中国伝統劇解説/京劇『白良関』

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  • 雌雄鞭、父子会

唐の太宗は、秦瓊を元帥、尉遅恭を先鋒に任じて、北国親征に乗り出す。出撃に際し、尉遅は夢を見、軍師徐勣はそれを肉親再会の兆しと判じる。唐軍が白良関に攻め寄せると、守将劉国禎は尉遅恭に敗れ、手傷を負う。続いてその子宝林が尉遅恭と戦うが、勝負がつかない。宝林は帰陣すると、母の梅秀英に戦いについて話す。梅秀英は、尉遅恭が宝林の実の父であること、尉遅恭が雌雄鞭の一方を残して軍に身を投じたが、自身は宝林が生まれて間もなく劉国禎に我がものとされたことを、説き聞かせる。宝林は出陣して尉遅恭と会うと、鞭をあかしに親子であることを確認し、ともに白良関を攻め、劉国禎を打ち取る。しかし梅秀英は尉遅恭に会うことを恥じ、自殺して果てる。

  • 別名《雌雄鞭》《父子会》。故事は雑劇《小尉遅》、小説《説唐後伝》等に見える。