活なんてのもあります。

私はゲーマーではないし中国でハードウエアを買う気もあまりないので、このあたりの雑誌はあまり食指を動かされません。面白いのは、ちょっと堅めの業界ニュース系雑誌ですね。近頃買っているのは以下の二種類です。

IT時代週刊
広東系の雑誌です。中国のIT企業の裏側をえぐる記事やコラムが多く、読み応えあります。
互聯網週刊
こちらは北京の発行です。IT業界全般について載せていますが、インターネットとうたうだけに、ネット・ケータイがらみの記事がメインです。

雑文/口袋書

口袋書

ここ一ヶ月ほど、北京の各誌で口袋書取り締まりの話題が多い。口袋書、直訳すればポケット本、文庫本ということになろうか、街角の新聞・雑誌の攤子や俗向け書店で販売されているB6~A6判ほどの大きさの書籍である。主なターゲットは児童生徒で、内容は台湾・香港で出版されている漫画や小説なのだが、大多数は日本の漫画の翻訳である。もちろん、謎版。

それがなぜ取り締まりの対象になっているかといえば、著作権法違反であるから、というわけではなく、性的描写にあるようだ。日本の青少年誌ではセックスを描くのは既にタブーではなくなっているが、中国は勿論それほど開放的ではない。口袋書漫画の堂々としたセックス描写を見て、このようなエロ漫画を児童生徒に読ませるわけにいかない!ということで取り締まりとなっているようだ。

Googleしてみると、2001年頃には既に問題が指摘され始めているが、学年末・入試シーズンを控えたここしばらく、各地で取り締まりが強化されているようである。

これも、北京・上海で大学進学率が70%を超えるなど、児童生徒をめぐる社会環境の大変化の一端なのであろう。その意味で、日本の『ハレンチ学園』をめぐる有害漫画論争をただちに想起させる。

http://news.xinhuanet.com/newmedia/2004-05/12/content_1465147.htm

http://www.bjd.com.cn/BJWB/20040429/GB/BJWB%5E11688%5E7%5E29W829.htm

(2004/05/15)
著作権

信報5/15:孙楠东家向盗版商索赔30万

こういう、公然発行謎版商品は、買う側としても対処のしようがありませんな。そうでなくても近頃の謎版DVD、出版社名・バーコード明記のものが多く、きちんとケースにパッケージされると、もはや判別不能でトホホなのに。

2004/5/14 (金)

雑記
紫荊関修復事件

北京青年報によると、紫荊関の長城修復でもとの煉瓦・石積みが虎皮牆に変えられてしまったとか。それでも、中国文物研究所の設計通りらしいです。さすがに、これでは長城らしくないので長城修復ボランティアや近隣の住民も文句を言ってるとか。

写真を見ると、コレは確かにちょっと……。文化財保護方法、ひところよりはだいぶんまともになったと感じていましたが、こういうのを見ると、やはりまだまだだと感じますねえ。

2004/5/11 (火)

長安大戯院夜戯
白蛇伝
  • 四川省川劇院
劉誼
白素貞
李科
青児(男)
劉穌
青児(女)
王超
許仙
夏昌栄
法海
何紅慶
繞撥

川劇の『白蛇伝』は、色々話は聞いていましたが、見たのは初めて。もっとも、 三時間圧縮版の特急白蛇伝、しかも水漫金山までというのは、少々残念でしたが。

さて、川劇『白蛇伝』の特色の男青児、青蛇の性急な男性的性格を強調したモノでしょうが、 これはこれで、なかなか面白い。李科もなかなかに好演してました。劉誼は、扮相はなかなか美しいし、声もまあまあ出ていました。ただ、立ち回りは少々落ちるかなと。打出手は一切無く、リフト系のワザばかりでしたが、今ひとつ決まっていませんでした。

全般としては、衣装の肌の露出が多すぎますねえ。水族の蛤ねえさんたちは ヘソだしルックだし、ナタは女子のスクール水着みたいなのに蓮の花模様で足は丸出し、哼哈二将 軍もハダカに鎧をつけたみたいな衣装。白蛇も、驚変以降の鱗模様の体にぴったりした感じの衣装はちょっといただけません。これらは、舞台では下品に見えちゃうんですよねえ。 まあ、地方劇の淫戯的傾向のあらわれ、ということでしょうか。

2004/5/8 (土)

長安大戯院夜戯
何文秀傳奇
  • 蕭雅工作室
蕭雅
何文秀
呉海麗
王蘭英

かなり久々の越劇です。全体的な感想としては、やはり越劇は伝統劇、というより、新宿コマ劇場の 小林幸子ショーだなあ、と(笑)。もちろん、越劇というのは生粋の海派劇種なので、これが本来のあり方なのでしょう。でも、舞台セット・衣装・扮装などは全て話劇風、歌唱のみが伝統、というのならば、新劇風の舞台に演歌が数曲が入るのと同じです。演歌っていうのも、皮簧と同様の曲調と言えなくないですし。テレビドラマ系黄梅戯なども、そう考えればいいってことですね。もっとも、コマ劇場とは、歌と劇の主客が転倒してはいますが。

客の入りは七分ほどとなかなか。後ろのあたりでは、曲を一緒にうなってるおばちゃんがいたりしたし、上海出身者がそれだけ多いってことかな。

2004/5/7 (金)

雑記

中国京劇院の知り合いと、市長之家賓館内の渝信川菜でお食事。「市長之家」とはスゴイ名前だと思ったら、全国の市長さんの研修センターみたいなものなんだそうな。

2004/5/5 (水)

宝利劇院19:30
中国経典芭蕾舞劇『紅色娘子軍』
  • 中央芭蕾舞团

バレエは外行なので、大雑把な感想を。

様板戯ということで、怖いほどノリノリの客席を期待していたのですが、それほどでもなかったです。娘子軍の連隊歌で手拍子が出る程度。周囲は細かい演出などに受けていましたし、バレエは京劇ほど親しまれてなかったんですかねえ。上演者の層・劇団の数などは、それこそ段違いですからねえ。カーテンコールは、「好」ではなく「ブラボー」が一人二人でした。

紅色娘子軍は、謝晋の映画版しか知らなかったわけですが、やはり生はいいですね。オケは中央芭蕾舞团楽団ですが、このあいだの梅蘭芳よりはずっと上手かった。ちゃんとチューニングしたし(笑)。ただ、細かいアンサンブルは今ひとつ揃いませんね。前半はそれでもなかなか良かったのですが、テンポの揺れが多くなり、金管のフォルテシモが入ってくる最後の二幕は、金管の音程のズレやフレーズ頭の不揃いなどがかなり気になりました。

保利は音響がいいですね。いや、中国でこれだけしっかりした劇場は初めて入りました。客席が前後の列でずらしてあるので、前の席の頭で全然見えない、という他の劇場にありがちな現象も発生しません。

広徳楼早戯
  • 孫悟空収大鵬

皮影戯です。冀東系で何で西遊記があるの?と思いましたが、見てみたら、これ、鎖牧陽の孫悟空ゲスト出演場面を抜き出したモノでした。しかし、物語解説も字幕もナシでは、いくら伝統文化云々と言っても受け入れてもらうのは難しいでしょうね。

また、その昔、北京東派が冀東にはない北京向けの燕影劇系台本を擁していたことを考えると、やはり、公演として成功するためにはもっと工夫が必要かな、などと考えながらながめてました。

2004/5/3 (月)

広徳楼夜戯
暴彩文力殺四門

青龍満族自治県から来た劇団です。後台なども見て、いろいろと話も聞いてきました。細かくは、そのうち中国都市芸能研究誌上で。

広徳楼、初めて入りました。曲芸場専門劇場になっていますが、しかし、あの小ささはむしろ現在の京劇上演にぴったりですね。客席は全て八仙卓なんですね。

2004/5/1 (土)

長安大戯院夜戯
京劇交響劇詩『梅蘭芳』
  • 序曲
  • 第一楽章:散花
  • 第二楽章:別姫
  • 第三楽章:祭江
  • 第四楽章:蓄鬚
  • 第五楽章:酔酒
  • カーテンコール:流芳百世
  • 中国京劇院・北京国聯交響楽団
于魁智
梅蘭芳
李勝素
福芝芳
孟広禄
諸民誼
趙葆秀
福老太太
李岩
楊小楼
李宏図
松井
陳俊傑
斉如山

もちろん「交響劇詩」と称しているくらいで、伝統京劇とは全く別次元のモノであります。

ストーリー概略は以下の通り。

第一楽章
梅蘭芳の日本公演は成功し、日本の歌舞伎役者たちを魅了する。背景:天女散花×2(李海青・韓冬柏)
第二楽章
日中戦争が始まり、上海に逃れた梅蘭芳は落魄する。告別に訪れた楊小楼は、覇王の髯口を記念に残して没する。背景:覇王別姫(胡文閣・羅長徳)
第三楽章
南京大虐殺の報を聞き、梅蘭芳は江辺におもむき弔う。背景:天女散花×3(胡文閣・李海青・韓冬柏)
第四楽章
日本軍司令官松井の意を受け、諸民誼は上演を強要するが、梅蘭芳は鬚を蓄え断固拒絶する。背景:抗金兵之梁紅玉×10
第五楽章
梅蘭芳は上演を強制され、家族と別れの杯を交わす。背景:酔酒之楊貴妃(胡文閣)・洛神(李海青)・麻姑(韓冬柏)

ご覧のように、梅蘭芳を抗日英雄として称える劇です。人物は話劇風、心象風景を伝統劇として背景、あるいは前景に適宜登場させる、という作りです。

役者の演技はまあいいですし、于魁智の歌ももちろん良いんですが、この種のモノの最大の問題は常に一つ、これが京劇である必然性があるのか、という点です。これもその例に漏れず、京劇は背景上演だけに留めて、話劇として作るか、あるいは宝塚風ミュージカルにでも仕立てた方が、ずっと効果があったと思いますね。その意味では、行く先を見失った京劇のあがき、という風に見えてしまいます。それと、交響劇詩という割には中途半端にストーリーがあるんですよねえ。肝心な(ハズの)梅蘭芳の芸に関する描写は、日本人を陶酔させた、という一点のみで、あまりにおざなり。その歌舞伎役者がいきなり舞台上で梅を取り囲んでいるオープニングは、あまりに異常だし、観客も少々ワケが分からなかった様子。全体として、もう少し叙情に徹する、もう少し若い時期の梅も描くなど、やり方があったのではないかな。

前宣伝もあってチケットはソールドアウトでしたね。あたりの観客は現代風の舞台に派手な京劇衣装が行き交うのに悦んでたみたいでした。その意味では、劇団四季や宝塚的存在が無く、古典芸能から現代的ミュージカルまで全てを京劇が担わざるをえない、そいういう一種不幸な状況をあらわしているとも言えるでしょう。

演出は、全体として意図わかりやすかったけど、セリの使い方はもうちょっと工夫すべきですな。セリの下の昇降器具まで見えてしまうほど持ち上げる必然性、見えなかったな。

しかし、オケはいつまでたっても上手くならないなあ、中国。これもいつも言われることですが、個々の伎倆はあっても、アンサンブルが悪いし、音程がキチンと揃わずに和音が不協になるので、一つの楽器として響かない。だいたい、なんで初めにチューニングしないの?

附記

この劇、北京京劇院のレパートリーとなり、役者を入れ替えて、今後上演され続けるそうです。あの豪華キャストを常に集めるのは不可能だし、舞台セットなどのコストも回収しなくてはならない、という事情があるようで。リニューアル第一回公演は、北大百年記念講堂で行われました。 http://www.bjd.com.cn/BJWB/20040524/GB/BJWB%5E11713%5E17%5E24W1715.htm

2004/4/24 (土)

民族文化宮大劇院:余音三日夜戯
  • 上海京劇院
撃鼓罵曹
王珮瑜
禰衡
高明博
曹操
荀潅娘
熊明霞
荀潅娘
洪羊洞
王珮瑜
楊延昭
高明博
孟良

今日は、なかなか渋い演目選択で、いーですねえ。

撃鼓、王珮瑜のバチさばきもなかなか決まってました。夜深沈の最後で気持ち楽隊とずれたのが残念。

洪羊洞、私は楊家将モノに弱いので、いや~良かったです。王珮瑜の身材だと、こういう病人役はぴったり来るねえ。彼女、低音の響きや声質の奥行きは前にも書いたようにイマイチですが、高音の抜けは流石に凄くいいですねえ。最後の、「無常到万事休去見先人」、あのつぶやくような終わり方は、何度聞いてもジンときますなあ。

2004/4/23 (金)

民族文化宮大劇院:余音三日夜戯
  • 上海京劇院
十八張半演唱会

清唱会です。十八張半っていうのは余叔岩が吹き込んだレコードの枚数のことなんだそーです。

清唱会は、ホント、観客の質がいいですねえ。これだけ好や拍手の飛ぶ京劇公演は久々だなあ。もっとも、好のタイミング、みなちと遅れ気味だけどねえ。

CCTVのライブ放送が入ってました。主持人、間違えて登場しかけたり、曲紹介間違えたりして、大いに盛り上げてくれてました(笑)。

王珮瑜、http://www.jinxingshi.com/xrlx/010.htmあたりによると、小さい頃からショートカットで男装が好きだったんだとか。当日も、長衫やらスーツやらで歌ってました。もしかして、性同一性症候群かのかも?

2004/4/22 (木)

民族文化宮大劇院:余音三日夜戯
  • 上海京劇院
活捉
徐孟珂
張文遠
熊明霞
閻惜嬌

この劇、京劇は初めてかも。

徐孟珂は前に上海で見た気がするなあ。身段や表情はなかなかにいいですが、いかんせん、説白が京白じゃなくて、蘇白っぽいのに違和感を覚えるなあ。まあ、このあたりは好みでしょうけど。それにしても、仕草と表情を重視した、海派っぽい劇になってますねえ。全体としては、まあまあなできでしたね。徐孟珂、耍髮を二カ所ミスってたけど。

失空斬
王珮瑜
孔明
高明博
司馬懿
任広平
馬謖

解放後、戯曲学校を経て正規に育った初めての坤生、王珮瑜の北京初公演。余派なので、余音三日、なのね。題字は劉曾復。前宣伝が行き届いており、また、チケットもだいぶん配られたのか、客もそこそこ入っていました。客席の前ブロックが八割がたうまってましたし、全体に反応も良かったですねえ。

さて、王珮瑜、余派の自由闊達な感じは良く出ていますね。吐字も分明でした。全体としては悪くありません。聞かせどころの気合いを入れた時の声量はいいのですが、ただ、全体としての声量は小さめだなあ。マイクのミキシングも良くなかったのかもしれませんが。また、これは梅保玥などもそうだったので坤生の限界なのでしょうけれども、低音の倍音が響かないので声質が薄くなってしまい、甜潤、という味に欠けますねえ。まー、余派というと、私はどうしても孫岳さんの声を思い出しちゃうワケで……。あとは、もうちょっとタッパがあるといいんですけどねえ。

そのほかでは、高明博はまあまあでした。

しかし、衣装などは海派だなあ、と思わせますねえ。違うんだよねえ、やはり。

2004/4/21 (水)

雑記

近頃買った本から

古鎮書(海南出版社)・中国古鎮遊シリーズ(陝西師範大学出版社)
数年前に春秋のゴールデン ウイークが創出されて以来、旅行ガイドブック出版が盛んになっている。その中で、近年注目されているのが、開発から取り残されて昔の姿を留めた田舎町、古鎮旅行である。これらの本は、その古鎮旅行のガイドブックなのだが、カラー図版は豊富、解説も微に入り細に入り、中国の古鎮のカタログとして読むことも可能である。漢声雑誌の影響を受けたと思われる凝った装丁も、なかなかによろしい。
旧京老戯単
民国時期の京劇のプログラム「老戯単」を集めた図版。コレクターが居るんですねえ、やはり。一般公演の戯単のみならず、現在では全く目にすることの出来ない堂会・義務戯などの戯単をも掲載しているのが嬉しい。ただ、欄外に配置した人物の絵や写真が肝心な戯単にかぶっている箇所が多々あるのが残念。

2004/4/18 (日)

雑記
  • 高校の同級生の令兄で妻の同僚のT夫妻と口福居?

2004/4/16 (金)

雑記
  • 西四で杏仁豆腐。これだよ、これ。
  • 右安門外は空振り。新聞報道されては、帰るしかなかろう。

2004/4/14 (水)

雑記
  • 長安大戯院夜戯は取り消し。
  • イトーヨーカドーで納豆を購入。冷凍の燕京麦酒製だが、結構美味。
  • 和平門外、道路拡張工事中。琉璃廠には手が着いていないが、中国書店の運命は風前の灯か?と思っていたら、今日の北京晩報に関連記事があり、海王邨に地下二階地上三階の中国書店ビルを立てる計画があるんだとか。是非実現してほしい。
  • 16日から地壇公園にて図書市。古書市ではないようだが、行ってみなくては。

2004/4/13 (火)

長安大戯院夜戯
三岔口、天女散花、虹橋贈珠
  • 北京京劇院

いや、そうそう、北京京劇院って、こういうふうに緩かったんだよなあ、と思い出させてくれる公演でした。外人観光客向けみたいで、1時間半で終わりましたしねえ。客の入りも一割くらいで、その半分強が外人観光客。昔の吉祥も、カンバンの出ない北京京劇院や風雷はそんなモンでしたっけ。だから、好は愚か、拍手もまばらって感じで、客席も沈滞してたなあ。 プログラム買っても、劇場紹介と、外人向けのよくやる劇の解説を一枚にまとめたのだけ。役者の名前は刷っていない(涙)。あー、こういう公演は梨園と湖広に特化したんだと思っていた私が間違えていました。

まず三岔口、無難にこなしている、って感じですね。どちらも身体はまあ動いてはいたけど、息は今ひとつあわないし、腰が入っていない感じで、突っ立って演じているように見えちゃう。

天女散花は……いままで見た中ではワーストかも。唱はあの水袖の長いヤツ(なんて言った忘れてしまった)を動かそうものならとぎれとぎれになるし、水袖も全然揃わない。

虹橋贈珠、久々だなあ、打出手見たのも。ミスは一カ所くらい、それもほとんど龍套のミスでしたが、全般にB難度主体で無難にまとめたという感じで、特に感動も感心もしなかったなあ。舞台上にたくさん人を上げて派手にしようという北京京劇院的演出も健在ですねえ。で、それが整斉でなくてドタバタした感じになってしまうのも相変わらず。

明日・明後日見に行くかは………

雑記
  • 昼は人大北の西域食府?で食事。拉条子に烤羊排。いたく満足。
  • 夜は大柵攔の小腸陳で滷煮火焼。ココで食べたのも数年ぶりかな。満足。

2004/4/12 (月)

長安大戯院夜戯
烏紗記
  • 中国京劇院
呂昆山
辺一笑
黄炳強
崔雲龍
徐暢
張岫玉

閩劇『貶官記』からの改編の新編古装喜劇だそーです。 ストーリーは、まー、七品芝麻官と水戸黄門を足して二で割ったような感じ(笑)。

意外と伝統的な唱が多い劇でした。わかりやすい喜劇だし、客の反応もなかなかよかったですねえ。もっとも、半分以上は中国京劇院サクラと見ましたが。舞台設計は、ごてごての変なのでは無いのですが、もうちょっとシンプルでもいいかなあ。

ただ歌詞はねえ、現代の観客にわかるように作詞するとああなるのはわかるけど、 愛だ恋だの甜だ辣だのってのはちっと生理的に受け付けない。

呂昆山はなかなか良かったです。これで、もうすこしアドリブ的な捻りというか、存在するだけで醸し出される高木ブー的おもしろさ、というか、まーそんなテイストが加わるとなおいいんですけどね、往年の郭元祥とか豫劇の牛得草みたいに。

黄炳強、声はなかなか出ていましたが、ちょっと高音の抜けが悪かったなあ。徐暢も同じような感じ。

雑記
  • 長安大戯院、二階でジュースとアイス売ってました。ご免なさい、そんなことも知らなかった私が愚かでした。
  • 保利劇院でチケットを買ったついでに、到家嘗あらため跡地の福家楼で炸醬麵。味と雰囲気は健在。価格も一杯八元で大満足。
  • お気に入りの涮羊肉店、口福居は、白塔あたりの区画整理にともない、13号線知春路站駅横に移転。
  • 中関村鼎好電子商城で、Power Shot G1のぶっ壊れたリチウムイオン電池の代替品を購入。中国国産のサードパーティー製品で380元也。高い。仕方ないが。

2004/4/10 (土)

雑記
  • 夜、ちょっと買い物に出たら、チャリンコの後輪が爆発。いやホント、ボン!と弾けた。 なんか後輪ブレーキもすれてるし、特売品はこんなもんかなあ。明日朝一で修理して、 ついでにいろいろと調整しよう。
  • 近頃買って面白かった本。
城記(王軍著、三聯書店)
解放後の北京再開発の都市計画、建築計画などをまとめた本。 貴重な図版も多く、現在の北京がいかに成り立っているかを知るのに好適。
漫歩北京(孫建華、中国社会科学出版社)
シリーズものの北京の観光ガイドなんですけど、 全ページカラーの日本のガイドブック並み品質もさることながら、 名所旧跡を網羅的に掲載しているのが嬉しい。 この本を片手に、二階堂教主の顰みに倣って寺廟巡りでもしてみるかな(笑)。
  • 五月頭、バレイ紅色娘子軍の公演があるなあ。これは是非見に行かねば。

2004/4/9 (金)

長安大戯院夜戯
大・探・二
  • 中国京劇院
魏積軍
徐延昭
黄炳強、馬力
楊波
李紅梅
李艶妃

ちと消化不良でしたねえ。まず客席。こういう生粋の文戯になると、好も拍手も、ホント控えめになるんだよねえ。 誰かの拍手に反応して誘われ拍手、ってパターンの連続。舞台と客席が一体となった盛り上がりは期待できないのか。

で、上演する方も、全体に力不足でしたねえ。魏積軍は比較的良かったけど、その他は全体に声量が不足し、吐字は不太分明。 聴かせ処だけ気合い入れてなんとかって感じでは、そりゃ、こういう歌い上げの累積効果でカタルシスを得る構造の劇 が盛り上がらないのも仕方ないでしょう。

雑記

北京晩報によると、評書家の連麗如が銀錠橋のほとりに北京初の個人経営の書館を開いたんだとか。これも、また今度 行ってみないといけないなあ。

http://www.bjd.com.cn/BJWB/20040409/GB/BJWB%5E11668%5E18%5E09W1819.htm

2004/4/8 (木)

長安大戯院夜戯
春草闖堂
  • 中国京劇院
呂慧敏
春草
張晨
李伴月
徐孟珂
胡進
張小清
李仲欽

この劇ははじめてですねえ。莆仙戯から移植したのの初演は、たしか李鉄梅な劉長瑜でしたね。 プログラムに芸術指導として名前が出てるし。すると、呂慧敏は劉長瑜の弟子かな? 全体としては、お気楽かつご都合な喜劇ですが、まあ、徹頭徹尾笑わせて飽きさせない造りになってますね。 その分、唱の聞き所は少ないのですが、今の京劇ナレしていない観客には、こういう情節戯にかぎるのでしょう。

さて、呂慧敏、声はなかなか出てたし、做もそれなりによかったです。水袖も上手いんだけど、欲を言えば 袖のカタチをもう少しきれいにまとめられるようにがんばってほしい。あと、セリフのとちりが一カ所ありましたねえ。 身のこなしとか表情の作り方とか、ホント、劉長瑜っぽかった。顔だちも丸顔系で似てるかも。で、劉長瑜っぽい、 というのは、様板戯っぽい、というのに通じるわけで、老戯をやる場合には一歩間違えると下品に見えてしまう危険性をはらん でいるかなと。ちと説明しにくいんだけど、例えば、左手でハンカチ持ちながらうたっているときの、暇な右手のフトした気を 抜いた動作の端とかに、フト隙を感じてしまうんですよねえ。まー、このあたりはあと五年十年経験を積むと良くなっていく ことでしょう。

徐孟珂は、なかなか見せてくれました。抬轎のところは、きれいに揃っていて、さすがは中国京劇院と 思わせるモノがありましたねえ。

張晨は、今ひとつ声の厚みがないなあ。

張小清は、衰派としてはいいかも。

雑記

北京晩報の記事によると、右安門外で草台戯やってるみたいねえ。今度、見てくるかなあ。

2004/4/7 (水)

2004/3/28の北京日報のインタビュー記事

知り合いの劉季霖さんが、私をよいしょしまくっています(汗)。でも中国都市技能研究会じゃなくて、中国都市芸能研究会?なんだけどな……。

長安大戯院夜戯
打店、逍遙津
  • 中国京劇院一団
武松打店
賈永全
武松
関桐
孫二娘
劉海生、石山雄太
解差

打店はこれがはじめてかも知れない。摸黑なやつですね。全体的印象としては、 カタはキチンとこなしているし、水準はクリアしているけど、まだまだカタ以上 のものを表現できる域には達していないな、というところ。学生っぽいのね。例 えば、武松と孫二娘が両腕を取り合って力比べしているところとか、本当に力が 入っているように見せられていない。表情や、腕の細かい動かし方がまだまだな のね。まー、今後の精進に期待しましょう。

しかし、石山氏、すっかり中国京劇院の一員なんですねえ。いやー、よく頑張り ましたなあ。多少硬さは感じたけど、でも、そつなくこなしてましたね。

逍遙津
李岩
漢献帝
張連祥
曹操
張小清
穆順
黄占生
華歆

李岩を見るのも久しぶりだなあ。昔は、李光を一回り小さくした三男坊、という 印象だったけど、今や中国京劇院のカンバンの一人なのねえ。十五年前に中国京 劇院青年団で李岩の専場でコレを見たときは、同時に演じた哪吒や孫悟空のできの悪さに、李 宗義パパが舞台に出てきて不肖の息子のお詫びに一節うたってくれてたっけ。ど うもそれ以来、李岩と聞いただけで、となっちゃうんだよねえ。

今回の逍遙津ですが、その時とさほど印象は変わりませんでした。そこそこだけ ど、今ひとつはじけるものが無い、と。まー、高派歌う人も少なくなったし、あ の高いキーの歌い上げは一通りこなせればそれなりに盛り上がるから、それはそ れで満足なのですが、しかし、当年の李和曾みたいに汗流しながら必死に歌い上 げる、みたいな気迫が感じられないんだよなあ。いや、下手ではないんだけど、 なんつーかなあ、重みが無いんだよ。

そのほかでは、張小清ががんばってました。

2004/4/6 (火)

長安大戯院夜戯
鳳還巣
  • 中国京劇院
鄧敏、梅保玖(特邀)
程雪娥
于萬增
穆居易
黄占生
朱煥然
徐孟珂
程雪雁

この劇は、十五年前に閻桂祥+どらちゃんこと梅保玖のを見たのがはじめてだっ たんだけど、今回の鄧敏と十五歳老けたどらちゃんでは、さすがに見劣りします なあ。

それでも鄧敏、五年くらい前に青衣に転向したての頃に比べると、だいぶん挙止 も唱腔も丸くなってきましたね。高音の伸びはつやがあってなかなか。でも、低 音は上手く響かないし、フトした瞬間に、やはり直線的な動作や節回しがちらっ と顔を出す。最後の洞房一折だけ歌ったどらちゃん、相変わらずやる気なさげで どらちゃんなんですが、しかし、歩みのしずしずしたところとか、腕の動きとか、 曲線的で味だけはあるのと比べると、やはりまだまだ修行中だなあ、と思ってし まう。

しかし彼女、だいぶん固定ファンが就いて居るみたいで、いつもワンテンポ遅れ て好を叫ぶ三人組オヤジとかがいました。んー、彼女は顔立ちは派手だけど、違 うんだよなあ、私の感覚では。

そのほかでは、于万増、まあがんばっていましたが、ちと声の抜けが悪かったな あ。黄占生、拝寿の着替えギャグで段取りが悪くイマイチ。徐孟珂は、声もなか なか出てましたねえ。

今日は、客席の反応が偉く良かったですねえ。まあ、これはギャグオンパレード の喜劇で、初心者にもわかりやすいからねえ。将相和との反応の違いを見てて、 昔、杭嘉湖水路班子の京劇は、聞き取れなくても楽しめる情節戯が中心だった、 と聞いたのを思い出しました。

雑記

劇の前に西単中友百貨の上で晩飯。エレベーターガールがいて吃驚。でも、全自 動エレベーターだから、スイッチ押すだけの係なんだよねえ。しかも、日本のマ ネしたのか、ささやくような美声なので、上に参ります、といってるそばから、 一階御願い、なんてのが乗って来ちゃったりして(笑)。

2004/4/4 (日)

雑事
  • カルフールでチャリンコ購入。特売の永久ブランド十五段変速、¥298。乗ってみたら、ハンドルが低くて腰が疲れる(笑)。ギアも、八段くらいしか使えない。これからカスタマイズですな。
  • で、カスタマイズ第1弾として、チビ椅子を取り付け。十五段変速にチビ椅子ってちょっと変かなあ。

2004/4/3 (土)

長安大戯院夜戯
将相和
  • 中国京劇院
張建国
藺相如
鄧沐偉
廉頗

京劇、一年くらい見ていなかったかも。うーん、いかんなあ。

ということで、北京到着後初京劇です。思えば十五年前、北京での京劇初めは、 孫岳の四郎探母@吉祥。あの一発で私ははまっちまったんですよねえ。

今日のは、勿論それほどの感動はあり得ないわけですが、中国京劇院だけに、ま あまあでした。よく考えてみれば、将相和を完璧帰趙から通しで見るのははじめ てかも。まあ、翁偶虹の整理台本だけに、聞かせどころを上手く配置して、飽き させない造りになってますねえ。導演は朱秉謙ですか。うー、十五年前は現役だっ たのになあ(涙)。

張建国は、あの節回しの捻り、って言えばいいかな、相変わらずなかなかに味が あって良かったです。身段は、もうちょっと精進の余地があるかなあ。鄧沐偉っ て、どこから特邀の銅錘かな?声は良いけど、こちらも身段に少々荒さが見られ たなあ。

気になったのは、中国京劇院、昔の完璧な整斉と比べると、少々ほころびが目立 ちましたね。代替わりしてレベルが落ちたのか?とか心配になってしまう。あと は、マイクワークの悪さも相変わらずだなあ。この面での技術革新はないのかな あ。

それと、前から思ってたんだけど、長安大戯院、休憩時間にはアイスとジュース を売るように!

雑事
  • 中関村カルフール、便利!
  • 13号線、改札システムがJRと同じになってる。思わず城鉄suika買ってしまった。切符は、窓口で裏が黒いのを手販売。例の硬貨普及問題があるので、自販機化は難しいんでしょうな。

2004/3/31 (水)

国を出ます。

2004/3/30 (火)

家を出ます。

2004/3/29 (月)

『結城浩のWiki入門』(インプレス ISBN4-8443-1915-9 ¥2200E)附録CD-ROMに、拙作UniWikiが収録されました。

2004/3/27 (土)

電脳瓦崗寨をPukiWiki版に全面リニューアルしました。HTML・CGIなどのコンテンツは、徐々にこちらに統合していきます。