中国伝統劇解説/豫劇『秦雪梅』

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明の成化年間、書生の商林と官僚の令嬢﹒秦雪梅とは許婚であった。後に商家は没落、林は秦家の離れに寄寓する。ある日、雪梅は花見に名を借りて書館に至り林の学業を見ようとするが、林が外から帰ってきたところに出くわし、二人は相思相愛の情を打ち明けあう。このことを目撃した雪梅の父は怒り、口実を借りて林を追い出し婚約を破棄する。家に帰った林は憤懣から病を得る。商林の母は雪梅を嫁に迎えて厄払いをしたいと申し入れるが、秦の父は許さぬばかりか、下女に迫って身代わりに嫁がせる。林は怒りから血を吐いて死ぬ。雪梅は凶報を聞いて生きる希望を無くし、自らの死を賭けて父母に迫り、商家に弔いに行くことを認めさせる。

  • 《豫劇小戯考》による。《豫劇伝統劇目匯釈》によれば、雪梅は節を守って下女愛玉が身ごもった林の子を育て、その子﹒路児は後に状元に合格する。
  • 物語は、明傳奇《三元記》に見える。