口福居

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以前、日本で、もつ鍋ブーム、続けてしゃぶしゃぶブームがあった。消費者にとっては鍋料理のゴージャス感を味わえることが、店側としては濃厚なスープやタレの味でごまかしがきくので原材料費が安く上がるのがブームの原因であったと記憶している。

中国の涮羊肉も、ある意味同じような面がある。涮羊肉の味は肉の質もさることながら、タレが最も重要となるが、そこらの街角の店では出来合いのタレを出すことも多い。以前、上海で涮羊肉したとき、市販の川崎のタレがパックのまま出てきて興ざめした記憶がある。流石に格式を誇る涮羊肉店では、独自に調合したタレを出す。芝麻醤をベースに醤油・腐乳などを混ぜ合わせたものが一般的だ。

もとは白塔寺近く、趙登禹路の“火鍋一条街”に店を構えていたが、その一帯が2002年に再開発になったため、本店は城鉄知春路站の隣に移転した。

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店はだいぶん大きくなった。一階はテーブル席で、ガスコンロと大鍋の涮羊肉、個人毎の小鍋の涮羊肉のほか、電子調理器による鴛鴦火鍋席もある。メニューには、各種羊・牛肉やセンマイ・牛骨髓などの外、海鮮も加わっている。

涮羊肉の味は、嬉しいことに全く落ちていない。内蒙古の専用牧場で肥育された肉も相変わらず上質で、柔らかく臭みが無い。香菜とネギを混ぜた胡麻タレで、糖蒜をかじりながら羊を食べると、ついつい食べ過ぎてしまう。 ただ、前菜のワゴンから北京の伝統小菜が減ったのは残念である。


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