北京購書指南 のバックアップ差分(No.3)


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-古典文学・歴史関係を中心とした学術書購入に、私がよく利用する書店、および印象深い書店を大雑把にまとめたもので、網羅的なものではありません。 
-増補・改訂は随時行っていますが、数年間更新されていない情報もあります。 
-郵送・クレジットカード対応については、確認した書店のみ掲げました。 
-地図は所在地説明の便宜上掲げたもので、必ずしも正確ではありません。実際に書店を訪問する際には、市販の地図をあわせてご参照下さい。 
-本コンテンツのダウンロード・プリントは自由ですが、著作権者の許可を得ずに転載・利用することを禁止します。
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*はじめに [#m316b938]

中国の書店といえば、新華書店というイメージがあります。上海南京路新華書店のように、全国各地の図書販売の中心が、新華書店であるのは、紛れもない事実です。しかし、これは北京についてはあてはまりません。北京にも多くの新華書店がありますが、新刊文芸書・基本工具書・通俗書が中心で、学術書の点数は概して多くありません。
北京の書店業界地図は、ここ十年ほどで大きく変わりました。

 北京での学術書(特に有史以来開放以前の文史哲関連著作)販売は、解放後、鄭振鐸らが古籍書文化の保護を提唱して作られた、国営の中国書店が中核となっているのです。また、北京には多くの出版社の本社が集中しているため、各出版社の門市部・読者服務部がたくさんあります。購入したい本の分野がはっきりしている場合は、それらの書店を訪問するとよいでしょう。
まず、大規模書店の出現。国営新華書店が経営改善のため、大規模書店を立ち上げるようになりました。新刊書籍であれば、それらの店で大抵のものがそろいます。

 1990年代後半、改革開放の急速な進展にともない、書店業界にも改革開放の波が押し寄せています。それまでは、親方五星紅旗の国営書店しかありませんでしたが、民間資本系の書店があらわれるようになっています。そして、多くの通俗書を専門に販売する小規模書店や書店チェーンが出現するとともに、カート・買い物籠・立ち読み椅子など、国営の書店では考えられなかった高度なサービスを提供する大規模総合書店も出現しました。風入松書店・万聖書園などが、その代表格です。このような動きと、図書流通の自由化とがあいまって、国営の新華書店も大規模な改革をせまられました。その結果、中国の大都市には、北京図書大厦のような大規模な総合書店が次々と生まれました。 とはいえ、図書の在庫管理は、相変わらず店ごとの売り切り制で、掘り出し物を探すには、在庫の残っていそうな本屋の数をこなすのが基本であるという情況は、変わっていません。
次に、民間系書店の躍進。旧城内の三聯書店、北大周辺の万聖書園・風入松・国林風などは、社会・学術系に強い品揃えで、インテリ層の支持を得ています。また、中関村にオープンした第三極書局は巨大な売り場面積で、新華書店系ブックビルに対抗しようとしています。

この指南はごくごく大雑把なものですが、買い物時間が無いときに、効率的に学術書店をまわれるよう留意して、コメント(かなり主観的ですが・・・)を施しました。北京訪問の折に、お役立ていただけたら幸いです。
一方、相対的に地位が低下しているのが中国書店です。古書や古雑誌の購入については、あいかわらず他者の追随を許しませんが、新刊学術書については、前述の各書店にお株を奪われるようになりました。

更に、当当・卓越などのオンライン書店も力を伸ばしており、北京に数日滞在するのであれば、ホテルに代金引換・送料無料で配送してもらうこともできます。

このため、売れ残りの新刊書を探して本屋の数をこなす必要が、以前に比べてだいぶん減ってきました。近頃は、以下の巡回コースをたどればOKでしょう。
-新刊書海澱コース:万聖→(風入松→国林風→海澱図書大厦→)第三極
-新刊書旧城内コース:三聯→(涵芬楼→王府井書店→)西単図書大楼
-古本:(隆福寺中国書店→)灯市口中国書店→古籍書店・海王邨など
-古雑誌:西単中国書店→古籍書店・海王邨