中国伝統劇解説/豫劇『花槍縁』

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羅芸は試験を受けに上京する途中病に倒れ、南陽の姜家集に滞在する。そこで姜桂枝と知り合い結ばれ、桂枝から家伝の七十二路花槍を授けられる。羅芸は病全快の後都にのぼり、(陳の)大将軍・秦旭に認められその娘と結婚し、子の羅成を生む。時は流れて隋の末、羅芸は瓦崗塞反乱軍に参加していた。姜桂枝は夫の消息を聞き付け、子の羅松、孫の羅煥とともに瓦崗塞に向かう。羅芸は体裁を気にして彼女を妻と認めようとしない。羅成は戦いを挑むが羅煥に生け捕られ、更に怒った姜桂枝が羅芸を打ち負かす。程咬金の仲介により羅芸が桂枝に詫び、一家団円となる。

  • 羅芸と姜桂枝(及びその子・孫)を描いたものは、この他に《対花槍》(《父子会》《羅松找父》)《羅松拝寿》《飢虎山》《羅煥跪楼》などがある。京劇には《対花槍》が豫劇より近年移植された。懐調・宛梆・山東梆子にも同様の劇目がある。
  • 物語は小説には見えない。伝統評書《興唐伝》では、姜氏は姜維の子孫。羅芸は幼いころ乞食であり、姜家の下僕となり秘伝の槍法を盗み学ぶ。ちなみに秦家は、《隋史遺文》《隋唐演義》《説唐》では北斉、《説唐》(一部)《興唐伝》では陳の家臣。