中国伝統劇解説/京劇『三盗芭蕉扇』

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孫悟空は火焔山を越えるため、鉄扇公主に芭蕉扇を借りようとする。鉄扇公主は牛魔王の妻であり、子の紅孩児が観音菩薩の弟子に収められたことを恨んでいたため、芭蕉扇で孫悟空を須弥山のふもとに吹き飛ばした。悟空は幸いに霊吉菩薩に救われ、定風丹を賜る。仙丹のおかげで悟空は吹き飛ばされず、鉄扇公主は扇を貸し与えたが、その扇であおぐと、火は勢いを増した。悟空は騙されたことを知って一計を案じ、牛魔王に化けて洞に入り、扇を騙し取る。はからずも牛魔王が家に帰り、全てを問いただすと、猪八戒に化けて、扇を取り返す。孫悟空はしかたなく天兵天将の援助を請い、牛魔王を収伏し、芭蕉扇を得て、火焔山を越える。

  • 《西遊記》第五十九~六十一回から。