長安大戯院夜戯 †
- 中国京劇院二団
鐵籠山 †
- 奚中路
- 姜維
これまた、一時期ほとんど演じられなくなっていた劇ですね。奚中路の感想は前日と変わらず。まあ、長打な分だけ腰のキレの無さは多少は目立たなくなっていましたが、それでもねえ。
呂布與貂蟬·小宴 †
- 江其虎
- 呂布
- 管波
- 貂蟬
江其虎はよい。
探陰山 †
- 孟広禄
- 包拯
孟広禄はよい。
洛神 †
- 李勝素
- 洛神
- 張威
- 曹植
さて、問題はこれですな。まず、李勝素、もとより私はそんなに評価していませんが、この洛神も歌・仕草ともに、悪くはないけど際だった良さも感じませんでした。最大の収穫は、北京京劇院から借りてきた、昔、梅蘭芳が実際に着用した衣装を目の当たりに見れたことかな。
それと、この劇自体、やはり時代性を感じるわけです。梅蘭芳ってのは、民国時期、女性が劇場に入れるようになった時流に乗って、お嘆美系ビジュアルで一世を風靡した、という一面があるわけで、この劇はまさしくそのようなお嘆美なビジュアルを売りにした劇なわけです。で、その舞台に壇をしつらえて雛人形よろしく諸仙を並べる演出は、当時でこそ新鮮な視覚効果があったと思いますが、さまざまなメディアが発達した今となってはなんてことは無いモノです。そして、ビジュアル効果が望めない以上は、歌や仕草で魅せるしかないわけですが、しかし、歌い上げ系の歌唱設計でもないし仕草の見せ場も全然無い。その意味では、これはやはり時代の産物であり、現代的にはもはや通用しない劇なのではないかと。