長安大戯院夜戯 †
- 中国京劇院二団
寿州救駕 †
- 黄樺
- 劉金定
『女殺四門』ですな。説明書、ストーリー説明がなぜか『男殺四門』になってましたが。
黄樺、翻身はキレをトコトン追及したスーパードライ、ってな感じですねえ 。スピードがあり、 軸も余りぶれないし、悪くはないのですが、何というかな、若干美しくないんですよねえ。この辺が微妙なのですが、 インパクトスピードがあるのは良いことなのですが、靠肚が思いっきりめくれてねじれて、というところまで行くと、 過ぎたるは何ぞやら、になるわけで、粗雑さを感じてしまうわけです。鎗のキャッチミスもあったし、全体にもうちょっと 丁寧・堅実に美しさを追求してもらった方が、見る方としては幸せかな、と。
遇皇后・打龍袍 †
- 楊燕毅
- 包拯
- 郭瑶瑶
- 李妃(前)
- 張静
- 李妃(後)
楊燕毅は、戦友でしたっけね、彼の包拯ははじめてです。声はまあまあ出てるけど、ちょっとがさついていました。 悪くはないけど、良くもない、といった感じですね。
老旦二人は、並べると郭瑶瑶の方が声は良いですね。ただ、それでも声量は不足しているし、スレンダー過ぎて老旦としては 扮相が今ひとつなのがねえ。張静の方は扮相はいいんだけど、喉は落ちますねえ。
老旦たるもの、すべからく浅香光代のような図太い肝っ玉母さんたるべし。15年前、最晩年の王玉敏の特別出演『四郎探母』を見て感動して以来、 そう信じて疑っていないのですが、額の血管がぴくぴくしてるんじゃないかと思わせるような、ドスの利いた老旦ってのは、王晶華あたりで おしまいなんですかねえ。浄もさることながら、今の京劇界で一番人材不足なのは老旦なのでは?という感想を抱きました。