北京灯市街二郎神廟、これまで幾多の『封神演義』・二郎神ファンが調査を試みたが、ついにその存在は知れなかったという(誇張)。
しかし、「北京の活地図」の異名をとる寨主はついにその跡地を確認し、哮天犬像を撮影することに成功した!
二郎神廟跡は灯市東口のT字路の東側にある。
以下は、灯市街から二郎神廟跡を望んだ写真である。
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/gou/04.png
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/images/gou04.png
中央に一体の石像が見えると思う。獅子のようだが珠を弄ばず、羊のようだが爪があり、しかも対になっていない。
そう、これこそが往時の二郎神廟を偲ばせる唯一の遺物、哮天犬像である。
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/gou/01.png
頭部は無惨に破壊されているが、足や背は、やはり獅子ではなく犬である。
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/gou/01.png
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正面から見ると、なんとなく犬の顔に見えなくも無い。
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/gou/02.png
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反対側から。全体に痛みがヒドイが、足や背、胸などは原型をとどめている。
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/gou/03.png
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この石像の裏手奥の家の住人によると、二郎神廟は取り壊されてしまい、今はまったく残っていないという。
また、知人の老芸人によれば、廟が破壊されたのは文革後であるという。
灯市口東口の哮天犬像、道を歩いているとつい見落としてしまいがちだ。
しかし、北京の古い街並みが破壊されてゆく中にあって、中心街にありながら旧時の寺廟の存在をとどめる哮天犬像は、貴重な存在であると言えよう。
**補遺 [#u1aab97c]
その後、二郎神廟に関する『光明日報』生活時報のコラム(http://www.gmdaily.com.cn/0_shsb/1998/07/19980713/GB/674^SH2-1318.htm)を発見した。像の破壊は紅衛兵、廟自体は唐山大地震で最終的に破壊されたようである。
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2002/8/31