#contents
*はじめに [#g45e72cb]
Becky!は、シェアウエア(¥4,000)のメールソフトですが、きわめて高度なカスタマイズ性をもっており、かつ多彩なプラグインによって好みの機能が付加できることから、通の間で幅広い人気を誇っています。
現在のバージョンは2(以下、Becky!v.2をB2と省略)は、OutlookやNetscapeに勝るとも劣らない多言語機能を備えています。
以下、B2の多言語設定方法を、Windows 2000/XPでの使用を前提として、おおざっぱに解説します。
*フォントの設定 [#p3de1052]
B2で多言語メールを扱うためには、まず、文字コードとフォントとの関連づけ設定をする必要があります。
設定は、[ツール][全般的な設定]の「言語/フォント」タブでおこないます。
#ref(b2-1.gif,nolink)
ここで、「言語」と「フォント」との関連づけを設定します。
「言語」は、ボックス右の「▼」をクリックして一覧から選択します。ここでは、繁体字中国語(BIG5 (Chinese Traditional))を選択します。
#ref(b2-2.gif,nolink)
次に、「フォント」の右の「変更」をクリックします。
#ref(b2-3.gif,nolink)
BIG5の場合は、「[[MingLiU]]」フォントを選択します。スタイルを「標準」に設定し、適当なフォントサイズを選びます。見落としがちですが、画面下の「書体の種類」を「欧文」から「CHINESE_BIG5」に切り替えます。これで「OK」を押せば、設定完了です。
あわせて、「返信メールは返信元のメールの言語を引き継ぐ」もチェックしておきましょう。
簡体字中国語(大陸)の場合は、
-言語:GB2312(Chinese Simplified) および HZ-GB-2312 (Chinese Simplified HZ)
-フォント:SimSun
-書体の種類:CHINESE_GB2312
ハングルの場合は、
-言語:ISO-2022-KR (Korean KSC)
-フォント:GulimChe
-書体の種類:ハングル
多言語混在メールを送りたい場合は、「UTF-8」を設定します。
-言語:UTF-8 (UNICODE)
-フォント:Arial Unicode MS など
Arial Unicode MSは、Unicode2.1の全ての文字を含むフォントですが、漢字のデザインが美しくありません。Unicodeの漢字だけを使ったメールならば、「MingLiU」や「SimSun」などのフォントでもいいでしょう。
B2のVer2.11以降は、中国の新文字コード規格、GB18030に対応しています。
- フォント名:SimSun-18030
- 「UNICODEフォント」をチェック
- コードページ 54936
なお、事前にMicrosoftの中国サイトから、GB18030対応パッチを入手し、インストールしておく必要があります。同パッチは、Win 2000/XP専用なので、必然的にそれ以外のWindowsではGB18030を扱えないことになります。
また、ごく稀に文字コードをGBKに設定した中国語メールが見うけられます。B2は標準ではGBKをサポートしていないので、追加設定する必要があります。[全般的な設定]「言語/フォント」タブの言語ボックスの右「追加…」をクリックします。以下のボックスが開くので、
-キャラクタセット名:GBK
-エンコーディング:8bit
-説明:Chinese Simplified
に設定します。
#ref(b2-4.gif,nolink)
OKを押し、「言語/フォント」タブに戻ったら、
-コードページ:936
に設定します。なお、Windows 2000/XP以外の場合、OfficeやIEのバージョンアップをしていない場合は、
-コードページ:0
でかまいません。
#ref(b2-5.gif,nolink)
*メールを閲覧する [#n85cb702]
B2で日本語以外のメールを受け取ると、以下のように題名・発信者などが文字化けします。
#ref(b2-6.gif,nolink)
メールの言語がキチンと設定されていれば、当該メールを選択するだけで、件名・差出人が正しく表示されます。
#ref(b2-7.gif,nolink)
#ref(b2-8.gif,nolink)
言語が設定されていないメールの場合、選択するだけでは文字化けが解消されません。
#ref(b2-9.gif,nolink)
このような場合には、ウインドウ右下の地球アイコンをクリックして、言語を手動で切り替えます。
#ref(b2-10.gif,nolink)
#ref(b2-11.gif,nolink)
HTMLメールが文字化けした場合は、B2のHTMLメールはInternet Explorerを使って表示しているだけなので、Internet Explorerと同様、右クリックして言語を切り替えます。
*メールを書く [#p9c7fb42]
新規メールを作成する場合、IMEを切り替えて中国語を入力しても、JISコードに無い文字が「?」化けしてしまいます。
#ref(b2-12.gif,nolink)
日本語以外のメールを書きたい場合は、メール作成ウインドウ右下の、地球アイコンをクリックして言語を切り替えます。
#ref(b2-13.gif,nolink)
その上で、中国語IMEで入力すれば、問題なく表示できます。
#ref(b2-14.gif,nolink)
なお、B2はUnicode内部処理には対応していないため、メール作成途中で言語を切り替えると文字化けしてしまいます。この点、Outlookなどとは異なるので、注意が必要です。
**中国語の件名 [#jdd99278]
B2では、宛先・件名などに日本語・英語以外を直接入力することができませんでしたが、Ver2.05.08以降で、件名に直接中国語を入力できるようになりました。メール作成画面で言語を切り替えた上で、件名欄に直接中国語IMEで入力してください。
**中国語の署名 [#t4ee5a78]
メールの末尾には署名をつけるのが一般的で、B2も当然この機能をサポートしています。[ツール]→[メールボックスの設定]→[メール作成]タブをクリックすると、その設定画面が表示されます。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2001.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2001.gif,nolink)
まず、「署名」右のプルダウンで、署名の名称を選びます。署名の名称が表示されているボックス内をクリックして入力すれば、名称変更することもできます。また、右の「新規」ボタンをクリックすると、署名を追加することもできます。次に、下のボックスに署名を入力し、「OK」をクリックします。これで、メールを作成するごとに、設定した署名がメール末尾に自動で添付されます。
しかし、標準の設定のままで日本語・英語以外のメールを書くと、署名が文字化けしてしまいます。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2002.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2002.gif,nolink)
この問題を解決するには、中国語の署名を登録し、メール作成時に切り替える必要があります。
中国語の署名については、B2がVer2.05.08でサブジェクトの中国語直接入力に対応したのとトレードオフで使えなくなった、と、Becky!MLに載っています。しかしそれは、B2本体からの登録が出来なくなったということであり、実際には、一手間かけることで最新版のB2でも中国語など多言語の署名を使いこなすことができます。
まず、B2で中国語用の新規署名を作成します。仮に「Chinese」としておきます。
次に、B2のデータ保存フォルダを開きます。デフォルトでは、
c:\Becky!\ユーザー名
になっています。その中のフォルダが、各メールボックスのデータフォルダです。それを開くと、中に、「$$$」ではじまるテキストファイルがあるはずです。それが、署名ファイルです。署名ファイルの名称は、
$$$ + 署名の通し番号 + 署名の名称.txt
というルールで名付けられています。「Chinese」ならば「$$$0005Chinese.txt」のような名前になります。
このファイルを、多言語対応エディタで開き、中国語の署名を作ります。ここでは、EmEditorを使います。
#ref(b2-15.gif,nolink)
作成した署名を、文字コードを指定して上書き保存すればOKです。
#ref(b2-16.gif,nolink)
中国語以外の文字コードでも、署名が上手く作れない場合はこの方法を試してみてください。
中国語のメールを作成する際に、メール作成画面の「署名」で中国語署名に切り替えれば、キチンと中国語で表示されます。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2003.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2003.gif,nolink)
*メールの振り分け [#o67d84d6]
B2がヘビーユーザーに支持されるのは、その強力かつ細やかなカスタマイズ機能にあります。それが特に発揮されるのが、メールの振り分けです。
なにも設定しないでメールソフトを使っていると、受信箱にメールマガジン、メーリングリスト、個人メールなどが滅茶苦茶に蓄積されていきます。いざというときに必要なメールは見つからないし、非常に見づらくなってしまいます。
メールの振り分けとは、一定の条件を満たしたメールを、決められたフォルダに自動で移動させる機能です。「メールの発信元が***」というメールを「**さん」というフォルダに自動で移動する、「メールの送り先が×××というメーリングリストのアドレス」というメールを「×××」フォルダに移動する、というような設定ができるので、大量のメールも効率的にさばくことができます。
B2では、このメール振り分け機能が非常に簡単に設定できます。
まず、メールを振り分けるフォルダを作成します。左側のツリービューのメールボックスをクリックして選択し、そこで右クリック→「フォルダの新規作成」を選択します。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2009.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2009.gif,nolink)
フォルダが新規作成されるので、そのままフォルダの名称を入力します。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2007.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2007.gif,nolink)
次に、作成したフォルダに振り分けたいメールを、受信箱などからドラッグしてそのフォルダに移動させます。移動させたメールを選択した状態で、ツリービューの当該フォルダを右クリック→「フォルダへの振り分けルール」を選択します。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2006.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2006.gif,nolink)
ここで、振り分け条件を設定します。例えば、例の解放日報の場合、全てのメールが「jfrb@list.cn99.com」というメールアドレス宛に送信されています。そこで、「条件」の「ヘッダ」プルダウンで「To(宛先)」を選択します。すると自動で、下の「文字列」欄に選択しているメールの「To」に指定されているメールアドレスが入力されます。後は、「追加」をクリックし「OK」を押して終了します。
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc/faq/images/b2011.gif,nolink)
#ref(http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/pc-images/b2011.gif,nolink)
個人メールであれば、「From(差出人)」を条件指定します。また、送信したメールをフォルダに振り分けることもできます。「送信済みメール」をチェックしましょう。ただし、振り分け条件には日本語・英語以外を入力できないので、中国語などのメールを件名や本文の特定の字句によって振り分けるのは困難です。
さらに、B2では、フォルダごとに署名を変えたり、返信先を指定したりすることもできます。ヘルプファイルなどを参考に、いろいろと便利な使い方をさがしてください。