中文電脳/Google・Wikipediaを使いこなす

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サーチエンジン

Googleの基本Tips

いまや、インターネットの情報検索で、Googleなどのサーチエンジンを使わない人はいないだろう。しかし、キーワードを指定して検索、トップ10に表示されたサイトを見てお終い、といった使い方をしている人が大半なのでは無かろうか?それでは、サーチエンジンを使いこなしていると言うことはできない。

以下、より効率的に必要な情報を見つけるための、Google使いこなしTipsを紹介する。

「検索設定」しよう

Googleで検索結果ページに移動する場合、デフォルトではGoogleの表示されているウィンドウに直接異動先ページが表示される。これでは、検索結果に表示された複数のページを閲覧する場合、いちいち元のページに戻ったり、検索し直したりしたりしなくてはならず、手間がかかる。

また、デフォルトでは検索結果に10件しか表示されないが、もっと多くの検索結果を一度にみたい場合もある。

こうした点は、Googleの検索設定で改善できる。

Googleトップページの右上、「検索設定」をクリックする。

gg000.png

「表示設定」ウィンドウが開く。ページの下の方に移動し、「検索結果の表示件数」・「結果ウィンドウ」を設定する。

gg001.png

表示件数は10・20・30・50・100から選択できる。パソコンのディスプレイの大きさを考えて、適切なものを選択しよう。

また「検索結果を新しいウィンドウで開く。」をチェックすると、Googleの検索結果ページのリンクをクリックしたとき、新しいウィンドウで当該ページが開くようになる。複数の検索結果ページを閲覧するのに便利なので、チェックしておくことをお勧めする。

キャッシュを使いこなそう

Googleの検索結果を閲覧する際には、当該ページに直接ジャンプするよりも、検索結果の後ろの「キャッシュ」をクリックして閲覧する方が何かと便利である。

キャッシュとは、Googleのデータベースに保存されている、当該ウェブコンテンツのコピーのことだ。キャッシュでは、指定した検索語が色違いで強調表示されるので、検索した語句がページのどこにあるのかを、すぐに見つけることができる。

ただし、キャッシュの更新は一定期間ごとなので、キャッシュされている情報が当該ウェブページの最新の状態を反映しているとは限らない。この点は注意が必要である。

なお、ウェブページは書籍とちがって常に書き換えられる可能性がある。このため論文・レポートに資料引用する場合は、URLとともにそのページを確認した日時を記載するように心がけよう。

詳細な検索条件の指定

例えば、「人民」を検索したいのに、検索結果では「人民日报」ばかり、というようなケースがしばしば発生する。このとき、「人民 -人民日报」と指定すると、「人民日报」を含まない「人民」の用例を検索することができる。

この「-」が、Googleの検索条件式だ。検索条件式はほかにもいくつかある。

+
以下の検索語をそのまま含む
-
以下の検索語を含まない
""
""で囲まれたフレーズをそのまま含む

また、検索する際に、あるウェブサイトの中のページだけから、関連する情報を探したいこともある。その場合には以下のように指定する。

site:hogehoge.com words

例えば、慶應義塾のウェブサイトから「中国語」を含むページを検索したい場合は以下のように指定する。

site:keio.ac.jp 中国語

経済学部サイトのみに絞る場合は、次のようになる。

site:econ.keio.ac.jp 中国語

検索語を工夫する

必殺「~とは」検索

あるキーワードの意味を調べたり、あるキーワードに関連するページを探す場合、キーワードを単純に並べて検索するだけでは、例えばその語句が出てくるニュースなどが上位に来てしまうことが多い。

こうした問題の対策として、「~~とは」検索がある。「~~とは」というフレーズを持つページは、そのキーワードについて説明していると思われ、有用である可能性が高いのだ。

中国語では

中国語のGoogleで検索する場合は、意外と質問形式入力が有効である。例えば以下のように検索する。

  • ――是什么
  • 什么叫――
  • ――用汉语怎么说

これはおそらく、日本では複数キーワードの羅列によって検索することが多いが、中国では文をそのまま入力して検索することが多い、という、検索習慣の違いによる、サーチエンジンの味付けの違いが作用しているのであろう。

20世紀、欧米語からの翻訳語彙は、多くが日本語を経由していたが、1980年代以降は、英語からの直訳語が増えている。このため、新しい概念・語彙や固有名詞については、中国語と日本語とを対照したコンテンツを探すよりも、中国語と英語を対照したサイトを探した方が見つかる確立が高い。その際に有効なのが、「英語でどういうの」検索だ。

  • ――用英语(英文)怎么说

うまく見つかった場合は、その英語で、あるいは英語と元の中国語を同時に指定して検索し、更に意味を絞り込むこともできる。

Wikipediaを使いこなす

WikiとWikipedia

Wikipediaは、インターネット上のフリー百科事典の定番である。一般にWikiとも称されるが、本来Wiki(ウィキ、ゐき)とは、ウェブサイトマネージメントツールの名称であり、そのWikiシステムを使って作られた百科事典がWikipediaであるので、WikiとWikipediaとは明確に区別されるべきものである。

Wikiの特徴は、ウェブ上に誰もが編集可能な共有コンテンツを設置することが可能な点にある。このため、情報共有やインタラクティブなウェブコンテンツの構築に適している。その特徴を生かして、インターネット上にフリーの百科事典を共同構築しようとしているのがWikipediaである。

Wikipediaの効用と限界

Wikipediaには、さまざまな分野

一方、Wikipediaに多くの問題点が存在するのも確かだ。例えば、日本語Wikipediaでは、閲覧の八割がアニメ・マンガ・芸能などのサブカル記事に集中しており、また記事項目もサブカルの充実ぶりが目立つ。このため、百科事典としてはいささかバランスに欠けている。

また、匿名の記事の編集者(執筆者)は、必ずしもその分野の専門家であるとは限らない。一般に大学の教員や研究者は、自らの仕事が忙しく、またWikipediaへの理解が深くないため、記事の編集に関わっているケースは非常にまれである。このためもあって、Wikipediaは慢性的な編集者不足に悩まされている。一方、Wikipediaで影響力が強い記事の編集に熱心な編集者には、アカデミックの専門訓練を積んでいない人も多く、ともすると断片的な知識や一方的な思い込みによって記事を執筆しがちである。このため、現状においては、記事の学術的信頼性が確保されているとは言い難い。

だから、大学での調査・研究で、Wikipediaをそのまま信じて引き写すと、痛い目を見ることになる。

しかし、そうした欠点をわきまえた上で使いこなせば、Wikipediaもまた便利なツールであるといえる。以下では、特に、中国語の調査・翻訳でのWikipediaの活用方法について概説する。

Wikipedia中国語版

Wikipediaは英語・日本語のみならず、世界の様々な言語で提供されている。

日本語Wikipediaにアクセスすると、ウィンドウ左下に「他の言語」という一覧がある。

wp001.png

その一番下の「中文」をクリックすると、中国語のWikipediaに移動する。

wp002.png

デフォルトでは繁体字表示だが、画面右上の「大陆简体」をクリックすると、簡体字表示になる。

新語・サブカル語辞書としてのWikipedia

Wikipediaでは、表示している項目が他の言語でもたっている場合、ウィンドウの左「他の言語」に言語の一覧が表示される。そこで任意の言語を選択すると、当該言語の項目にジャンプする。これを利用して、日本語や中国語の項目を検索し、他の言語にジャンプすることで、その項目語の訳語を調べることができる。

この方法は、比較的新しい語句や人名、映画・小説・音楽などの作品名といった、一般の辞書には収録されない語句を調べる際に有効だ。

それでは、例として、「ガンダム」の中国語を調べてみよう。

まず、Wikipedia日本語版で、「機動戦士ガンダム」のページを表示させる。

gd.png

つぎに、前に説明した要領で、「中文」ページに移動する。

ここで、表題上のタブに注目してほしい。「大陆简体」「港澳繁體」「马新简体」「台灣正體」などと書かれたタブがあるはずだ。

gd2.png

右の「▼」をクリックして選択すると、アジアの中国語圏各地に対応した中国語ページに切り替えられる。

gd3.png

「ガンダム」が、台湾と香港・大陸で別の訳語になっていることがわかる。