2004-12-02

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互聯網週刊 04/11/29 斜め読み
カバーストーリー:上海芯動

上海にチップ産業センターの雛形が形成されつつある。中芯国際に続いて、インテル・台積電などのチップ製造大手が上海に進出しているのだ。浦東には、シリコンウエハース工場やIC設計企業の進出に伴い、研究・製造から人材育成に到るまで、さまざまな関連企業が進出し、産業サイクルを形成しつつある。未だに形成途上の上海チップ産業は、政策や人材流動などのマイナス面を乗り越えて、20年前の台湾のように飛躍することができるだろうか。

ニュース・記事
楊瀾、歓楽伝媒を買収
楊瀾麾下のサンメディア投資社が、民系娯楽テレビ会社、歓楽伝媒の広告業務の一部を買収し、シンガポールに上場させる。サンTVは複合メディアグループ形成に向けて進んでいる。
[bigsmile] 2001年にサイナと提携して以来、サンTVはすっかり中国マスコミ業界の台風の目ですね。
北京政府購買、失意の国産ソフト
中国の政府機関で進む正規版ソフト導入、今年の北京市の購買はマイクロソフトの勝利に終わり、中国国産ソフトハウスにとっては厳しい結果に終わった。しかし、これは国産ソフトの保護をうたった『政府購買法』に違反するとの批判が出ている。
[bigsmile] が、今日の新華社の記事によると、土壇場で大どんでん返し、MSが排除されたみたいですね。うーん、また米中貿易摩擦の火種になるんでしょうな。
ソニー、中国のテレビ番組製作に進出
ソニーピクチャーズが中国映画グループと合弁で、番組製作会社を設立。11月に外資の番組製作分野への参入が緩和されて、初めての進出となった。
外資は基礎電気通信業務進出に尻込み?
12/11より、外資の中国の電気通信市場参入規制が緩和される。しかし、海外の電気通信大企業の動きは鈍い。合弁企業の運営はうま味が少ない、政府主導の業界再編が噂されるなど複雑な環境にありリスクが高い、などの理由があるようだ。
[bigsmile] 外資進出は来年ピークを迎える、との分析もあるんだとか。うーん、でもケーブル切断事件頻発なんて記事を見てると、確かに二の足ふむのもわかるなあ。
シャープ事件 液晶パネルの国家規格をめぐって
今年、中国の液晶パネル出荷量がブラウン管を追い抜いたという。そんな中、シャープは、これまでに中国向けにテレビ用液晶パネルを出荷したことはないと言明、中国のテレビメーカーが営業の売り言葉などでシャープの名を利用していたため、波紋が広がった。中国の液晶国家規格制定が遅々として進まない中、しびれを切らした外資系企業の大型液晶テレビ攻勢が始まろうとしている。
[bigsmile] 現在、シャープなどの液晶ラインは第七世代、中国国内は第五世代がやっとで、大型テレビ用パネルの分野では全然相手にならないみたいですね。まー、日本メーカー頑張れ、と応援しておきましょう。パソコンのモニタはねえ、まだまだブラウン管が多いみたいですね。中国のPC、マザーやCPUは(たまに偽物があるのを除けば)ともかくなんですが、ケースやキーボード、ディスプレイなど、周辺のところの質が低いんだよねえ。
北京、ブロードバンド大暴落
ブロードバンドユーザーの急拡大とともに、北京ADSLの最大手中国網通と、長城寛帯・歌楽有線寛帯・中国電信などのブロードバンド値下げ競争が激化しており、月額100元程度にまで下がっている。それでも、他の都市とくらべて倍以上の高値であることから、ユーザーはさらなる値下げがあるものと期待している。各プロバイダは、将来のブロードバンド付加価値業務による収益を見据えて、激戦のさなかにある。
[bigsmile] 中国のブロードバンドは、256kとか512kのが多かったですが、ようやく1Mくらいにまで太くなったようですね。ところで、太原ではADSLが一ヶ月わずか40元なんだとか。なるほど、地方都市で上網卡を全然見かけなくなったわけだ。しかしおかげで中国旅先通信は、ネット付きホテルを選ぶか、ローミングサービスでダイアルアップするか、という情況になったわけで、ちと不便になりましたな。
TD-SCDMA:主流化の喜びと憂い
中国自主開発3G規格であるTD-SCDMA、中国の3G規格として採用されることがほぼ固まり、環境も大きく変化しつつある。海外の有力IT・電気通信企業の加盟が相次ぎ、陣営は格段に増強された。しかし、TD-SCDMAが儲かるかについては、国内企業にも疑問視する声が強い。また二大携帯電話キャリア、聯通がCDMA2000、移動がWCDMAを採用するのが確実な中、TD-SCDMAの実証実験にあたっているのは、鉄通・衛通などの下位キャリアである。海外でも、TD-SCDMAの潜在力への好意的反応があり、またEUでもTD-SCDMAとWCDMAのバンドル化という話が聞こえている。
[bigsmile] しかし、正直、TD-SCDMAはあだ花に終わると思いますね。かつてNTTが独自規格路線で国内市場を守ったものの、国際市場への参入に失敗し、3GではWCDMAを採用したとのの繰り返しになるんじゃないかな。海外に売り込もうにも、3Gのニーズがあり、しかもわざわざTD-SCDMAを採用する国は、そうは無いんじゃないかなあ。ああ、イランとかは可能性があるかも。中国から地下鉄技術も買ったしね。 [smile]