中国伝統劇解説/京劇『北国情』 の変更点

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北宋と遼の間に、金沙灘の戦いが起こった。北宋軍は衆寡敵せず敗北、主将の楊継業は降伏するのを潔しとせず、李陵碑に頭を打ちつけて自害、その子の延安・延定も戦場に散ったが、四郎延輝は遼に捕らわれた。

延輝は遼の国主・蕭太后を暗殺して仇を討とうとするが失敗、捕らわれる。蕭太后と丞相の韓昌は、木易と名乗るその青年が楊家の一員であると見破ったが語らず、忠義と才能を高く評価、戦場で出会ってより彼に思いを寄せていた桃花公主と妻合わせた。

十年後、延輝と桃花公主は仲睦まじく、一男一女をもうけていた。中秋の夜、延輝は母を思い嘆いていたが、公主は乳母と密かに計を定めて手形を盗み、母との再開に赴かせる。

蕭太后は文武両道を尊ぶ名君であったが、韓昌の和平論に賛同する。このとき延輝は蕭国舅の、両国の和平を重んじ、私的な恨みを数えないとの考えに打たれ、自ら太后に出身を明かす。そこで太后は彼を遼国特使として派遣、国書を佘太君に届けさせる。

佘太君と蕭太后は李陵碑の前で対陣、曲折を経て、終に両国は和平を結ぶ。
-全部《雁門関》《四郎探母》《三関排宴》(上党梆子から改編)等を参照に編まれたと思われる。1989年、北京京劇院二団により初演。