宋の開国名将の子孫・高寵は、牛頭山に高宗を奉じて立てこもり、金の四太子・兀朮と対峙する岳飛軍に身を投じた。決戦に際し、岳飛は高寵が軍情に不案内であることから、軍旗の警護を命じ、戦に参加させなかった。兀朮の奸計を慮った岳飛は、偽って負けるが、そうとは知らない高寵は、単騎山を駆け下りて兀朮を打ち退ける。金軍は、高寵をおびき寄せて、山頂から秘密兵器・鉄滑車を転がす。高寵は続けざまに十二の滑車をはね飛ばすが、馬が力つきたため、ついに圧死する。
- 《説岳全伝》第三十九回から。
宋の開国名将の子孫・高寵は、牛頭山に高宗を奉じて立てこもり、金の四太子・兀朮と対峙する岳飛軍に身を投じた。決戦に際し、岳飛は高寵が軍情に不案内であることから、軍旗の警護を命じ、戦に参加させなかった。兀朮の奸計を慮った岳飛は、偽って負けるが、そうとは知らない高寵は、単騎山を駆け下りて兀朮を打ち退ける。金軍は、高寵をおびき寄せて、山頂から秘密兵器・鉄滑車を転がす。高寵は続けざまに十二の滑車をはね飛ばすが、馬が力つきたため、ついに圧死する。