中国伝統劇解説/京劇『玉堂春』

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明代、名妓の蘇三(玉堂春)は吏部尚書の公子・王金龍と、偕老同穴を誓いあっていた。王は長く妓楼に住むうちに財産を使い果たして、やりてばばに追い出され、路頭に迷ったあげく、関帝廟に身を寄せた。蘇三はそれを聞き知って、訪ね銀を送って彼が故郷の南京に帰るのを助けた。

王がいなくなったあと、蘇三は客を取るのを拒み、山西の豪商沈燕林の妾に売られてしまう。沈の妻の皮氏は趙監生と私通していたが、沈を毒殺し、逆に蘇三が夫を謀殺したと濡れ衣を着せた。洪洞県の県令は賄賂を受け取り、蘇三を死罪として太原に護送した。

一方、王金龍は科挙に合格して山西巡按の職を授かり、この事件を審問することとなり、潘必正﹒劉秉義とともに“三堂会審”に臨む。そこで蘇三の別れた後の辛苦を知り悲しみにたえず、微服してひそかに牢獄を訪ねた。また劉秉義の助けを得て、えん罪を覆し、ついに蘇三と結ばれる。

  • 蘇三が太原へ護送される場面は《女起解》として折子戯でも演じられる名場面。
  • 《警世通言》の《玉堂春落難逢夫》から。