中国伝統劇解説/越劇『魂断銅雀台』

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後漢末年、群雄割拠の時代、曹操は官渡で袁紹を破り、袁紹の子の未亡人・甄洛は戦乱の中を逃げまどった。その時、曹操の愛子・曹植(子建)は命を奉じて兵糧の催促をしていたが、偶然、洛神祠に隠れた甄洛に出会い、其の艶麗に驚き、かつその不幸を憐れんで、白馬を贈って甄洛が鄴城に逃げ帰るのを助けた。甄洛は出発に際して玉の帯玉を贈り、馬を贈って危機を助けてくれたよしみに答えた。

まもなく、曹軍は袁紹の本拠地・鄴城を攻め破った。曹植の兄・曹丕(子桓)は甄洛の美貌を聞き知って、急ぎ袁の屋敷に入り、甄洛を妻に娶ろうとしたが、はからずも、曹操が袁の屋敷に祭りに来たのと出会い、曹操は甄洛の二人といない美貌を見て、やはり妾にせんとの意を懐いた。曹植が駆けつけて甄洛と出会ったとき、二人は心と心は合わさり通じ合ったが、しかし、風波がまさに起とうとしていた…