北宋・仁宗のとき開封の都、少女・柳金蝉は、元宵節の夜に灯籠見物に出て、無頼の李保に家中に誘い込まれ、結婚を迫られたが従わず、絞殺される。死体を発見した書生・顔査散は、犯人として逮捕される。知県の江万里は絞首刑を判決し、顔査散は包拯に訴える。冤罪と見た包拯は冥界に赴き、判官・張宏に生死簿を調査させるが、生死簿には柳金蝉が顔査散に絞殺されるとあった。包拯は信じず、陰山に至って柳金蝉の霊魂を探し当て、更に油流鬼から、張宏が甥の李保をかばい、生死簿を書き換えたことを聞。包拯は大いに怒って森羅殿にもどり、閻王とともに審議する。閻王は初め判官をかばうが、包拯は強硬に主張して罪を認めさせると、判官を現世に連れ帰り、柳金蝉等を生き返らせる。そして、判官を鍘し、顔査散と王金蝉を娶せる。
- 〈鍘〉とは、ギロチンのような死刑道具。また〈ギロチンにかける〉という動詞としても使われる。
- 《三侠五義》第三十五回に見える。もとは全十四本の連台本戯。うち《探陰山》は折子戯として上演される。
- 50年代に“鬼劇”(オカルト劇)として上演を禁ぜられるが、1987年、方栄翔によって再演される。